高卒就職支援の取組みについて
石川】高校就職の離職率は、大卒等と比較し高いと指摘されている。普通科高校である「県立田奈高校」では、企業と就職を希望する生徒のマッチングに非常に時間がかかるが、現在の制度では、スクールキャリアカウンセラーがサポートしきれず、スクールキャリアカウンセラーの責任感に大きく頼っている部分があると聞いている。
企業ガイダンスを、学校や地区で行うことにより、企業理解の充実と地域企業との連携を図ることができるのではないか。
そこで、高卒就職の環境の変化、社会の就職活動環境の変化に対応した、生徒への新たな企業理解の促進、就職に向けた材料や機会の提供が必要と考えるが、所見を伺いたい。また、週29時間勤務の非常勤職員としての壁が大きなハードルになっているスクールキャリアカウンセラー制度について、どのように対応していこうと考えているのか併せて所見を伺う。
教育長】まず、生徒への新たな企業理解の促進、就職に向けた材料や機会の提供についてです。
県教育委員会では、平成17年度から全県立高校においてキャリア教育を展開する中で、生徒が望ましい職業観等を身につけたうえで就職できるよう企業等におけるインターンシップを推進してきた。
また、一部の高校では、企業の情報をしっかりと把握して就職先を選択できるよう、ハローワークと連携し、企業の担当者を招いて、生徒が仕事の内容を直接聞ける、「企業説明会」を開催するなどの取組を進めています。
今後、こうした取り組みを、全校の進路指導担当教員が参加する進路指導説明会で周知し、より多くの生徒が、「企業説明会」などの機会を得て、自分に適した企業の選択が進むよう取り組んでまいります。
次に「スクールキャリアカウンセラー」の制度についてです。
県教育委員会では、義務教育段階で十分に力を発揮できなかった生徒の学び直しを支援し、積極的に社会に参加できる人材として育んでいく「クリエイティブスクール」など9校に、就労支援の専門家である「スクールキャリアカウンセラー」を非常勤職員として配置しています。
生徒の就労支援は、生徒の相談を受けながら、企業の求人情報と生徒の適正をマッチングしていくもので、日常的に生徒に接している教員とカウンセラーがともに取り組んでいます。
今後さらに、クリエイティブスクールなどで、生徒の就労支援を充実させていくためには、教員とカウンセラーの適切な役割分担と連携の強化が求められています。そこで、今後、教員とカウンセラーがどのように役割を分担し、連携することが、生徒の就労支援にとって最も効果的なのかを検証していきます。その上で、議員お尋ねの、カウンセラーの配置時間数など、制度の在り方について検討を進めてまいります。