石川(裕)委員
早速ですけれども、9月の16日、我が会派の曽我部議員が一般質問で神奈川の未来を担う子供たちへの取組についてということで、公職選挙法の改正に伴う諸課題について質問させていただきました。その際に教育長から、県教育委員会は国の補助教材の配付を待たずに、今月中にもまず教員向けの指導用資料を作成し、全県立高校に配付します。そして、3年生を中心に総合的な学習の時間等の授業を活用して、生徒の選挙についての理解をより一層深めてまいりますという御答弁をいただきました。まず、今月中に指導用資料を作成し、配付されているのかどうかまず確認をしたいと思います。
高校教育課長
お話にありました県教育委員会が独自に作成した教員向けの指導用参考資料でございますけれども、こちらは9月の29日付けで全校に送付しております。
石川(裕)委員
9月29日ということで、配付をいただいているということですけれども、それで今度、9月の30日の新聞によりますと、総務省、文科省から、実践活動重視、高校生の副教材ということで、これは記事を読んでいきますと、12月までに、全ての高校生に配付をするというふうに書いておりますけれども、まずこれについて、いつ頃配付されるのかということをもう認識されているのかどうかということを伺いたい。
高校教育課長
今お話にありました、文部科学省と総務省が作成をいたしました高校生向けの副教材、題名が、私たちが拓く日本の未来というものでございますけれども、これは9月の29日に文部科学省と総務省のホームページには掲載をされておりますが、生徒1人1冊の配付ということにつきましては、このホームページに掲載したときの通知文によりまして12月までにというふうになっております。
石川(裕)委員
12月までにということは、まだ県教育委員会に関しては、いつ届くということはまだ通知されていないということでよろしい。
高校教育課長
そのとおりでございます。
石川(裕)委員
この配付方法なんですけれども、まず一旦教育委員会に届いて、そこから全県立高校に配付されるのか、それとももう中身は先に教育委員会でちゃんと確認が済んだ上で文部科学省から直接高校に送られるのか、その辺はどういう仕組みになっているんでしょうか。
高校教育課長
そこら辺の配付についての詳細については、まだお話を頂いておりません。今までの生徒一人一人への配付というような場合には、直接学校に生徒数分だけ配送されるといった例がございます。
石川(裕)委員
18歳からの選挙権のことは今年決まったわけですけれども、先般教科書に対する質問も他会派からありましたけれども、まずこの教科書選定の中で毎年高校は教科書選定があるということですけれども、当然、選挙権が18歳に引き下がったということは今回の教科書には載っていないと思うんですけれども、この辺はどうやって今年の高校3年生には、どういう指導をしていく予定なのか伺いたい。
高校教育課長
9月29日に配付をさせていただきました本県独自の指導資料によりまして、今後高校3年生につきましては、限られた時間の中ではございますが、総合的な学習の時間やロングホームルームの活動を通して、政治参加教育を進めるということで、11月の上旬に予定しているのは、各学校のシチズンシップ教育の担当者を集めました説明会を開きまして、そこで指導事例などを示しまして、更に高校3年生への指導が徹底するように進めてまいりたいと考えております。
石川(裕)委員
その中で、曽我部議員も一般質問のときにお伝えしているんですけれども、高校3年生で進学を希望している方はもう受験に向けて勉強されていると思うんですけれども、そういう中でもう限られた、あと半年という時間の中で大体どのくらいのときに、当然進学や、就職される方もいらっしゃると思いますけれども、その邪魔にならないと言ったらあれですけれども、そういう中でどういうスケジュール感でそのことを指導していこうというふうにされているのか伺います。
高校教育課長
限られた中での、授業の中で指導するという方法もございますが、例えば総合的な学習の時間や、先ほど申し上げたようにロングホームルームというのは卒業ぎりぎりまで行うことが通例でございますので、そうした時間を利用して、とにかく卒業までに、とにかく間際になってもいいから、しっかりと指導していくということで学校にはお話をしていきたいというふうに考えております。
石川(裕)委員
そういう中で、シチズンシップ教育というところもありますけれども、模擬投票、神奈川県は先行してやられているというようなことも伺っています。これから7月に参議院選挙がありますので、高校3年生の中でも選挙権を持つ生徒さんと選挙権を持たない生徒さんが出てくるということになります。実際、来年はもう参議院選挙ですから、必ずこれはあることは決まっていますので、そういう中でこの模擬投票の在り方というのは、今例えば高校全体でやっているというところもあると思います。若しくは学年ごとにやっているのかもしれないですけれども、その辺もう一回模擬投票のやり方について御説明いただきたい。
高校教育課長
委員御指摘のように、模擬投票の実際のやり方につきましては、各学校にお任せしております。例えば、公民科の授業において、その履修している生徒を対象にという場合や、総合的な学習の時間、あるいはロングホームルーム活動、あるいは特別活動といった、教育活動の中のできるところで行っていただいているという状況でございまして、全生徒あるいは1クラス、履修している生徒が1クラスしかいなければ1クラスだけを対象にといった形で、いろんな形でやっているという状況でございます。
石川(裕)委員
ちょっと今それで気になったんですけれども、ロングホームルームとかそういうところで生徒さんを指導するということなんですけれども、来年の教科書の中には、この選挙権が引き下げられたということは教科書に当然出てくると思うんですけれども、これは公民だとかその辺の教材で出てくるようになるんでしょうか。
高校教育課長
教科書の修正につきましては、今回のような場合、教科書会社の判断によりますけれども、検定後でございますけれども修正が可能となっておりまして、聞き取りをしたところ、多くの教科書会社が来年の教科書については修正を予定しているというふうに聞いております。
石川(裕)委員
ということは、今年はもう修正はしない。来年の教科書からは、そういう修正というか、選挙権が下がった、18歳になったということを指導する。今年は、じゃ、副教材でそれはフォローしていくということですか。
高校教育課長
お話のとおりでございます。
石川(裕)委員
そういう中で、模擬投票のやり方のところなんですけれども、実際に今度は選挙権を持つ生徒さんが出てきます。そういう中で、高校全体で今やっているところ、学年ごとでやっているところと、それぞれ学校に任せているということなんですけれども、これを実際に参議院選挙に今まで絡めて、多分こういう模擬投票とかということをやられていたと思うんですけれども、これはこれで今までは良かった。でも、これからは、実際に今度投票できる生徒さんが出てくる中で、これが、逆に言うとそれを洗脳と言ってはあれなんですけれども、そういうことでそこで投票した行動がそのまま自分の行動につながっていってしまう。若しくは、それが、先生が中立の立場で指導をするといっても、そういう中でちょっと誤った、若しくはちょっと例えば生徒から、例えばこの法案について先生はどう思うのというような質問をされた場合、これからこの高校3年生、特に18歳になっている、なっていないというところのその先生に当たっては、どういう指導をこれから、教育委員会から先生へどういう指導をしていくのか伺いたい。
高校教育課長
これまでも、例えば定時制の課程での模擬投票などにおきましては、定時制高校には既に成人に達している生徒もいる中で模擬投票を行ってまいりました。こうした中で、選挙権を有する生徒も他の生徒も区別することなく、取組に参加させてきたという経緯がございます。また、模擬投票の投票日を実際の投票日の前日までに設定をしていたり、開票は投票結果が確定した後30日以上経過してから行うといったような、かなり細かい形で本県の模擬投票は行っておりますことから、選挙権のある生徒の実際の投票行動に影響があるというのはちょっと考えにくいかなというふうに考えています。選挙権を有して、実際の選挙にすぐ参加することになる生徒と、まだ有していないけれども近い将来選挙に参加することになる生徒が混在するが、いずれの生徒に対しましても、同じ狙いで選挙活動あるいは投票活動あるいは政治参加についての意識の高揚ということについては等しくやってまいりたいと考えております。
これまでも、政治的中立を確保する観点から、政策の是非等、教員の価値判断を含んだコメントは一切しないこととしておりまして、これまでも模擬投票の取組の中で、こうしたことに抵触した事案はなかったと認識をしております。
今、例えば先生にこれから、私が生徒だとすると、この法案についてよく分からない。例えば、この法案についてどう思うんですかと先生に聞く場面というのは出てくると思うんです。そういうときに、この先生はどういうふうにこの生徒に対してお答えをするのかということを聞きたい。
高校教育課長
今のことにつきましては、まず自分の思想信条をそこでお話しするということはないかと思います。それについて、逆にあなたはどう考えるのか、それを考えなさいということで、教育の中では個人的な教員の思想や信条をそこで述べるということはできないというふうに考えております。
教育監
やはり我々教育現場に求められるのは、これからの社会を築いていく子供たちがより多面的な考え方が持てるような授業の展開が必要だというふうに考えております。したがいまして、こういった授業に関しては、より子供たちに多面的に、そしてそれぞれが深く考えられるような状況を提供する、そういう先生方の投げ掛けが必要だというふうに捉えております。
石川(裕)委員
そういう中で、先生方もなかなか中立とか公正にということで、伝え方は難しいとは思うんですけれども、それに対して生徒はそれぞれ調べて、例えばいろいろな、新聞1紙じゃなくて3紙だ、4紙だ、5紙だということを比べて、どういうふうなことなのかということを生徒自身で学ぶということで、結局若い人たちが投票に行ってくれるということにつながればいいとは思うんですけれども、そういう中で、最後に要望という形でお伝えさせていただきますけれども、先ほども定時制でという話もありましたし、大学生でも選挙権がある大学生と選挙権がない学生がいる。じゃ、そういうのと変わらないじゃないかというような話をされる方もいらっしゃるんですけれども、私はそうじゃなくて、大学生や定時制の高校というのは、いろんな社会の経験を積んでいる方もいらっしゃいますし、学生の中では、同級生の中では社会に出た子もいるし、いろんな地域から来た学生さんが集まって、いろんな情報がありますけれども、高校3年生だとある一定の地域の、学びに来ているという中で、先生の一言が本当に左右されやすい。例えばこの法案については駄目だよねとか、良いよねと言うだけで、もう生徒さんはそれに感化されやすいというようなこともあるので、その辺に関しては、来年から教科書も少し変わるということですけれども、きちんと生徒さんに投票をやってもらう。しかし、そういう政治的には常に中立な形で先生にも教育をしていただきたいということを要望いたしまして、終わりたいと思います。