支援を必要とする子ども・家庭のための取組みの格差是正について
石川】県から市町村への支援のうち、「小児医療費助成」は平成15年度から、「ひとり親家庭等医療費助成」は平成16年度から補助率に格差が設けられている。政令市のひとり親家庭等医療費補助が一般市と同様に2分の1になった場合、県の補助額は、試算では3政令市で3.9億円の増となるが、政令市の市民が他の市町村の住民と同様に県税を納税していることを考慮すると、格差が設けられていることは市民の理解が得られるものではない。
そこで、支援が必要な子ども・家庭のための取組において、政令指定都市とその他の市町村とで取扱いに格差が設けられている。少子化や子どもの貧困対策の必要性が高まる中、「すべての子供、青少年が健やかに成長できるかながわ」の実現に向け、まずは「ひとり親家庭等医療費助成」と「小児医療費助成」の補助率の格差の是正を図るべきと考えるが、所見を伺う。

知事】まず、「ひとり親家庭等医療費助成」は、ひとり親家庭等に対し、子どもとその養育者の医療費の一部を助成することにより、生活の安定と自立を支援する制度として、平成4年度に補助率2分の1で創設されました。
その後、市町村が主体となる事業として定着したことから、政令市、中核市と調整の上、段階的に補助率を引き下げ、平成18年度から政令市、中核市の補助率は3分の1としております。
次に、「小児医療費助成」は、子どもの医療費の一部を助成することにより、子どもの健やかな成長と保護者の経済的負担の軽減を図るための制度として、平成7年度に補助率2分の1で創設されました。
その後、平成13年度に県と政令市を含めた市町村の代表からなる検討組織を立ち上げ、協議を行った結果、平成15年度から、県の補助制度の対象年齢を引き上げる一方、政令市の補助率を4分の1に、その他の市町村の補助率を原則3分の1に下げることで合意しました。
この2つの医療費助成制度は、このような経過を経たものであり、県としては、まずは、現行の制度をしっかり維持していくことが重要と考えています。
これらの医療費助成は、全国で広く実施されており、本来、国の社会保障の制度の中に位置づけるべきと考えていますので、全国統一の制度とするよう、引き続き強く国に要望してまいります。

石川】「小児医療費助成」と「ひとり親家庭等医療費助成」を取り上げましたが、政令市の補助金格差是正を見直すと、3.9億円です。例えば、今回取り上げたIGESへの補助金の見直しや神奈川県にお越しいただく観光客に受入環境の整備をするための受益者負担をお願いすれば、これは捻出できるのではないかと私は考えます。この県単独補助金格差是正について、担当者間の協議では平行線でなかなか議論が深まらないとの話も伺いました。ぜひ、3期目に入られた黒岩知事には思い切った決断をしていただきたい。そして、子育て環境を推し進める神奈川のリーダーシップを発揮していただきたいと考えますが、改めて、政令市への県単独補助金の格差是正の検討をしていただきたいと考えますが、知事の所見を伺う。

知事】税の使い方に関するご質問でありました。
IGESについては、今後、さらに連携を深めることとしまして、新たな受益者負担の宿泊税については、協議会からの御意見を踏まえつつ引き続き検討を行っていくこととしています。
また、「ひとり親家庭等医療費助成」や「小児医療費助成」の補助率につきましては、県と政令市を含めた市町村との協議を行い、合意したといったことを踏まえたものでありまして、適切な財源配分を行っております。
あたかも、少子化・子育て支援に対して、税金を使っていないというようなニュアンスのご発言がありましたけれども、これは全くの誤解であるというように思っております。