石川(裕)委員
 続きまして、我が会派から代表質問をさせていただきました本県の予算案について質問してまいります。
 まず、神奈川モデルで経済のエンジンということについて伺ってまいりたいと思いますが、まず、神奈川モデルというのは何を指しているのか伺いたいと思います。
財政課長
 神奈川モデルとは全国の先駆けとなる先進的で発展的な独自の取組と考えてございまして、他の自治体のモデルとなるものです。

石川(裕)委員
 他の自治体のモデルというふうになるものということですが、具体的にどのようなものか伺います。
財政課長
 具体的に申し上げますと、例えば新たな企業誘致施策セレクト神奈川100、そしてヘルスケア・ニューフロンティアの推進、観光振興の取組、ロボットと共生などといった施策が神奈川モデルとして挙げられるところです。

石川(裕)委員
 平成28年度は神奈川モデル創造発信予算、そして29年度は神奈川モデル加速化予算と知事は発表されていますが、28年度に発信してきた神奈川モデルを知事の言葉を借りますとどのように加速化しようとしているのか伺います。
財政課長
 神奈川モデル創造発信予算として編成した平成28年度予算は、例えば新たな企業誘致施策セレクト神奈川100をスタートさせたほか、ヘルスケア・ニューフロンティアや観光振興の取組を強力に発信し、推進してきたところです。平成29年度はこれを更に加速していくべく、具体的には、ヘルスケア・ニューフロンティアではこれまでの取組を一歩進め、実際の生活の場で未病関連商品などを県民が実証し、その結果を科学的に評価する仕組みである神奈川ME-BYOリビングラボを構築したいと考えてございます。また、セレクト神奈川100では、平成29年度に操業を開始する先端医療、IT・エレクトロニクス関連の企業の投資に対し、補助を開始したいと考えてございます。さらに、この先を見通すとワールドカップ2019の開催などにより、外国人観光客の増加が見込まれるといった明るい材料もございます。こうした状況を生かすため、観光面で外国人観光客を誘致するためのプロジェクトの強化など、新たな取組を行って加速化していきたいと考えています。

石川(裕)委員
 今それぞれの加速化の説明を頂きましたが、推進した結果、最終的に平成29年度では、どういう効果を期待しているんですか。
財政課長
 まず、ヘルスケア・ニューフロンティアの推進では、未病産業創出に向け、未病産業研究会にこれまで約400社が加入して、未病ブランド6件などを認定する成果をこれまで上げてきたところです。今後については、神奈川ME-BYOリビングラボによる未病商品などの社会実装や県民の実践を目指していくことにより、県民の未病改善や健康長寿の延伸といった効果が表れることを期待してございます。また、神奈川セレクト100では、平成30年度までに県外、国外から100社の事業所を誘致することを目標としており、さらに観光面では、平成30年までに入り込み観光客を2億人にするといった目標も掲げているところですので、この目標達成に向けて様々な事業を展開していきたいと考えてございます。こうした取組を通じて神奈川から経済のエンジンを回し、県内経済の活性化を図っていきたいと考えてございます。

石川(裕)委員
 財政課長から御答弁を頂いていますので、できれば数値的にどれぐらいの税収を見込むのか、そういうお答えを頂きたいところですが、少し先に進ませていただきます。
 今神奈川モデルについて伺いましたが、県としては、これを進めることによって税収を増加させるということが最終的な目指すところだというふうに理解してます。知事が、平成29年度の当初予算を県税の減収が見込まれる厳しい財政状況にあっても、攻めの姿勢を崩さず、神奈川から経済のエンジンを回していくための予算だというふうに発表されています。実際にどのくらい効果が生じたのかも分からない中で、まず施策の観点から伺っていきますが、税収が増えれば問題は解決するに違いないと知事はおっしゃっております。その方向性をはっきり見せていくという、攻めの姿勢を強調されて今回攻めの予算としたというところなんですが、まず、ここについて攻めの予算とした思いというのを伺います。
財政課長
 まず、本県の今年の予算総額については、約700億円ほど前年比で減額となったところですが、そちらの減額についてはいわゆるねじれの解消に相当するものです。加えて、税収の減があったところですが、税収の減があったとしても、その身近な対象を差し引いた数値でいうと、前年対比で99.9%ということでほぼ前年度と同額を維持したということですので、そうした意味で攻めの予算というふうに表現しているところです。

石川(裕)委員
 そういう攻めのところは理解をしたいと思いますが、一方で知事は、今回は攻めの姿勢をおろさずにという発言をされているんですが、攻めの姿勢をおろさないという予算とは、どういう予算ですか。
財政課長
 先ほど言いましたように、前年対比で5年ぶりに税収が減少いたしました。その中で、場合によって予算総額を歳入に合わせて減額するということも考えられたんですが、先ほど申し上げましたようにねじれの解消の影響を除いて、前年と同規模を維持いたしましたので、そういうことをもって攻めの姿勢をおろしていないというふうに思ってございます。

石川(裕)委員
 私の質問の仕方がいけないのかもしれないですが、攻めの姿勢はおろさずに、今回は攻めの予算を組んだというふうに知事は言われているわけです。攻めの姿勢をおろさない。それでは、攻めの姿勢をおろした場合というのはどういう予算をおろさないと言って攻めるんだと、おろしたらどういう予算になるんですか。
財政課長
 攻めの姿勢をおろした場合は、今現時点で編成はしておりませんが、例えばの話として、税の減収分見合いで歳出予算を組むということで、700億円より更に税額の減収分だけ予算規模が例えば低くなるといったことも考えられたんですが、そこを維持したということです。

石川(裕)委員
 平たく言えば、歳入に合わせた歳出予算を組まずに、今回は財源不足の部分を補うために、財政調整基金を取り崩してまでもということだと思うんです。そういうことを踏まえて質問を続けてまいりますが、昨年の3月に中期財政見通しというものを出されています。その中期財政見通しの中で平成29年度は700億円の財源不足が見込まれているということで、そのときに発表されているんです。実際は、当初650億円の財源不足と言われていまして、それが880億円に拡大をしました。この700億円を見通していたが、結果、880億円に拡大したという中で、この差をどう捉えられているのか伺います。
財政課長
 まず、中期財政見通しの中で、平成29年度は700億円という財源不足が見込まれていたところです。予算編成方針を通知した10月の時点では、650億円となったところですが、その差額は介護・医療・児童関係費が見込みより減少したというところで650億円となったところです。その後、地方交付税、臨財債の減などにより財源不足は880億円まで拡大したわけですが、平成28年度からの財源活用510億円と29年度の事業見直し、そして財政調整基金取崩しなどにより370億円を確保し、収支を均衡させたという状況です。

石川(裕)委員
 そういう厳しい財政状況で、私が調べれば調べるほど本当に厳しいなというお立場も感じるところはあるんですが、そういう中で知事は、今回この予算編成を85点だと言われているんですが、本来ならば100点としてもらいたいところですが、この厳しいという中でこの15点のマイナスはどういうことでしょうか。
財政課長
 やはり知事は、100点を目指したところなんですが、85点というふうにお話ししたのは、自分が思うような予算をもう少し組みたかったという思いがあったと理解しております。具体的には、地方が実情に即した施策を今自主的、自立的に行えないということで、地方の仕事量に見合った税財源を確保していないという、そういった問題がある。地方と国の税源配分が4対6であるのに対して、歳出規模は6対4という形で逆転していると常々私たちが言っているところは、知事の方もそういったところを感じて、思ったような、本来であればもっと思い切った予算を組みたかったという思いもありつつ、そういった財源を確保できていないというところをもって85点と評価したと理解しております。

石川(裕)委員
 そういう中で、国に求める部分というのは毎年求められているというふうに理解しているんですが、それはそれとして、収入確保の取組の推進についても触れられているわけです。例えば収入未済金の圧縮とか県有財産の有効活用、使用料・手数料の適正化などということで収入確保をしていくということなんですが、この辺について平成29年度はどう進めていくのか伺います。
財政課長
 平成29年度の財源不足対策としましては、880億円財源不足が生じたわけですが、28年度からの財源活用510億円と29年度事業見直しを120億円行ったところです。そして、不動産売払収入の増などにより70億円、そして財政調整基金を180億円という形で370億円捻出しまして880億円を解消したといった財源確保等を行ったところです。

石川(裕)委員
 また私の質問の仕方が少し良くなかったかもしれないですが、このままでいけば平成30年度中期財政見通しが800億円の財源不足が見込まれるというふうに言われているわけです。現に平成29年度は700億円の財源不足というのが予想されていた。予想されていたにもかかわらず700億円見込まれているからこうしていかなければいけないということをやったが、結果、880億円の財源不足が一時出てきたという中で、平成30年度は今度は800億円の財源不足額が中期財政見通しでは見込まれているということでいくと、この1年間でこの800億円がもう見込まれているんだから、来年度はどういうふうにこれに取り組んでいくのでしょうか。それが県有財産の有効活用だったり、使用料・手数料と書いてありますが、平成29年度の800億円の財源不足が予想されている中で、どう取り組んでいくのか伺います。
財政課長
 平成30年度を今後どういうふうに取り組んでいくのかというお話ですが、29年度の当初予算は減収補てん債の発行とか、あと交付税の増額を28年度に確保して、それを翌年度に活用し、臨時的な財源を活用してようやく収支を均衡させた、いわゆる綱渡りの財政運営だったと思っております。こうした中にありましても、県民生活に深く関わる喫緊の課題に対しては、最優先に取り組まなければいけないということでございまして、財源対策を講じていかなければいけないんですが、その財源対策としましては、やはり既存施策の事業の徹底した見直し、そして民間活力の活用、そして効果的・効率的な施設整備の推進、そして歳入未済金の圧縮、そういった財源対策を今後行っていき、何とかこういった厳しい財政状況を乗り越えていきたいと考えてございます。

石川(裕)委員
 次に、財政調整基金ですが、これもまた知事の言葉を借りますと、少し無理をしてでも財政調整基金を切り崩して、県税収入の増を狙うということも言われています。先行会派からもこの点については質疑がありましたが、財政調整基金を今回取り崩したポイントというのは何だったのか、それで今後に向けて、今回この取り崩したポイントが次回も起きる可能性がありますので、その一定の基準が私は必要だと思うんですが、今回は良いが、次はこうだというわけではなく、切り崩すポイントは決めておかなければいけないと思うんですが、この点についてこの基準をどこに置くのか伺います。
財政課長
 財政調整基金は、経済事情の変動により財源が著しく不足する場合などに取り崩すものです。平成29年度は5年ぶりに県税収入が減収になるなど歳入面で減収となる一方、歳出面でも介護・医療・児童関係費の大幅な増があり、財源不足は先ほど申し上げましたように、一時880億円に達したところです。これに対しまして、事業見直し、県有財産の売払いなどで可能な限り財源確保の努力を行ったところですが、29年度は更に減収補てん債という借金もして、そして180億円の財政調整基金を取り崩したという状況でございました。こうした経過は、まさしく経済事情の変動により財源が著しく不足する場合などに該当するものと考えてございます。

石川(裕)委員
 例えば来年度も同じように厳しいということであったときに、財政調整基金から切り崩す、そうならないように御尽力はいただくとは思うんですが、今回いろいろあった中で攻めの予算にもしました。財政調整基金も切り崩しました。要は、先ほど申し上げましたが、歳入に合わせた歳出という考え方もあった中で、今回あえて攻めの予算だからこの財政調整基金を切り崩したと言っているわけです。平成29年度の予算編成を今やっているわけですが、29年度もまた同じような状況だったら、また財政調整基金を切り崩すという話になりかねないです。私が言いたいのは、再来年度は攻めの予算になるかどうか分かりませんが、ここの基準というのは、一つやっぱりきちんと神奈川県として持っていなければいけないと思うんですが、その基準というのを今回どこに置いたのか伺います。
財政課長
 財政調整基金を取り崩すときの判断基準というのは、経済事情の変動により財源が著しく不足する場合などに取り崩すという考え方です。今回平成29年度予算編成をするに当たって、税収が減になって歳出をどうするのかという、予算編成に際して判断をする機会があったんですが、今回はやはり歳出歳入が減になったとしても、歳出面で介護・医療・児童関係費の大幅な増とか、それ以外に県民に直結する事業を削るべきではないだろうというような判断を行ったんですが、それで財源対策がなかなかできなかったということで、最後、財政調整基金を取り崩すという判断をしたということです。

石川(裕)委員
 次に、経済のエンジンを回す取組というのは、少し調べてみたんですが、知事が就任をされた頃からこの経済のエンジンを回す、神奈川からという言葉は付けていませんが、経済のエンジンを回すという言葉を使われているんです。知事が就任されてからもう6年になりますが、この経済のエンジンを回したというその具体的な取組成果をどう捉えていらっしゃるのか伺います。
財政課長
 これまで未病産業やロボット産業など、成長産業の創出・育成に取り組んできた中で、県内の有効求人倍率が知事の就任の平成23年度0.48から、平成28年度には1.05倍に上昇したところです。また、県内の事業所が支払った1人当たりの年間の現金給与総額、こちらは平成26年度、27年度と連続して上昇しているということでございまして、経済のエンジンを回す政策は、そういった意味で県民生活の向上に寄与しているのではないかと考えてございます。

石川(裕)委員
 やはり財政課長に伺っているので、税の金額でお答えいただきたかった部分はありますが、そうは言っても平成28年度税収が減少してしまった、経済のエンジンを回すという局面でしてきたが、28年度は税収が減少してしまった。平成29年度は、先ほど言いましたが、財政調整基金180億円を取り崩して予算編成を組まれました。それで今回の予算、財政調整基金を切り崩しましたが、それによってどれだけの穴埋め効果というんですか、税収の増というんですか、それを見込まれているのか伺います。
財政課長
 今回の財政調整基金の取崩しは、介護・医療・児童関係費の増や県民生活に影響のある事業にしっかりと対応した上で経済のエンジンを回す取組などに財源配分をしたものでありますが、県税の収入というのは国の施策とか、あと海外の経済情勢、あと為替の動向、税制改正など複合的な要因で変動するものです。そうした意味で、本県の政策だけが必ずしも税に影響するわけではございませんので、影響を算出することはなかなか難しいと考えてございます。

石川(裕)委員
 それを言うのであれば、それでは神奈川から経済のエンジンを回すと言って、それで国を引っ張っていくんだというようなところでいけば、今の答弁でいくと国の施策によって変わってしまうんだから、それでは神奈川から経済のエンジンを回すというところの意義といいますか、そこは神奈川は一生懸命経済のエンジンを回しているが、税収が下がってもしようがないよねというような、厳しい言い方になりますがそういう捉え方ですか。
財政課長
 もしも本県の施策が行われなければ、税収が下がったというふうに考えられますので、必ずしも本県の施策が税収効果に影響を与えていないかというと、そういうわけではなく、本県の施策を行ったからこそ、今税収がこの金額で見込まれていると考えております。

石川(裕)委員
 確認で伺いますが、そういう厳しい財政状況の中で県債の管理目標は、平成30年までにプライマリーバランスを黒字化にして、平成35年度までに返済残高を減少するという目標は変更ないということでいいですか。
資金・公営事業組合担当課長
 県債管理目標については、平成35年度までに県債現在高を2兆円台にするという目標を立ててございますので、それに変更はございません。

石川(裕)委員
 非常に厳しい財政状況の中で、県債の管理目標はもう変えないということだと思いますが、そういう中で少しまた視点を変えて質問しますが、代表質問とか一般質問の知事の答弁の中で、1,000本のツアーで海外観光客のニーズをしっかりと捉えていくというような答弁がよく出てきます。それで、この神奈川モデルの加速化予算というところでもこの1,000本のツアーというものがありますが、観光振興の取組で、観光振興についてこの1,000本のツアーでどれぐらいの影響額、1,000本のツアーを組むということによってどれぐらいの影響額があると見込んでいるのか伺います。
財政課長
 1,000本のツアーでどのくらいの影響額があるかというところは、現時点で数値として持ち合わせていない状況です。ただ、平成28年3月に県の方で観光振興計画を策定しているところですが、その中で観光消費総額の目標は定めてございます。計画では、戦略的プロモーション及び情報発信、受入環境の整備などを推進することによって、観光消費総額を毎年1,000億円ずつ増やし、平成29年度には1兆4,000億円まで引き上げたいというような目標を掲げているところです。

石川(裕)委員
 今1兆4,000億円という数字が出てきましたが、実際にこの1,000本のツアー、観光振興に一つ特化しますが、ラグビーワールドカップは2019年です。オリンピックは2020年の開催というところでいくと、この影響額といいますか、その効果というんですか、それはやっぱり少し機運が盛り上がって少し前からはあるかもしれないですが、例えばラグビーだと2019年、そしてそれが税収に反映してくるとすると2020年、オリンピックは2020年にありますから、それじゃあ税収に反映してくるとしたら2021年と少し税収増までタイムラグがあると思うんです。
 経済のエンジンを回していくという取組もあるんですが、知事はよく答弁で、そういう1,000本のツアーで経済のエンジンを回していくと言って、税収も上がっていくというところでいくとすると、今2017年ですから2018年、2019年はそれではどうするんですかという、ツアーの計画をしていても税収は、そこで1,000本のツアーがもう始まっていれば別ですが、そこまでの間、本当に税収は大丈夫なんですかということを心配するんですが、県はどのように乗り越えていこうとされているのか伺います。
財政部長
 今、例に挙げていただいた1,000本のツアーもそうですが、実施する施策の経済への影響というものは、国の施策、それから為替などの影響も受けますので、様々な要因がございますので、御案内のとおり、ここで経済のエンジンがこれぐらい回るといったことを非常に明示しづらいということは、正直なところです。ただし、全国自治体の当初予算に計上された税収、例えば平成29年度当初予算、これを見てみますと、報道によれば全国ではマイナス1.9%です。これに対しまして、本県は税収マイナス0.9%にとどまっておりまして、多少なりともこれまでの経済のエンジンを回す取組も一定の効果はあったのかなと考えています。
 翻って本県の歳出の状況を見てまいりますと平成29年度当初予算では介護・医療・児童関係費が前年度に比べて257億円もの増となりました。これに対しまして、事業見直しを一生懸命やっております。平成28年度の当初予算100億円に比べまして、20億円多い120億円という形で事業見直しを頑張ってはおりますものの、例えば今申し上げた介護・医療・児童関係費257億円、こういうものを考えましても、到底事業見直しだけではやっぱりカバーできないだろうと感じております。やはり経費削減に努める中でも、将来の税収を増やすといった取組にも投資していかなければ、このままだと神奈川県はじり貧だと、こういう思いを抱いております。
 こうしたことから、平成29年度の予算の編成通知の中でも実はこういった視点を取り入れていまして、経済のエンジンを回し、将来の収入増を図るといった視点も重要であるということを明記しまして、これに基づいて予算編成を行ってまいりました。その結果、例えば産業労働局で新規のロボット実用化促進事業というのがあるんですが、こういった事業なんかではその補助対象を県内中小企業がタッチしているプロジェクトに限定するとか、そういった形で各局も県内経済に配慮した事業立てというのを工夫してきてくださっています。まずは、こうした工夫を、効果というのが明確に数値化はできないですが、まずは工夫をしていく、こういったことが大事なんじゃないかというふうに考えております。こうした独自の工夫の一方で、やはり代表質問でも御質問いただきましたが、本県も含めまして地方が仕事量に見合った税財源を確保できていないと、こういった地方財政制度上の問題がありまして、それがこうした状況に陥っている根本的な原因であるというふうに考えております。
 今回の予算編成通知算出時点の財源不足見込額650億円から、編成当初で一旦、実は査定を通じて縮小し始めていたんですが、それが一気に880億円に拡大をした一番大きな要因というのは、やっぱり地方交付税の見込みが320億円ずれたこと、こういったところもございます。これ地方全体の問題でございまして、財政調整基金の取崩しというのは平成29年度、他県の例でいいますと、埼玉県は682億円の取崩し、愛知県も2017年度末には底をつくと、こういった地方全体がかなり危機的な状況にございます。このため、こうした地財制度の見直し、それから一般財源の確保といったものについて、ほかの団体とも連携をしながら、これまでより以上に強力に要請をしてまいりまして、何とか手立て、手当をしてほしいといったことを国に要請してまいりたいと考えております。

石川(裕)委員
 いろいろ御説明は頂きましたが、確かに国の施策は施策として、それは要望していくのは当然あるんですが、それではこれが来年、再来年すぐに変わるかといったら、やはりそれは難しい部分もあると思うんです。ならば、それはそれとしてやっぱり県は予算を考えていかなければいけないし、そして、先ほどのところで愛知県ではもう基金が底をつくようなことがあるということがありましたが、神奈川県もそうならないためには、エンジンを回すということを十分理解しました。しかし、税収は下がっているというところでいけば、攻めの予算というのはずっと続けられるわけではないわけです。観光振興だけでいけばラグビーにしてもオリンピックにしても、そのタイムラグのここの部分を私は非常に心配をしているという中でいけば、やはり今回、歳入に見合った予算というのも、少し検討していかなければいけないんではないですかということを指摘させていただきます。