石川(裕)委員) かながわ民進党の石川裕憲でございます。
 さっそくですけれども、私のほうからはラグビーワールドカップ2019と観光振興について伺ってまいります。
 来年度の予算編成において、知事は攻めの予算であるとし、その中で、ラグビーワールドカップが間近に迫ってきた。これに向けた外国人観光客の誘致促進にも積極的に取り組んでいく。29年度は県の大きな施策を次々と加速させ、神奈川の魅力を強力に発信し、神奈川から経済のエンジンを回していくと発言をされています。
 そこで、この施策をどのように加速化していくのか伺ってまいりたいと思います。
 最初に、29年度予算に計上されているこの9,275万円、これは横浜市との共同事業にて交通警備に係る調査や、県内市町村や企業と連携をして機運醸成を図るということでありますけれども、このラグビーワールドカップ2019、横浜国際総合競技場で決勝戦が行われるということは理解していますが、そのほか何試合行われるのか、まず教えていただきたいと思います。
(田中ラグビーワールドカップ・大規模イベント担当課長) 横浜国際総合競技場で行われる試合の数についてですが、今年の秋以降に発表される試合日程で明らかになる予定でございます。
 なお、前回のイングランド大会の決勝戦会場のトゥイッケナム・スタジアムでは、決勝トーナメントで決勝戦のほか準決勝2試合、準々決勝2試合の計5試合、予選では5試合が行われているところでございます。

石川(裕)委員) まだ決まっていないということだと思いますけれども、この9月から10月、約7週間で20チームで予選を含めて48試合─全体でですね、行われるというふうな理解はしているんですけれども、決勝戦はまず決まっているという中で、では経済のエンジンを回す取り組みという中でいくと、大会の期間中にチームが滞在する公認チームキャンプ地というものがあります。県内の四つの自治体がそのキャンプ地の候補に手を挙げられています。県を入れると五つになると思うんですけれども、このキャンプ地をいかに神奈川県に誘致する、そして特に日本チームにこの神奈川県でキャンプを張ってもらう。このことが、まず機運醸成にもなると思いますし、経済のエンジンを回すという取り組みになると思いますけれども、この誘致に向けた取り組み、これはいろんなライバル、他県がライバルになりますから、その辺を含めてどういうふうに取り組んでいくのか、伺いたいと思います。
(田中ラグビーワールドカップ・大規模イベント担当課長) 公認チームキャンプ地でございますが、今年の夏ごろに候補地が決定しまして、秋以降に参加チームがその候補地を視察した結果を踏まえて来年の春以降に順次決定されるというスケジュールになってございます。
 公認チームキャンプ地は、応募自治体がチームへ─日本も含めてですけれども、個別に誘致活動をするということは禁じられておりますので、県といたしましては、応募自治体と連携をして、チームの視察の際などにキャンプ地としてのポテンシャルというものをアピールしていきたいというふうに考えてございます。

石川(裕)委員) ポテンシャルというところはわかりますけれども、他都県と比較して、やはりチームは選べないかもしれないですけれども、その公認の地としては選んでもらうこと、一つでも多く選んでもらうことは、私は大切だと思います。そういう中で、ラグビーワールドカップの決勝戦、きのうの質疑の中で外国人観戦客が4万人ということで想定されているというふうに伺っていますけれども、ここで観光振興について伺ってまいりたいと思います。
 知事は、代表質問や一般質問の答弁で、ラグビーワールドカップ2019や東京2020オリンピック・パラリンピックに向けて県内を周遊する1,000本のツアーを企画商品化に取り組んでいると。それで神奈川の経済のエンジンを回していくんだというようなご答弁をさまざまされています。では、このラグビーワールドカップ2019が開催されて、まだ今は決勝戦しかわからないということですけれども、ではどれぐらい、県内に経済波及効果がどの程度あるのかというのはわかりますでしょうか。
(田中ラグビーワールドカップ・大規模イベント担当課長) 大会組織委員会では、日本大会全体の経済効果を約4,200億円とした試算を公表しております。これは、イギリスのシンクタンクが公表した前回のイングランド大会の経済効果をもとに2015年9月現在の為替レート、1ポンド約180円で換算した試算となっております。その内訳ですが、インフラ整備や大会運営、観客による支出などの直接効果が約1,900億円、間接効果が約1,400億円、波及効果が約900億円となっております。開催都市ごとの経済効果というのは示されていないところでございます。

石川(裕)委員) 今のは全国の数字でありますので、私の質問は神奈川県内にどれぐらい経済波及効果があるのかという質問でありましたが、開催都市ではまだ示されていないということですので、では別の角度から伺いますけれども、この1,000本のツアー、よく知事がおっしゃられていますけれども、海外からの決勝戦の観戦客4万人が実際に県内を観光で周遊した場合の経済効果というのはどれぐらい見込んでいるのでしょうか。
(脇国際観光課長) 英国─イギリスの企業が行った調査によりますと、ラグビーワールドカップ・イングランド大会での海外からの観戦客1日当たりのこれは宿泊費、交通費、飲食費等を合わせた平均消費額になりますが、現在の為替レート1ポンド140円で換算いたしますと、約2万4,000円になります。したがいまして、決勝戦を観戦する外国人4万人の方々が1日当たり2万4,000円を消費いたしまして、県内に20日間宿泊して滞在いたしますと、消費額の合計は約192億円になります。さらに、この観戦客の消費の増加に伴い、例えば宿泊施設や飲食店に納入する食材加工業者の生産が拡大するなどの波及効果がもたらされます。こうした波及効果を県が策定しております産業連関表を使って大まかに推計したものでございますが、トータルで約245億円程度の経済効果が見込まれると考えているところです。

石川(裕)委員) 245億円の経済波及効果ということなんですけれども、今、ご答弁がありました。4万人が20日間滞在をする、こういうご答弁でした。ではちょっと伺いますけれども、実際に今神奈川県でこの4万人を受け入れられる宿泊施設、これはあるんでしょうか。
(脇国際観光課長) 観光庁の平成28年の宿泊旅行統計調査をもとに県内の宿泊施設1,950施設の全客室で定員の約8割を受け入れると仮定いたしますと、1日当たりの受入可能な宿泊者数は7万人程度になると推計されます。これに対して、同じ調査によりますと、県内の1日当たりの平均宿泊者数は約5万人となっておりますので、さらに約2万人を受け入れることができる状態とはなっております。
 なお、県内ではラグビーワールドカップに向けましてホテル等の建築計画が次々と打ち出されておりまして、新聞報道等により県が把握している2019年8月までに完成予定の16施設のうち、公表されている客室数の合計は約2,100室となっております。この新たに整備される客室に1室当たり1.5人が宿泊すると仮定いたしますと、さらに約3,000人の受け入れが可能になります。しかしながら、それを加えましても1万7,000人程度を受け入れる宿泊施設が必要になると考えております。

石川(裕)委員) ラグビーワールドカップもまだ行われていない、オリンピックも行われていない中で、今ホテル業界というのは、もう年間稼働率が80%超えているわけです。そういう中で、またラグビーワールドカップがある、オリンピックがあるというところで、予約が本当にとれるのかということも私は心配をしています。
 そういう中で、きのうの質疑でもありましたけれども、まず宿泊をすること、これによって神奈川県での経済効果というのがより多く生まれる。こういう質疑がありました。そういう中で、私は、本日報道でルールを定めた新法案が決定したと言われる民泊、これも含めて4万人に、いかに神奈川県に宿泊をしてもらうか、このことが大事だと思うんですけれども、この宿泊の受入可能数をどうふやしていくのかということを伺いたいと思います。
(脇国際観光課長) 今後宿泊の受入可能数をふやしていくためには、市町村と連携しながら、セレクト神奈川100の活用などにより、さらに宿泊施設の誘致を図ってまいりたいと考えております。
 また、外国人観光客の中には、一般家庭や農家等での宿泊を通じて日本の日常的な生活を体験したいというニーズもあります。そのため、現在国で検討されております新たな民泊サービスの提供も、多様なニーズに応える受け皿として必要になってくると考えております。

石川(裕)委員) 冒頭に申し上げましたけれども、知事は、この29年度予算を攻めの予算であるというふうに提案説明をされています。その要因の一つとして、このラグビーワールドカップ2019、そして2020東京オリンピック・パラリンピックを見越した観光振興、いわゆるインバウンドに期待を寄せているからだと思うんです。そういう中で、県は横浜市と共同して開催都市分担金を負担し、そして今もうさまざまなPRをして、そしてさまざまな時間をこうやって使っています。こうした費用等が観光振興を通じて県民の皆さんに、私は見えるように還元されること、このことに取り組んでいく必要があると思いますけれども、最後に産業労働局長にこのことについて伺いたいと思います。
(藤巻産業労働局長) 今後、2019年のラグビーワールドカップ、そしてその翌年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会、これを契機に、国内外から多くの観光客を誘致し、消費需要を取り込んでいくことで、大きな経済効果が生まれると期待をしております。また、神奈川を訪れた観光客にリピーターになってもらって、さらに観光客の増加を図り、持続的な経済成長につなげていく必要があると考えております。
 そのためには、観光客の多様なニーズにマッチする魅力的な観光資源を数多く発掘して磨き上げ、それを効果的にPRしていくことが重要と認識しております。特に、ラグビーが盛んなヨーロッパやオセアニアの諸国から訪れている観光客は、和食や旅館、座禅といった日本独特の文化や四季折々の自然の中のアウトドア体験などのニーズが高いと聞いています。こうしたニーズに応えられるような観光資源を市町村や観光協会、バス・鉄道事業者、宿泊施設、観光施設、商店街など連携してつくり上げていくことにより、地域に観光消費が還元されるよう取り組んでまいります。

石川(裕)委員) 最後に要望になりますけれど、局長にお答えいただきましたけれども、1,000本のツアー、そして魅力ある場所を見つける、これは本当に大事だと思いますけれども、私は、実際に経済の波及効果を県民の方に還元するんであれば、やはり宿泊を含めた、いかに滞在してもらうかというところの環境整備が私は大事だと思います。そのことを強く要望いたしまして、この質問を終わりたいと思います。