石川(裕)委員

 次に、恋カナ!プロジェクトについて質問させていただきたいと思います。
 恋カナ!プロジェクトに関してですが、平成27年度からスタートされていまして、テレビでも結婚支援の番組など様々やっています。今回、いろいろこういった支援事業をされている中で、そもそも市町村でなくて、県が結婚支援に取り組むこととなった背景について伺いたいと思います。
青少年課長
 まず、県が恋カナ!プロジェクトに直接取り組むようになった背景として、人口減少が課題となっている中で、未婚化が進んでいるという状況、現状があります。たとえば50歳の時点で、一度も結婚をしたことがないという人の割合を表します生涯未婚率ですが、本県では昭和55年から平成27年までの35年間の間で、男性が約8倍、女性も約3倍に上昇している状況があります。
 一方、国の調査等で見ますと、未婚者の約9割はいずれは結婚するつもりといった、結婚意欲は高く、独身にとどまっている理由では適当な相手に巡り合わないということが1位となっております。こうした状況の中で、国においては平成26年11月にまち・ひと・しごと創生法が成立して、それに基づく長期ビジョン等の中で、若い世代の結婚の希望の実現などに取り組むことが示されました。これを受けて、本県においても結婚を希望する方がその希望を実現できるように、結婚に向けた機運を醸成するという役割を検討して担うということで、平成27年度から恋カナ!プロジェクトをスタートしました。

石川(裕)委員
 理由は分かりますが、なぜ県がやらなくてはいけないのかを伺いたいと思います。
青少年課長
 県が行うという点ですが、実際の結婚支援等の事業について、まずは機運の醸成という意味で、県がまずはモデル的にまず展開してみます。そういった事業を、市町村や民間といった地域における結婚支援の取組を促していくといった形で、結婚に向けた機運醸成を図るということで、まず県がモデル的な事業として取り組んでいます。

石川(裕)委員
 その費用については、大体どれぐらいかかったものか伺いたいと思います。
青少年課長
 平成27年度から取り組んでおりますが、平成27年度については、国の地方創生の交付金を活用して1,900万円の事業として展開しました。平成28年度については、同じく国の地域少子化対策重点推進交付金を活用させていただいて、恋カナ!プロジェクト事業委託として、支出額が949万8,060円という形で事業を実施しました。

石川(裕)委員
 約950万円を事業委託ということですが、委託した事業内容はどのようなものだったのかを伺いたいと思います。
青少年課長
 事業の内容ですが、平成27年度、平成28年度ともに、三つの事業、一つ目は結婚につながる出会いの機会を提供するバスツアーである恋カナ!ツアーのモデル的な実施、二つ目は結婚への前向きな一歩を応援するイベントである恋カナ!フェアの開催、三つ目は結婚支援情報を発信する総合ウエブサイトである恋カナ!サイトの運営といった三つの事業を中心に展開してまいりました。

石川(裕)委員
 では、個別に伺っていきたいと思います。このバスツアーである恋カナ!ツアーの開催結果はどのようなものだったのか、伺いたいと思います。
青少年課長
 恋カナ!ツアーですが、自然な出会いの場を提供する結婚の支援の部分と、神奈川の魅力を伝える地域活性化の二つの要素を組み合わせたバスツアーです。平成28年度については、ツアーを4回実施して、749名の応募をいただいた中で、バスの定員との関係から御参加いただいた方は245人です。また、その実施に当たりましては、開催地域の市町村や企業等と連携して、地域の観光振興につながるような体験プログラムを提案していただくなど、そういったものを取り入れて実施しました。

石川(裕)委員
 そういう中で、第1回目は非常に応募者数も多く300人を超える方が応募されていましたが、最後の4回目になると、それがぐっと減って約80名弱、78名の方の応募になっています。この開きというのはどうなっているのでしょうか。
青少年課長
 いずれの回数も、まず80名が定員という状況です。その中で年度の終わり、後半のものについては、2月の終わり、3月の終わり、季節的な部分も若干出てきたと考えております。いずれにしても、御応募についてはそういう形でまとまっていただいていると思っております。

石川(裕)委員
 分かりました。
 次に、恋カナ!フェアについて伺いたいと思います。
青少年課長
 恋カナ!フェアですが、これは結婚を希望する方を応援するイベントということで、昨年度2回、参加費は無料で開催しました。1回目は11月19日に横浜市内で開催をして212人の方に、2回目は2月4日に厚木市内のホテルで開催して、108人の方に御来場いただいております。主な内容としては、結婚に向けた交際のポイントなどのセミナー、アドバイザー等による結婚に向けた各種の相談、市町村などによる結婚支援情報等の展示、更にはプロカメラマンによるプロフィール写真無料撮影会などを実施しました。

石川(裕)委員
 これが、本当に県のやる事業かという率直な疑問はあります。
 これからに向けての話をさせていただきたいと思いますが、平成27年そして平成28年とやってきた中で、平成29年度の恋カナ!プロジェクトは、来年もあるのかもしれませんが、どのようにお考えになっているのか、伺いたいと思います。
青少年課長
 先ほども県の役割として申し上げさせていただきましたが、まずは機運の醸成のためのモデル的な事業を県が自ら行うということで、この2年間取組を進めさせていただきました。それと併せて、県内の各地域で市町村、あるいは関係する様々なNPOの方とか、そういった方々が取組を進めていただいている状況も出てきています。そこで県の役割の二つ目として、今後の役割として、そういった機運を醸成するために大きなネットワークをつくっていきたいと考えました。そこで今年度から市町村や企業等によるネットワーク、恋カナ!プラットホームというネットワークを立ち上げています。こうしたプラットホームで横のつながり、情報の共有等しながら、地域の市町村や企業の方々に結婚に関する情報を提供していただいて、併せて取組を進めていただきながら、そういった形での結婚に向けた機運の醸成を、県は情報発信等を中心として取組を広げていくと考えております。

石川(裕)委員
 この恋カナ!プロジェクトで実際にカップルになった、結婚をされた、その辺の結果について、このプロジェクトを次につなげていくことは大事ですが、平成27年度、平成28年度に取り組まれた結果はどうなっているのでしょうか。
青少年課長
 結果のところで二つほどお話をさせていただきます。
 1点目については、県内の各市町村や地域でどのような取組が広がっているかという点が一つあろうかと思います。そうした中では恋カナ!サイトでの情報発信という形で、市町村や民間等県内で開かれています結婚支援のイベントについて、平成27年度に39件が平成28年度は52件と3割ほど増加しており、結婚に向けた機運の醸成という点では一定の効果があらわれていると考えております。
 もう一点、御質問の中で成婚の状況はということですが、恋カナ!プロジェクトについては、結婚に向けた機運の醸成を目的として実施してまいりまして、成婚数等を直接の目標とはしていませんでした。成婚した場合に、参加者から任意で報告をお願いしてきたところですが、今のところ成婚という御報告は残念ながらいただいておりません。ただ、その前の段階で恋カナ!ツアーの実施に当たりまして、その場でのカップルができるようにもっと後押ししてほしいという声に応えて、マッチングの機会を提供してまいりました。昨年度4回のツアーの中でそのツアーの中では一応38組、76人の方のカップルが成立したという状況です。

石川(裕)委員
 結婚の機運の醸成でいけば、結婚された組数が目標でないと、このプロジェクトというのはいけないのではないかと私は思っています。そういう中で要望申し上げますが、平成27年度、平成28年度の神奈川県の事業について、引き続きということではなくて、なるべく市町村、それから民間にこの事業に関しては渡していく、引き継いでいくという形で、進めていっていただきたいことを要望して、私の質問を終わります。