石川(裕)委員
 次に、神奈川県まち・ひと・しごと創生総合戦略(案)の策定について伺います。
 まず、今回報告資料にKPIを追加したということであります。この追加したKPI、本当にこれアウトカムと言えるのでしょうか。これは先行会派の委員会で質問がありましたが、この辺について改めて伺います。
総合政策課長
 今回のKPIの追加については、事業実施の直接的な成果、結果だけでなく、事業実施の成果を評価することができるよう、できる限り成果指標、アウトカム指標を設定するように努めさせていただきました。そうした中でアウトカム指標と分類されるものであっても、いわゆる最終的に達成されるべき中長期的な成果であって、事業や施策以外の外的要因が大きく左右するような、最終的なアウトカムというようなものが一つあると思います。あわせまして、あるいは事業や施策の間接的な成果のいわゆる最終的なところ、先行会派でもありましたが、移住者というようなところまでいかないまでも、事業や施策の間接的な成果であって、最終的アウトカムにつながることが期待されるようなもの、こうしたものを中間アウトカムというような、そんな捉え方ができるのではないかな、そのような段階的な構造になっているのではないかと我々はこの間いろいろと検討させていただきまして考えたところです。
 そうした中間アウトカムなども含めまして、できる限りアウトカム指標を設定するように努めたということです。しかしながら、適切な指標であっても毎年把握ができないものや、成果を示す指標が現在の統計中になかったりするものもございまして、やむを得ずアウトプット指標を設定してしまったものもございます。そうした小柱については、議員の皆様により分かりやすい評価となるよう、様々な取組の成果をできる限り示させていただきながら、総合的に評価を行っていきたいと考えているところです。

石川(裕)委員
 国交省の資料によるとこのインプット、アウトプット、アウトカムの指標についてというのが国交省でもうたわれています。アウトプットというのはどのくらいの施策、事業を行ったか、行われると見込まれる、これがアウトプットであると。アウトカムというのは、どれだけの成果が上がったのか、上がると見込まれているのかということが言われています。そういうことを含めて、やはりアウトカムの考え方というもの、その辺を伝えて今後も検討していっていただきたいというふうに思います。そういう中で、前回の委員会でも質問させてもらいましたが、もう既に目標値を達成したものがあります。それで目標値の見直しを行うべきではないのかという質問をさせていただきましたが、その点についてはどのようにやっていくのか伺います。
総合政策課長
 今回のKPIの改定に当たりまして、以前の御指摘の中で、例えば2019年度の目標値を超えてしまったものについての見直しをすべきではないかというお話を頂いたかと理解しております。今回、2019年度の目標を超えてしまったものについては、大変恐縮ですが個別の事情がございまして、今回は見直さないという整理をさせていただいております。
 まず、一つ目が職業技術校の修了3箇月後の就職率については、単年度ごとの目標となってございまして、経済状況などに強く影響されて、単年度において目標値を超えたとしても後年度超えるかどうか、なかなか不透明であるというようなことでございまして、部局と調整させていただいた結果、見直さないことといたしました。二つ目としまして、思春期から妊娠適齢期の男女を対象にした健康などに関する出前講座実施企業・団体数、こちらについても同じく単年度ごとの目標でございまして、出前講座は年度によって依頼数も減ることが考えられるので、見直さないことにさせていただきました。
 例として二つ挙げさせていただきましたが、こうした個別事情もあり、今回は見直しを行いませんでしたが、KPIが累積値などであり、2019年度の最終年度の目標を達成したようなものについては、今後、水準の見直しを検討はしてまいりたいというふうに考えてございます。そして、施策の推進に当たっては取組の水準を下げることなく、更に高い成果を上げられるよう取組を進めるなど、目標の確実な達成に向けて最大限の努力をしてまいりたいと考えてございます。

石川(裕)委員
 そういう中で、この国のまち・ひと・しごと創生総合戦略2016改訂版、2015年の改訂版もありますが、この「おわりに」というところに、この総合戦略については、その進捗において目標も含め不断に見直していかなければならないというふうにされていますので、是非、個別の事情は理解しますが、目標値としてもう超えているものに関しては、やはりこれは目標設定を改めて変えていっていただきたいと思います。
 そういう中で、この議論を踏まえて幾つか具体的に伺ってまいりたいと思いますが、このまち・ひと・しごと創生に関する政策を検討するに当たって、5原則があると思いますが、確認のために簡単に個別に教えていただければと思います。
総合政策課長
 五つございまして、自立性、将来性、地域性、直接性、それから結果の重視というこの五つが原則となってございます。

石川(裕)委員
 そういう中で、例えばまち・ひと・しごと創生のところで、県内のしごとをつくるという項目がまずあります。そういう中で研修会の開催回数が追加されていたり、今回の追加ですが、ここにネット・ゼロ・エネルギーでビルの設置数であったり、そして結婚・出産・子育ての項目については、恋カナの掲載イベント、セミナーの数とされています。このKPIの立て方ですよね、先行会派でもありましたが、本当に例えばですが、恋カナで一体どれぐらい結果、開催数ではなくてやっぱり結婚まで至ったかというような、例えばカップル数とか、そういうことだと思うんですが、改めてここの所見を伺いたいと思います。
総合政策課長
 例えば恋カナの件ですが、私どもとしまして、この恋カナの部分で、例えば今御指摘の結婚者数というところまで出すべきではないかというお話なわけですが、なかなか結婚者数までということになりますと、恋カナの事業を展開させていただいて、そのときに例えばアンケート用紙のようなものを配布させていただいて、後々御結婚されたときに御報告を頂くという形しか方法がないのかなというふうに思っています。これはほかの例えば移住者なんかも同じだと思っていますが、こうしたものというのは、なかなか統計的なデータが正確な形で把握しづらいというふうに考えてございます。例えば恋カナに関していうと、今までなかなかどうしてもページにアクセスとか、そういう形になっていましたが、そこは少し中間アウトカム的な指標は立てられないかということを考えながら、今回対応させていただいたという状況です。

石川(裕)委員
 地方において仕事が人を呼んで、そして人が仕事を呼んで、好循環を確立することで地方への新たな人の流れを生み出すとともに、その好循環を支えるまちの活力を取り戻すことに取り組むということをこの原則としているわけです。それで、自立性、将来性、地域性、直接性、そして結果が重視をされるというところで、少し具体的に伺っていきますが、三浦半島魅力最大化プロジェクトの取組について具体的に伺ってまいります。
 今回、これは地方創生推進交付金を活用した事業展開でされていますが、昨年の11月13日に川越シェフをゲストに三浦半島まるごと食堂を開催されています。まず、このイベントの目的はどのような目的だったのか伺います。
地域政策課長
 今年は、三浦半島魅力最大化プロジェクトがスタートする年でありまして、多くの方に三浦半島を訪れていただき、その魅力を体感していただくこと、また三浦半島魅力最大化プロジェクトを知っていただくことを目的として、三浦半島魅力最大化フェアを実施することといたしました。三浦半島まるごと食堂ですが、三浦半島魅力最大化フェアの中心となるイベントとして企画実施したものでして、プロジェクトの五つのテーマ、海、食、地域、働く、住む、このうち食の魅力を高めることをテーマに、多くの方が食を求めて三浦半島を訪れていただくきっかけづくりを行うことを目的といたしております。

石川(裕)委員
 多くの方が食を求めて三浦半島を訪れるきっかけづくりが目的であるということでありますが、来場者数が約8,100人という報告があります。この8,100人というのが通常訪れる人数と比べてどうだったのかということと、この三浦半島まるごと食堂の目標来場者数というのはどれぐらいであったのかということ。それと、このイベントの告知方法を、たしかチラシを私も見させていただきましたが、どういう告知方法をされたのか伺います。
地域政策課長
 まず、目標数ですが、私どもはこのイベントを実施するに当たりまして、会場とするうらりでの類似イベントの方を参考にしまして、目標としましては6,400名、このイベントは海の駅関連のイベントでして、そちらの数字を上回ることを目標といたしておりました。広報ですが、広報については、紙媒体であるチラシを1万5,000部作成しまして、この魅力最大化フェアの連携イベントなどで配布してございます。あわせて、インターネットでの広報、例えば県のホームページのほか、女性向けグルメニュースであるウエブサイトなどを通じて情報発信しております。
 こちらのうらりの通常の来場者数は、会場管理者である海業公社によりますと、日曜日の来場者数は約3,000人程度というふうに伺っております。

石川(裕)委員
 6,000人を超えるというのが目標の来場者数であったと理解します。それを超える人数が来たということであれば、まずは成功だったのかなと理解しますが、その中で三浦半島まるごと食堂終了後、川越シェフが考案したメニューが飲食店で再現メニュー、アレンジされてしまうとどうかと思いますが、アレンジメニューで提供されていると。半島内の5店舗で提供されたとのことでありますが、それぞれどれぐらいこの食数が出たのか、教えていただきたいと思います。
地域政策課長
 メニューの提供状況ですが、5店舗のうちバイキングの一品として販売しているなどで、現在調査中の2店舗を除きました3店舗の食数の状況を報告させていただきます。11月に13食、12月に50食、1月に65食、2月は23日までの数字ですが69食でして3店舗合計で197食となっております。

石川(裕)委員
 それぞれ期間が違うと思うのであれですが、それでは観音崎京急ホテルは、再現メニューをいつからいつまでやられて、何食出たのか伺います。
地域政策課長
 観音崎京急ホテルの販売期間は、昨年12月1日から31日まで1箇月間で、提供された食数はコースが1食、アラカルトが3品各2食ですので、合計で7食となっております。

石川(裕)委員
 冒頭に五つの原則という話をさせていただきました。自立性、そして将来性、地域性というところで、その三浦半島まるごと食堂が食に関してということでのイベントをやられたということですが、やっぱり最後は結果重視なわけです。この三浦半島まるごと食堂は川越シェフという有名なシェフの方が登場してということで、その当日は良かったかもしれませんが、これが結果、三浦半島に行こうというふうに思っていただけるイベントでなくてはならないと思うんです。その当日は成功されたのかもしれません。その先、それでは観音崎京急ホテルでコースのメニューが1箇月に1食というところでいくと、それを本当に食べに行こうと、たまたま来てそのコースがあったからそのメニューを頼んだかもしれないし、そのものを食べに行きたいというふうにされたのかというのはやっぱり分からないと思います。やはりここは結果をきちんと調査、分析をしていただきたいと思います。そういう中で伺いたいのですが、今回三浦半島まるごと食堂の開催費用というのはどれぐらいだったのかということと、あと、これ川越シェフにはどれぐらいのアドバイザー料が支払われたのか伺います。
地域政策課長
 経費ですが、まるごと食堂フェアの開催費を含めた魅力最大化フェア全体の委託経費が999万2,160円となっております。そのうち川越シェフに関しての経費は、約250万円となっております。

石川(裕)委員
 この費用が高い、安いということではなく、まず実施結果の課題意識というものを調べて、この食数も聞かせていただきましたが、それを受けて今どう思っているのか伺います。
地域政策課長
 このイベントでの目標の来場者数を大きく上回る約8,100人の方に来ていただきまして、多くの方に三浦半島の食に関して、食を求めて三浦半島に来ていただくきっかけづくりになったものと考えております。三浦半島まるごと食堂は、三浦半島魅力最大化プロジェクトのスタートに当たりまして、県や市町と連携して実施したものですが、現在民間事業者においても食に関する取組が進められております。
 具体的には、横須賀商工会議所がイタリア料理を通じて三浦半島の食の魅力を発信する、三浦半島はイタリア半島プロジェクトを12月にスタートしておりますし、また今月からは、逗子の飲食店12店舗が栄養豊富な海藻であるアカモクを特産品に育てようと、新たなメニューを開発し、スタンプラリーを開始してございます。このように、三浦半島の食の魅力を広める取組は着実に進んでいると捉えておりまして、県としましては、今後とも三浦半島の特産品を使った食の魅力を多くの方に知っていただくために、様々な機会を捉えて継続的に紹介していくことが必要であると考えております。

石川(裕)委員
 食材で三浦半島の食を広めていきたいということですが、例えば三浦大根というのはもう日本全国で有名です。三崎のマグロも全国で有名だと思うんです。それを今更広めるといこうことですが、それ以外にどういうものを広められているんですか。
地域政策課長
 この3月から逗子市の飲食店が取組を始めたアカモクですが、これは海藻の一種ですが、実は逗子の方では知られた食材で栄養豊富なんですが、まだまだ知られていないんです。こういった食材が実は三浦半島にはまだまだあるということで、こういった食材も活用していこうという取組がスタートしているという状況です。

石川(裕)委員
 三浦半島地域連携DMO(仮称)と連携するということですが、国でもこの日本版DMOを100つくるんだというような計画を立てられています。そういう中で今回、この三浦半島地域連携DMOというものもつくられると思うんですが、そういう中で県の役割、そしてこれいろいろやっていくと思うんですが、つくった後の責任、例えばこういう事業になりました、結果が良かったときはいいのですが、悪かったときの責任みたいなところの部分の責任、役割というんですか、そこら辺は検討されているのか伺います。
地域政策課長
 DMOというのは、自らの稼ぐ力を目指しておりますので、あくまで最終形は自走化していただくということで、ある意味、責任はDMOに帰属することになると思います。県の役割ですが、やはりDMOをいきなり民間事業者の方で仕立ててくれということではなくて、例えば国の地域創生交付金を活用する後ろ盾というか、後方支援などを広域自治体としてはやっていくのかなというふうに考えております。

石川(裕)委員
 最後に要望を申し上げますが、まち・ひと・しごと創生に関する政策の5原則ですね、自立性、将来性、地域性、直接性、ここはもう三浦半島を含めてあるところだと思いますが、やはり最後は結果重視ということで、それをやり県の税金を使うことによって、結果、県民に対してどういうことが還元されているのか、この点を徹底して考えながら進めていただきたいということを要望しまして、私の質問を終わります