石川(裕)委員 まず、教員の働き方改革について質問させていただきます。 先行会派の質疑の中で、学校経営アドバイザーの導入により、教員全体の残業時間が16時間減ったという答弁がありました。これは具体的に何人の教職員の学校で、1人当たり何時間ぐらいの削減効果があったのか伺います。
教職員企画課長 学校経営アドバイザー派遣事業を実施した5校のうち4校で削減効果があり、茅ヶ崎市立西浜中学校では対象人数23人に対して削減効果が2時間41分、大和市立中央林間小学校で31人、6時間43分、伊勢原市立比々多小学校で27人、4時間3分、大井町立大井小学校で29人、2時間25分、合計で110人で15時間52分ということで、約16時間となっています。
石川(裕)委員 時間外勤務の上限が1カ月45時間、1年で360時間とありますが、この目標がどのように立てられたのかということと、現在の時間外勤務の現状をお伺いします。
教職員企画課長 この目標をつくった根拠でございますが、まず一つは、国が示したガイドラインの中で月45時間、年間360時間というのはございます。まずそうしたことを参考にしています。また、時間外勤務の状況ですが、平成29年度に実施した実態調査の結果では、県立高等学校の場合には、校長について申し上げますと、1週間当たり約20時間程度の残業になっています。同様に副校長、教頭の場合はおおむね週当たり23時間程度、総括教諭、教諭の場合はおおむね14時間程度になっています。
石川(裕)委員 学校長も週20時間残業をされているという現状があり、先行会派の答弁の中で、市町村によって多少数字の違いがあるということで、学校経営アドバイザーの方も入って残業を減らしていくという答弁だったと思うのですが、これはもう校長自体が週20時間、そしてほかの方も週23時間、週14時間とありますが、そのような中で学校にこれをお願いするのは難しいと思うのです。そのような中で、県教育委員会なり、市町村の教育委員会が後押しをして、残業について取り組んでいかないといけないと思うのですが、教育センターの中にマネジメント能力の向上のための研修があると思うのですが、こういう残業や働き方についての研修はないのでしょうか。
総合教育センター所長 初任研修等で働き方について、効率よく働くという基本的な研修はしています。また、管理職にも新任の教頭、新任の副校長、新任の校長の研修段階で職員が効率よく働けるためのマネジメント研修をやっております。
石川(裕)委員 そのような中で、現状と目標の上限の遵守があるのですが、この溝をどれぐらいの期間でどのような形で見直して、そして目標を立てていくのか、ということがとても大事だと思うのですが、例えば、この教育センターを使ったり、さまざまな形で学校に任せるのではなく、教育委員会が主導していかないといけないと思うのですが、その点はどうでしょうか。
教職員企画課長 まず、この指針の取組期間はおおむね5年とさせていただいていますので、5年をめどに45時間に近づけていきたいと考えています。 具体的な取り組みですが、もちろん先生方の意識改革も必要ですし、タイムマネジメントスキルを身につけていただくことも重要ですので、こういった研修内容もより充実していく必要があります。 また、何よりも大事なことは、指針の取り組みの一つ一つを着実にやっていくことになります。 中でも、教員がさまざまな事務的なこともやっているという現状がありますので、そういったことを他の主体に委ねていくといった役割分担に力を入れていきたいと考えています。
石川(裕)委員 今回、神奈川の教員の働き方改革に関する指針となっていますが、先ほど上限時間を国の指針に合わせたという御答弁もありましたが、国の指針と他県と神奈川との違いについて伺います。
教職員企画課長 今回の指針で特徴的なのが、年休の取得目標15日といったことを示しているのは他の自治体では、ほとんど見当たらないということです。
石川(裕)委員 指針に関しては、ほぼ国の指針に沿った形ということでよいでしょうか。
教職員企画課長 国の動向は踏まえていますが、基本的にこの指針は有識者の方や、現場の方で構成した協議会からの意見をベースに作成しております。
石川(裕)委員 神奈川独自の部分もあると思いますので、この指針は進めていただきたいと思いますが、その中で前回の委員会でこの働き方改革についても質疑を行いましたが、その際に教員の働き方改革を推進するためにICT環境の整備に取り組んできたという話がありました。そして、常勤の教員1人に1台、校務パソコンを整備して業務を効率よく行えるようになったという答弁がありました。パソコンが入ったことによって、逆に教員に負担がかかっていることはないですか、という質疑をした中で、メールの配信件数をお伺いしたときに答弁の中で年間169件という答弁がありました。しかし、この答弁に対して教員の方から、169件という数字を疑問に思うという御意見が複数あったものですから、改めて伺いますが、この169件は合っていましたか。
行政課長 県立学校宛てに送付した文書の件数ですが、6月に調査しましたところ564件ございました。 行政部長 お伺いの196件についてですが、前回、答弁させていただきました169件は、教育局の各室課から学校に対して発出された調査、照会の年間の件数です。
石川(裕)委員 調査以外のメールが400件ぐらいあったということですか。これは具体的にどのようなものでしょうか。
行政課長 具体的には、特に回答の必要のない通知や事務連絡等もございまして、例えば、国からの通知や法令改正に関する通知、会議や研修の案内といったものも含めての数です。
石川(裕)委員 教育委員会の中にいろいろな部署があると思うのですが、学校に配信する際に教育委員会からのメールが564件ある中で、メールを出すか出さないかについては、どのような仕組みなのでしょうか。
ICT推進担当課長 各学校の校長、副校長、教頭に対しては、県のグループウエアで庁内メールという形で配信することが可能です。もう一つは、行政文書管理システム、これは県全体で今回取り入れたシステムですが、こういったシステムを使って教育委員会から学校に依頼、照会をすることができます。 一般教員に対しては普通のメールになります。メールソフトを使って何かを伝えることがありますが、教育委員会から一般の先生方にメールを送ることはありません。
教育局総務室長 原則として各事業を所管しているところから必要に応じて必要なものを出していくということで、それを一つにまとめてどこかから発信するという扱いは基本的にはしていません。ただ、各部署にまたがるものについては、主にまとめる課が出しています。
石川(裕)委員 メールを受ける学校からするといろいろな課から本当に多くのメールが来ており、それは見なければいけない通知なのか、返信しなければならないメールなのか一見わからないので、困っているという御意見がありました。 そのような中で、教育委員会としては、パソコンを入れたから働き方改革が進むということもあるかもしれません。しかし、配信する側の配慮として、発信して終わりではなく、返す側、見る側のことも考えて発信してもらいたいと思うのですが、その点についてはどうでしょうか。
教育局総務室長 昔は全て郵送だったので、先ほど言った564件というのもメールだけではなく、文書を発送したこともありますので、県全体でICT化を進めたときにそのような照会が多くあり、どれを見なければいけないのかということは、教育委員会のみならず知事部局全体でもありました。 そのような中、調査・照会掲示板や、一般な通知というのがすぐにわかるように掲示板をつくるといった、情報過多の際の整理を全庁的にルールを決めてやっていますので、教育委員会としても同様にやらせていただいています。
石川(裕)委員 564件という数字が多い少ないということではなく、なるべく学校現場に関してはわかりやすく、できれば減らしていただいて業務の改善につなげていただきたいと思います。