石川(裕)委員
続きまして、神奈川県公共施設等総合管理計画(素案)について、これも代表質問を受けまして質問をさせていただきたいと思います。
県の公共施設の維持更新費は、今後、現状の約1.4倍になると見込まれると、そういう中で縮減に向けて、これまで以上に民間資金の技術などを活用することが重要であるという知事答弁もございました。
そこで質問させていただきますが、まず、今回試算に当たって、統合や廃止を考慮せず、現在ある施設について長寿命化対策により縮減効果のみを考慮していくというふうに記載されていますが、これはなぜか伺います。
施設整備課長
今ある現状と、それから今あるものが今後30年間どういう維持更新費がかかるかという推計をまずさせていただきました。それを基に、更に長寿命化、更新時期を後に延長させたらどうなのかというところの試算をさせていただいたところです。
このさき、それぞれの施設については、個別計画等の中で今後検討していくということになりまして、例えばある施設とある施設を統合する、廃止するというのは、それぞれの今使っている状況とか、今後の状況、先ほど施設アセスメントの話もしましたが、そういったことをやらないとなかなか試算ができないということで、今ある現状の施設のものを長寿命化したらどうなのかというところの試算をしたというところです。
石川(裕)委員
この6ページに、投資、縮減、収益の考え方を更に徹底しと、いろいろ書いてありまして、不断の取組を行うという記載もされています。当然、今までもこの維持更新費の縮減に向けて取り組まれてきていると思うのですが、これを更に不断の取組を推進するということですが、これは具体的にこれからどういうことを考えているのですか。
施設整備課長
これまで全くやっていないと、そういうことではございませんが、例えば新しく施設の建て替えをする、そういったところについては、ほとんどの場合ですが、それぞれの所管部局の方で基本構想を立てて、どうしていこうかということの整備方針を検討して、決定したところです。
こうした体制の中ではなかなか、例えばほかの施設の市町村の施設、あるいは市町村の施設との合築や民間資金とのノウハウの活用、そういったところについては、十分な検討をすることがなかなか難しい状態であったということは否めないと思います。そこで、今後は計画の発案の段階で、今後どうしようかなというところの具体例から、新築でやろうと思う場合に、建て替え、大規模改修も含めましてどういう方法がいいのか、また、どういう手法がいいのか、民間の参入はあるのかということを所管部局と一緒になりまして、現地を見たり民間企業といろいろとヒアリングをしたりしながら、全庁横断的な視点に立ちまして、そういったものをやっていくということで、より一層そういったことを強化することによって、減らすばかりではございませんが、維持更新費の縮減に向けて取り組んでいくという趣旨でございます。
石川(裕)委員
その御答弁の中で、今までは各部局ごとにやっていたのを今度は施設整備費の取りまとめをして、関与していこうというようなことだという理解でよろしいですか。
施設整備課長
おっしゃるとおりです。
石川(裕)委員
一般質問等で、県営住宅についていろいろ質問させてもらっていますが、非常に古い施設もある中で、例えば昭和40年代、若しくは30年代に建てられた今の建物を建て替えだと、そういうことを含めて早く建て替えるべき、若しくは整理・統合すべきという立場で質問させてもらいましたが、これをまた60年、80年延ばすというようなことになりかねないと思うのですが、この辺についてはいかがですか。
施設整備課長
県営住宅については、ストック総合活用計画という個別計画がございますので、この本計画が策定後に、先ほどの基本的な考え方に基づいて今後その計画の改正もされると承知しているところですが、そういった中では、必ずしも全てが長寿命化ということではありませんで、先ほど施設アセスメントの話もさせていただきましたが、耐震性能とか、設備の問題とか、そういったことを総合的に判断して、こういったものは早めに直ちに建て替えをする、あるいはそこは売却する、そういうことも含めて、今後全体を見て、検討をしていくということです。
石川(裕)委員
そういう中で、取りまとめ局ということで伺いますが、今出てきました県営住宅のストック総合活用計画の素案を見させてもらうと、一般質問の中で、整理・統合していくべきだという主張で、PFIも含めて考えていきますという御答弁を頂きました。そういう中で、今回この素案には、民間活用については公民連携という一言しか書いていないわけですが、この点についてはどういう認識で、また、このストック総合計画に、この素案がどういうふうに反映されていくのか伺っておきます。
施設整備課長
本計画の第3部には、それぞれの各施設の基本的な情報、現状や課題、維持更新費の将来の見通し、基本的な考え方、そういうのは掲載させていただいております。そういった基本的な考え方に基づいて、個々の具体的な取組を先ほど言った計画の中に盛り込んでいくということです。
公営住宅のところの記載につきましても、公民連携等について維持更新費の縮減、家賃等の収入の確保、国費の活用など収支バランスを図る経営的な視点を踏まえて、最も効果的、効率的な手法を検討して、この個別計画である神奈川県県営住宅ストック総合活用計画の見直しに反映させると記載されておりますので、正に私どもの計画の考え方を踏襲して、今後、個別計画の中で取り組んでいくということを承知しているところです。
石川(裕)委員
その中で、この素案の13ページに、維持更新費の将来見通しというものが出ていて、そして、その同じく27ページに縮減後ということで、維持更新費の将来見通しが出ています。
まず、この数字のところで伺いますが、公営住宅の話をしていましたので、この13ページの数字を見ますと、公営住宅は平成43年から47年までは324億円の数字のところですが、これがもう3倍近く数字が急にはね上がっているのですが、これはどうしてこうなっているのですか。
施設整備課長
まず、推計については、やはり耐用年数、建て替え、更新というような表現をしておりましたが、40年代あるいは30年代の施設が多いということですので、公営住宅法に基づいた建て替えの時期には、これはあくまでも推計ということですので、そのときの時代を迎えましたら、建て替えになるということで、建て替え費というのは通常の維持修繕費よりもかなり高額になるということで、やはりその時期になりますと、集中的に建て替えが現れるということで数字が上がってくるということです。
石川(裕)委員
324億円が1,000億円ぐらいになるということですが、そういうことで、ほかのところも数字が出ているわけでして、また具体的に伺いますが、27ページ、林道施設費については、逆に平成48年以降は見通しが減ってきているのですが、これはどういうことでしょうか。
施設整備課長
それぞれの都市基盤施設等については、それぞれの将来見通しを掲げてあってございます。いわゆる箱物のところと、それから都市基盤施設のところ、そういったところについては、全体としては同じ考えを踏襲しているわけですが、やはり背景になります老朽度の考え方、あるいはどういうふうにしたら縮減をしていこうかというところが違ってまいりますので、一概に県営住宅の方は、その時代に増えるから、林道の方も増えていくということにはならないということです。
この林道については、今後、75ページにも書いてございますが、橋りょうの塗装も高耐性化を図っていくということを取り組むとすることによって、耐用年数が延びるということで、先ほど建物の維持更新費で建て替えのところは後送りするということもありました。そういったことで、徐々に減らしていく、この30年間の間では縮減させていくという考え方で少なくなっていくということです。
石川(裕)委員
意味は分かりましたが、そういう中でこの数字の見通しを立てられた、積み上げられた所管というのは、これは各所管で出してきたものを取りまとめたものなのか、それとも施設整備の方で取りまとめたものなのか聞かせてください。
施設整備課長
考え方は、私どもで取りまとめるということですが、それぞれの施設をどうやって維持管理してきたか、また、今後どうしていくのか、縮減するのか、また、やっぱり必要に応じて、当然県民サービス、県民の安全・安心ということですから、増やしていくこともあろうかと思います。そういったところについては、やはりそれぞれの所管部局の考えがございますので、こういったことで30年間の推計をしてくださいと、私どもの方で言いまして、所管部局の方でそういったものは出してもらったということです。
石川(裕)委員
この数字を各所管部局から出していただいたというところで、それを積み上げまとめたものがこの表だということを理解しました。
そういう中で、今回、この6ページのところに、この数字を含めて、様々な各所管部局の計画の取りまとめの表があったと思いますが、それに生かしていこうという素案だというふうに思います。
この素案が先ほどの、例えば県営住宅ですと、これは建設の常任委員会なのか、県民局の常任委員会なのか、所管の委員会というのはどこになるか分かりませんが、この素案というのは、その所管委員会に出ているのですか。
施設整備課長
個別計画は、先ほど御説明しましたが、私どもで取りまとめる公共施設等総合管理計画が来年3月に策定を予定しておりますが、基本的な考え方がセットされたということをもって、各個別計画の方でそういった考え方を様々な手法に取り組んでいただくということですので、ここで策定をした後に、それぞれの個別計画はそれぞれの所管の委員会にかかるということを思っております。
この素案そのものについては、あくまでもそういった数字はそれぞれから頂きましたが、全体として、神奈川県の公共施設全体としてどうするかということですので、取りまとめて、現在この委員会に御報告させていただいているところです。
石川(裕)委員
ページ数でいくと32ページ、これまでの取組状況ということで、各所管の計画とか取りまとめの表がありましたが、今の御答弁が少し分からないのですが、この素案というのは、12月に県民に、はかるような形になっているのですよね、そこの確認だけお願いします。
施設整備課長
今回、12月の中旬以降、県民意見募集を1箇月程度かけさせていただきまして、そういった意見を基に、次回の定例会の方で案として御報告させていただきたいと思っているところです。
石川(裕)委員
県民に募集をかけることは、必要なことだと思っています。でも、その前にこの素案というものが出たときに、例えば、警察の関連施設のこともあります、道路のこともあります、学校のこともあります、海岸関係のこともあります、下水道のこともあります、いろいろこの関連することとなる様々な計画の基となる素案であるわけですから、これはやっぱり各所管の委員会にこの素案は提案するべきだと思うのですが、この点について、施設整備課長の所管ではないと思いますが、これについて伺います。
総務局企画調整担当課長
今のお話で、計画ものにつきまして、所管の常任のみにかけるのか、それとも全常任にかけるのかという考え方の質問であるというふうに承りました。
明文化された基準というのはございません。所管の常任委員会にかけるというのが基本になってまいりますが、例えば複数の部局が同程度に関わるような案件です。そういったものについては、その複数の部局を所管している常任委員会にかけるという、いわゆる共管事業ですが、そういった形になってまいります。
どういうものについて、複数の常任委員会にかけるのかという判断ですが、当該案件への各部局の関わりの度合いがどれくらいか、あるいは当該案件がどれくらい具体的なものになっているか、それから県民の利益や権利に対してどれくらい影響が及ぶか、その他社会的影響の大きさですとか、もろもろのことを総合的に勘案して、複数の常任委員会にかけるか、それとも単独の常任でいくのかというのを決めたいと考えているところです。
石川(裕)委員
その素案によって、いろいろな部局が関われば、それはその担当所管の委員会にかけるということですね。それではもう一回聞きますが、今回、神奈川県の公共施設等総合管理計画(素案)、これは32ページでいろいろな関連の計画のまず基本となる素案の部分について、各委員会の所管にはからないというか、今回はかられていないというのは、それはなぜですか。ストック総合計画についても、やっぱり素案ですよね。基準となるものですから、これに関しては、やはりこの委員会に出されるべきだと思うのですが、この辺報告されるべきだと思いますが、その点について再度伺います。
総務局企画調整担当課長
先ほどの話と繰り返しになってしまうかもしれませんが、今回の公共施設等総合管理計画に関しましては、県の全ての公共施設の維持管理に関する今後の方向性を定めたものです。したがいまして、県民の権利ですとか、利益に直接かかってくる、そういった大きなものという認識がございます。ただ、この計画については、公共施設に共通する基本的考え方を定めたものでございまして、公共施設の維持管理を総括する総務局と、それから個別の施設を管理する他部局とでは、関わりの度合いが違ってくるのかなということを考えております。
また、個別の施設の具体的な管理については、今後、先ほど施設整備課長の答弁でもございましたが、それぞれにおいて策定される個別計画において定められまして、その具体的な内容について、それぞれの所管の常任委員会で報告を受け、議論をされるということになります。したがいまして、今回の定例会においては、包括的な方向性について総務政策常任委員会で議論をしていただきたいという考えの下に報告させていただいたものです。
石川(裕)委員
これも意見の相違の部分だと思いますので、これ以上は申し上げませんが、やはりこういう基本的な様々な計画に関わる素案なわけですから、やはりこれは各所管の委員会に報告して、なおかつ施設管理課長もおっしゃられていましたが、わざわざ各部局に数字をお願いして、そして各部局が各30年後の数字を上げてきているわけですから、最新にバージョンアップしたこの数字だと思います。
そういう中で、例えばストック総合計画でいけば、これが3倍になっている、4倍になっている、これはどうだということは、やっぱり今回、素案で示した中で、議論を深めていく方が良いと思っていますので、この質問をさせていただきました。
最後に要望を申し上げますが、そういう中で、公共施設の老朽化というのは確実に進行していますので、やっぱり財源は限りなくあるわけではなくて、その財源を有効に活用していただくとともに、やっぱり公共施設が幅広く持つことは大事なのですが、持てば持つほど、やっぱり維持管理にはお金がかかるわけですから、そういう意味では、整理統合ということも視野に入れて、また、民間資金の活用も思い切って入れるような形に、この公共施設の管理の在り方というものの計画をしていただきたいと思います。
長友委員(関連質問)
この項目について質問したいと思いますので、ここでやらせてもらいます。
この計画は、総務省から策定要請があった公共施設等総合管理計画に対応するものということだと認識しますが、国が示した策定指針に沿っているという認識でよいのか確認させていただきます。
施設整備課長
地方公共団体が総合管理計画を作成するに当たりましては、平成26年4月22日付けで総務省の方から公共施設等総合管理計画に当たっての指針が示されたところです。内容は大きく二つありまして、総合管理計画に記載すべき事項と、管理計画作成に当たっての留意事項が幾つか見られているところです。
この書き方については、それぞれ都道府県を見ても、それぞれの書き方があるということですが、私どもとしては、記載すべき事項は全て記載しておりまして、また、留意事項についても、おおむね記載しているところですので、総務省の指針に沿って作成しているということは認識しているところです。
長友委員(関連質問)
よって、先行会派の議論でもありましたが、この計画の事業化で公共施設最適化事業債の地域活性化事業債、除却の地方債などの話が意義をなしてくるという意味だと思います。
これ、少しかぶるのですが、二つの事業債については、平成29年度までが期限だというふうに示されて、先ほどの答弁でありました。もともとこれ、平成26年の話ですから、27年に策定しているところもあるし、28年度中に策定してという要請であったということからすると、神奈川県は後発です。先ほど、その30道府県が策定という、そういう数字からしてもそうだと思うのです。そうしますとうちは今のままだと、1年しか受けられないということになるのですが、来年度が最終年度であることから、直ちに取り組む必要があると思うし、策定も一緒だと思うのですが。
先ほど、来年度の当初予算の議論の中でそれを目指していくというような答弁のニュアンスに受け取ったんです。今、来年度予算を編成している作業中ですので、それでその来年度、この事業が来年で終わるからしっかりそこに盛り込んでくるのですよねと言ったら対象事業はどうなのかというのを見てきますというような答弁だったと記憶しているのですが、多分、それ、できないのではないかと思うんです。なぜなら、計画がまだできていないんですから。計画は事前に提出しなければいけないと国は言っている。ということは、事前に計画が策定された後に、この項目だからこの事業ですというふうなことを一緒に提出をするということをやると、これまでのケースを見ると、年度途中に決まってくるのではないかと思うんです。そうすると、平成29年度中の交付決定がされて、補正予算の対応になってくるという姿ではないかと思うのですが、先ほどの答弁では、来年の当初予算に持っていくようなイメージだったのですがいかがですか。
資金・公営事業組合担当課長
最適化事業債等の記載については、届出の際に、本文の提出が必要になります。ただ、届出については、9月頃の届出ということになりますので、当該事業について、今予算議論の中で、該当する事業があるかどうか確認をした上で、本体の提出がありました後、届出をして、起債充当するという形になるかと考えております。
長友委員(関連質問)
つまり平成29年度当初予算にこれはのるわけではなくて、その後の手続に入ってくるから、できたとしても補正予算の対応ですという理解でいいですか。
資金・公営事業組合担当課長
今予算議論をしているところですので、その計上の仕方も含めて、今後検討してまいりたいというふうに考えてございます。
長友委員(関連質問)
恐らく、当初予算に計上できないのではないのかなと想像しているので、先ほどの答弁だと当初予算を目指しているようなニュアンスに受け取ったので、それはもしかしたら事実ではないのではないの、まずいのではないかと思って確認をしたところであります。
それで、これには事前に計画の提出が必要なのですが、この指針の中にいろいろな項目があるのですが、計画の進捗状況等について、統合の実施について記載をしましょうという項目があると認識しているのですが、読み取ったところによると、5年ごとを目安として適宜必要な見直しを行いながらというようなところを考案しているのかなと受け取ったのですが、確認させていだきたいと思います。
施設整備課長
私どもの考えは、委員の考えと同等です。
長友委員(関連質問)
もう一つ、この策定の指針の中で、先ほどの答弁の中では、おおむね策定指針どおりにやっていると考えているという答弁だったと思うのですが、記載しなければいけないということではないのですが、望ましい事項の一つに評価結果等の議会への報告や公表方法についても、記載するのが望ましいというのがあったと認識しているのですが、残念ながらそれは素案から読み解くことはできない。あくまで望ましい規定ですから、記載をする、定義する必要はないのでしょうが、それってやっぱり大事なことなのかなと思います。どこかに記載されているのであるならば、それを説明してほしいし、記載をしていないのであるならば、その考え方を説明してください。
施設整備課長
これまでは、この策定骨子、それから素案という形、それから案という形で、総務政策常任委員会等で説明をさせていただいております。今後、この案が策定されて、実際に動き出す、そのときにどうするかということで、その書き込みをこの案にどうするかということについては、まだ我々としては、完全に固まったところではございませんので、この辺については、今後もまた検討する材料の一つであるというところです。
長友委員(関連質問)
では、策定の素案から成案になっていく段階で、ただいま申し上げたようなところが盛り込まれるかどうか分かりませんが、しっかりまた御説明を頂きたいということを申し上げておくのと、もう一つ、地方債の件については、いずれにしましても、これ延長を求めるというお話もありましたが、現時点では平成29年度が最終年度であるわけですから、しっかりとその適用になるように、事業化になるように進めていただきたいということを申し上げて、この質問を終わりたいと思います。