公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)補助金について
石川】IGES設立に当たっては、県が、環境分野における国際貢献、研究成果のフィードバック、県内の環境人材育成の促進、県内大学や研究機関への好影響の4つの狙いを掲げ誘致したと認識している。
施設賃借料の無償期間は1998年から2032年の35年間で、施設賃借料と補助金による県の負担は約110億円になる。自然観察会の開催や講師派遣等で研究成果の県民還元に努めているとのことだが、当初の目的を達し得ないのであれば、補助金の見直しを検討すべきと考える。
そこで、4つの狙いを掲げて誘致したIGESの21年間の成果をどのように捉えているのか。また、厳しい県財政の中、21年間で約69億円もの補助金を拠出し、今後も年間約3億円、2032年までの14年間で約40億円の補助金拠出が見込まれるIGESに対してどのような仕切り直しを行うのか、併せて所見を伺う。
知事】公益財団法人地球環境戦略研究機関、IGES補助金についてです。
はじめに、これまでの成果についてです。
IGESは、毎年、専門家や国際機関、民間企業等が一堂に会する国際会議を県内で開催するなど、その研究成果を国内外の研究者や民間企業にフィードバックしています。
また、県の「地球温暖化対策計画」改定の際、検討委員会の中心となって計画を取りまとめるなど、県の政策形成に重要な役割を果たしています。
このほか、中学生の職場体験の受入れや、県内の大学への講師派遣など、環境関係の人材育成にも貢献しており、IGESは、設立当初の目的に沿って事業を実施していると認識しています。
近年、地球温暖化などの気候変動を原因とする、自然災害の発生などが顕在化しており、県民生活や県内の経済活動に大きな影響が及ぶことが懸念されています。
この点、IGESは、豊富な知見を有していますので、県が本年4月に設置した「気候変動適応センター」が行う研究への助言など、さらなる連携により、重要な役割を担っていただきます。
次に、IGESに対する補助金の見直しについてです。
県では、既に、県の財政状況に応じた補助金の見直しを行っており、今後も、本県への貢献が期待されますので、今は補助金の見直しを行う段階にはないと考えています。
県としては、IGESが実施する事業の効果や国際的な研究機関として有する知見が県民の皆様に広く還元されるよう、気候変動対策をはじめとするSDGsの取組みの推進など、IGESとの連携をさらに深めてまいります。