石川(裕)委員
続きまして、議案にあります工事請負契約の変更について伺います。
まず、今回の議案で請負契約の変更が4本出されていますが、まず、もともとこの県庁の改修工事について、いくらの予算で改修をするのか教えてください。
施設整備課長
新庁舎改修及び増築工事に係る当初予算です。平成26年度から28年度までの3箇年継続費になってございました。総額は、工事費と工事監理費等合計で約150億円ということです。
石川(裕)委員
当初の予算額は3年間で150億円ということで、再度確認をいたしますが、今回は建て替えを行うのは分庁舎、そしてほかの建物は改修ということですが、この150億円という金額があれば、全部建て替えることというのはできなかったんですか。
施設整備課長
今回の全体の本庁庁舎の地震津波対策工事については、平成25年2月に取りまとめました本庁庁舎耐震対策基本構想に基づいて実施しているわけです。この基本構想の中では、新庁舎についても、新築の場合と今回の免震の改修の場合についての費用や工期等について比較検討させていただいているところです。
建て替えの場合の予定ですが、その計画の中では、設計、それからこの既存建物を取り壊す、それから建築工事をするということで、全体で工期は約6年かかるということです。これは、平成30年度末までかかるということです。さらに、その総額については、当時ですが、約224億円ということで試算しておりますので、工期、工事費ともやはり免震改修の方が好ましいと判断したものです。
石川(裕)委員
そういう数字があって今回は改修ということになったというふうに伺いましたが、その中で、今回、4本の請負契約の変更議案がまず上げられています。
一つは、外壁の仕様変更等で83億9,000万円から93億7,000万円でこれは約10億円近い増額となります。同様に消火設備などで1億3,500万円、情報通信で3億4,700万円、そして空調関係で2億2,000万円の増額ということで全部合わせて17億円も増えるわけです。
これの理由というのを先ほど述べられていますが、17億円ですよ。これは17億円が急にぽんと出てくるわけですが、今頃どうしてこれだけの金額になるのかということを伺ってよろしいでしょうか。
施設整備課長
大変大きな額ということは受け止めてございます。
先ほども答弁させていただきましたが、天井をいろいろと改修したり、床を取り除いたりということで、もともとあります保管している図面から、あるいは見える範囲の中での現地調査をした上で、図面を作成し、設計書を作成し、工事を発注したところですが、いざ工事に入りましたところ、そういったものを取り除いたところ、図面には当初我々が想定していなかったところに配管が埋まっていた、特にコンクリートの中に埋まっていたといった状況がございました。そういったものについては、やはり工事上、当初からそれに対する対策がとられておりませんでしたので、改めて配管ルートを変更したり追加をしたりということがございました。
そういった意味では、先ほど申しましたようにもう50年間建物がたっておりまして、様々な補修、改修工事をしておりまして、もしかしたら、そういった小さな改修工事の図面が残っていなかったのも原因の一つと受け止めてございます。
それから、外壁についても足場をかけて初めて近くにまいりまして、そういった調査をしたところ、これも大体これくらいかなと思っていたところが想定以上に老朽化が激しかったということがございます。
そういったものを一つ一つ現場の施工者とそれから担当職員で調整いたしまして、当初予算の中で当然収まるようにいろいろと協議をしてまいりましたが、やはり工事を進めて完成するためには、必要な工事はやらないと終わらないということです。お金が当初予算よりも多くなるということについては、補正予算を組ませていただきました。まず予算はないと変更契約できないということですので、今年の第1回定例会にまず補正予算の議案を提出させていただきまして、御議決いただきました。その上で施工者と協議して仮契約をして、今回この請負契約の変更の議案を提出させていただいた次第です。
石川(裕)委員
先ほどの外壁の話ですが、これは見積りの見立てが少し違ったと言っても、外壁の仕様で83億9,000万円から約10億円になるということで、壁の改修工事でお金が変わるというのは、どんな工事をするんだというふうに私は思うんですが、この1点についてはどうですか。
施設整備課長
額にいたしまして、ざっとですが、外壁の改修に係る変更の上乗せですが、約2億3,000万円ほどです。それ以外のお金は何かということです。先ほど答弁させていただきましたが、バルコニーの関係のモルタルの撤去が約9,000万円、それから地下のスラブをこれからはつるわけですが、このスラブが予定よりすごく厚かったということで、これの処分ということで約5,000万円ということがございまして、合計しますと約10億円近いお金の変更額になるということです。
石川(裕)委員
その2億3,000万円と9,000万円と5,000万円は分かりましたが、それが積もり積もっていくと、6億円も7億円も増えてしまうということだが、そんなにかかるのですか。
施設整備課長
今、代表的なところを答えさせていただきまして、今申し上げた額でいきますと3億6,000万円ぐらいということです。さらには、少し工期を延長する場合も、仮設の経費がまたそれにも増しますし、それから、地下の関係の免震の補強もしていくということがるるございまして、それは30ぐらいの大きな項目がたくさんございます。それを合わせましたら、9億8,000万円ぐらいになったということです。
石川(裕)委員
よく分かりませんが、工期が延びることによって、当然そこの金額も増えているということですよね。であれば、工期をもっと短くするとかそういう検討もされているわけですよね。
施設整備課長
御指摘いただきましたが、私どもとしては、やはり一日も早く工事をしなければならないということが出発点のときから命題でございました。そういった意味で、一生懸命施工者と協議をしてまいりましたが、やはり、実はいろいろとあり、夜やろうと思いましたら、付近の住民からうるさいぞと言われたり、この会議をしていても音がしたというようなこともあったりしまして、なかなか思うようにできないということもございましたので、そういった意味では努力はしてまいりましたが工期が延びてしまったという結果です。
石川(裕)委員
様々な理由はあると思うんですが、まず、県民から見たら、最初に150億円でこの県庁の庁舎の改修をするんだということが発表されたわけです。そこから、また17億円増える、またその後、これがまた新しく出てきたから、また何億円くれ、またここが出てきたから何億円くれと、こういうことはあり得るんですか。
施設整備課長
まだ工期は1年ほど残ってございます。そういった意味では、これ以上増額はないのかということでございましたが、そこは断言することはなかなか難しいと思います。
ただ、やはり私どもとしては、大変大きな額と受け止めてございますので、何とか今この予算の範囲内で収まるように、これからも協議を重ねていって、本当に真にやむを得ないようなときは増額するかもしれませんが、今は予算の中で収まるようにこれからも協議してまいりたいと思っている次第です。
石川(裕)委員
これもしつこいようなんですが、そういう中で総額で17億円の今回議案が出ていますが、例えば今4事業体ぐらいでやられているということですが、だったら、ここのところの業者ではなくて、もっと違うところでやってみるとか、もしくは、最初のこの入札のときにあえてわざと低い金額で入札してという言い方はおかしいかもしれないんですが、後からこうやってお金をどんどん積み増せばいいやみたいな、そういうようなことというのはあり得ないのですか。そういうところはしっかりと見ていただいているということでよろしいですか。
施設整備課長
しっかり見ているかどうかということについては、しっかり見ているということです。
手続面においても、もし新しい施工業者をこれから選んで、この変更の工事をさせていただこうということになりますと、入札の手続でどう早くても2箇月ぐらいかかってしまうということございます。それから、新しい工事ということになりますと、工事に関わる諸経費、共通費というのがございまして、これは、一定率を掛けることになってございますが、これは少額ほど率が高いということですので、今の予定している金額で収まらない。それから、何にもまして、これまで一生懸命4業者が調整を重ねて、信頼も築いてやってきました。新しい業者さんが入りますと、一からスタートということになりますので、工事がスムーズにいかないということ、様々な要因がございますので、やはり今やっていただいている4業者にやっていただく、これが一番好ましいと考えているところです。
石川(裕)委員
そういう中で、今回のもともとの発端は、図面がなかったとか、もともとないようなところに配管があったとか、そういうようなことが原因でこれだけの数字が上がってきているというふうに認識しています。
そういう中で、この図面の保管義務というのは、これは何年間とか、当然建物がある間はあるべきものだと思うんですが、これがなくなっているということ自体が不思議ですが、この辺についてはどうなのかということと、今回改修することによって、この図面はきちんと永久保存版ではないですがこの建物がある限りは残されるということでよろしいでしょうか。
施設整備課長
図面については、建物がある限りは、やっぱり改修、補修等ございます。そういった中では設計図、設計書、それから関係機関の協議書といったものについては常用保存、いわゆる永久保存ということで捉えてもいいと思いますが、どういうわけか過去には、若干なかったところもあったのではないかと思っております。反省しなければいけない部分もあったかと思います。
今回の改修工事については、製本された図面、それから、今はCADという設計用のソフトで描いたものをCD-ROMで納めていただくということで大変コンパクトになってございます。さらに、今回変更がございましたので当初の図面と違うということですので、最終的には、完成して直った、一番、できたその姿のものも図面として起こしていただいて、それも図面とCDで納めていただくということですので、今後はそういったデータ、図面については、必ず引き継いで出させていただきたいと思っているところです。
石川(裕)委員
最後に要望になりますが、県民に対しては、まず150億円だということで最初に発表をさせていただいてお約束をしたという形になります。そこから請負契約で建物の改修を行っている中でまた何十億円という形で金額が膨らんでいってしまうと、県民の理解を得られないと思いますので、いろいろ鋭意努力をされているということですが、次は請負契約の変更がないよう御尽力いただきたいということを要望として申し上げます。