石川(裕)委員 次に、里地里山保全等促進事業について伺います。 神奈川県の選定する里地里山は20地域、およそ1万2,580平米、また23の団体と協定を認定していると承知をしています。その上で、認定協定活動団体支援事業費補助について779万円が計上されています。この補助の目的はこの冊子に書いてありますので省きますが、平成29年度は団体増により予算が増額されていますが、平成30年度は予算額が減っています。この理由は何でしょうか。
農地課長 平成29年度に対して、平成30年度の団体支援事業の減額の理由でございますが、この補助事業につきましては、補助を最初に受けた年から5年を経過した団体につきましては補助の単価を8割に減額することとしております。平成30年度から新たに秦野市寺山地区と小田原市の上曽我地区が5年を経過し、この2地区の補助単価が8割となることが主な減額の理由となっております。
石川(裕)委員 次に、里地里山保全推進費というのがあります。これが126万円計上されています。昨年は144万円、そして一昨年は232万円。2年間で約100万円予算が減額されています。里地里山推進について、これだけを見ると後退しているように考えていますが、この理由は何ですか。
農地課長 推進費が2年間で100万円減していることにつきましては、まず平成28年度と平成29年度で大きく減った理由は、平成28年度は県民を対象とした、里山のシンポジウムを開催しております。平成29年度はシンポジウムを開催しなかったためにその分の費用が減額しています。平成29年度から平成30年度の主な減額の理由につきましては、里地里山フェスティバルというものを5月の連休に本庁舎で庁舎公開と併せまして、里山の団体の方に来ていただいてテントで里山の物品を販売、PRしていただくというようなものを実施しておりましたが、団体から、5月の連休中は農作業の方が忙しいというような話がありましたもので、平成30年度はその分の経費を減額しております。
石川(裕)委員 その事業に対しては、私の住む麻生区の団体の方も出られて、竹細工の行灯の販売をさせていただいたと話を伺っています。予算を減らすのではなく、時期を変えて行うという検討はなかったのでしょうか。
農地課長 23団体の方にアンケートも実施している中で、ゴールデンウイークはだめだということなので、秋、春はいかがですがというアンケートもやってみたのですが、県庁まで来ることが困難だという意見がかなりありましたので、平成30年度は予算を計上しておりませんが、来年度以降、団体の意見を聞きながら時期をずらして開催する方向で意見を聞いていきたいと考えております。
石川(裕)委員 里地里山を守るというかけ声はいいのですが、現場では、川崎市もいろいろやられていますが、緑を守るために大変御苦労されているのです。例えば、活動団体の方に聞くと、住民の高齢化、そして担い手、後継者の不足と確保の問題、そして整備に向けた費用の問題、お金の問題、そしてインフラの問題とか様々あるのですが、県として積極的にこの里地里山を位置づけるのであれば、市町村との連携も進める必要があると思いますが、県としてこの予算で里地里山をどのように守っていこうとされているのか伺いたいと思います。
農地課長 まず、市町村との連携につきましては、この里地里山の条例に基づいて事業を実施していますが、里地里山の地域を選定するという作業があり、それは市町村から申請していただいておりますので、市町村は当然、自分の市町村内のどの地域を里地里山として保全していくということは認識していただいていると考えております。ただ、補助を行っている中で、市町村の上乗せという部分につきましては、数が少ないものですから市町村に働き掛けを行っていく必要があると考えております。 あと、現在の予算規模で県としてどのように、里地里山を保全していくのかということですが、限られた予算の中で23団体を補助しており、今後、里地里山の選定地域がふえて、支援する団体の数がふえていくといった中で、5年を経過している団体は8割としていますが、10年経過する団体も出てきますので、限られた予算の中で支援を考えていきたいと考えております。
石川(裕)委員 二つを足して1,000万円ぐらいの予算の計上ということなのですが、この里地里山を守るというのは、県民の目に見える形で自然を守る、都市に近い里地里山というくらいですから都市と山との間のここを守る、県民の目に見えてわかるわけです。先ほど、IGES対して、補助金2億円がありますが、一方、この里地里山の予算は1,000万円もない、担当者としてどのように感じているか伺いたいと思います。
農地課長 先ほどのIGESの2億円の補助金というお話に対して、里山が1,000万円ということについて、どのような考えかというような御質問だったと思いますが、団体からは確かに今の支援は足りないという意見も多く聞いておりますので、今後、団体がふえていく中で、検討させていただきたいと思います。
石川(裕)委員 質問の中でも要望になりますが、団体の方に伺うと、活動団体の高齢化、担い手や後継者の確保の問題、そして整備に向けて費用の問題なのです。当然、お金はたくさんあった方がいいに越したことはないのですが、意見等はあるにしても、この里地里山、私の地域のことで言えば、この金額でこれを1年間守ってくれという金額にしては厳しすぎるのではないか、ということで質問させていただきました。是非、県として適切な予算を計上して、現場の活動団体の要望・提案を把握しながら、しっかりと里地里山の対策に進めていただきたいと思います。