【石川(裕)委員】 かながわ県民・民主フォーラムの石川裕憲です。早速、質問に入らせていただきます。

まず初めに、県内経済の再開と回復に向けた支援について伺います。
先行会派でも触れられていましたけれども、今回の9月補正予算で中小・小規模企業の再起支援事業に約71億円が計上されています。この補正予算額には、感染拡大防止対策や、デリバリーやインターネット販売に取り組む経費に対して補助する中小企業・小規模企業再起促進事業費補助金の増額分が含まれています。この公募は既に締め切られ、緊急支援型、再起支援型合計でで事業者から4,018件、約81億円の申請があったと承知しています。現在の交付決定状況をそれぞれ伺います。

【森山中小企業支援課長】 10月2日現在の状況でお答えいたします。緊急型につきましては、交付決定が全体の申請273件に対して263件、一方、再起支援型につきましては全体3,745件の申請に対しまして、交付決定は3,334件という状況でございます。

【石川(裕)委員】 再起支援型においては、3,334件ということで報告を受けましたけれども、この支援事業のホームページを見ると、「赤字で再起支援型の審査結果は順次送付していますが、書類の確認作業等に時間を要している状況です。ご迷惑をおかけして申し訳ありません。9月末までには審査結果を送付すべく作業を進めているのでご理解ください」といった表示が今もされています。
この事業は5月22日から、先行会派からもありましたけれども、公募が始まって、そして申請期限は6月末でした。5月、6月の申請数と9月までの月ごとの交付決定件数を伺います。

【森山中小企業支援課長】 まず、申請状況について、月別にお答えいたします。申請件数につきましては、5月が117件、6月が2,672件、7月が、郵便カンショウがありますので、7月が1,229件、合計4,018件という状況でございます。
交付決定の状況でございます。6月につきましては、交付決定が263件、7月が256件、8月が550件、9月が2,528件という状況でございます。

【石川(裕)委員】 今、月別に交付の決定数をお聞かせいただきました。6月に今回この事業に関しては公募が締め切られています。今、6、7、8、9と伺いましたけれども、9月が2,528件、ここだけ突出しています、遅れていますから。という中で、まず、この審査体制はどういうふうになっていたのか、伺いたいと思います。

【森山中小企業支援課長】 体制につきましては、県職員と、あとは非常勤職員合わせまして50名の体制で、電話対応、審査業務を行っておりました。

【石川(裕)委員】 この後、協力金の話もしますけれども、協力金も支給が遅れているときに、県の職員が250名増員されました。そして今回、今、6月に締め切って、そして7月、8月この件数で、そして9月末までには支払うと、確かにホームページには書いてあります、今。でも、この遅れていることに関して、50名のままの体制でずっとやられていたんですか。

【森山中小企業支援課長】 時期によって体制は、当初は50名で少ない人数でございました。今、申請に対して交付決定を行う際に、人員を増やしまして、平均して50名という体制で処理を進めているところでございます。

【石川(裕)委員】 今、ご答弁いただきましたけれども、このつい立てやビニールカーテンの設置、そしてデリバリーサービスを新たに進めたいという飲食店の方々は、この事業の中で非対面型ビジネスモデル構築事業に申し込まれています。そして、この事業の申請額は約20億円、そして申請件数は約3,000件超となっていて、再起支援型事業全体の75%を超える申請数となっているんです。
つまり、飲食店の皆さんは、厳しい経営環境の中で、客数はコロナ以前に戻らないかもしれないけれども、それでも感染防止対策を取った上で事業継続をしていきたい、したいという思いでこの交付金を申請されているわけです、補助金を。しかし、私、事業者の方にお伺いすると、途中で問合せをしても審査中と言われて、補助金が出るかも分からない。出るか、出ないか分からない。こういう状況で9月まで、6、7、8、9、これ待たされていたわけですよ。
そして、この交付決定を受けた採択事業者は、これですぐお金が入るわけじゃなくて、交付決定の採択を、事業者は県に対して56ページにも及び手引書をまず確認してください。そして、その確認した上で、チェックリストのチェックリストがあって、それでまた書類を提出してください。その上に、県はその書類を受理してから審査、交付まで4週間程度かかる、1か月ですよ、4週間。
今、約3,200件の交付決定がなされていますけれども、既に補助金の支給がされたのは9月25日現在で15件です。これから3,000件以上の申請が来ることが分かっています。また、この事業の実施期間は来年1月15日までとなっていますけれども、申請が集中したとしても、確実に4週間で交付が行われる体制なのか、伺います。

【森山中小企業支援課長】 確かに、委員おっしゃるとおり、2月、3月につきましては、事業実績報告書が集中する時期でございます。こちらにつきましては、いかに事業者に補助金を、実際お金を交付できるかという、体制につきましては今後、人員も含めまして検討していきたいと考えております。

【石川(裕)委員】 次に、新型コロナ感染拡大防止協力金について伺います。
前回、7月6日の予算委員会で、交付の遅れや委託業者との契約について質疑を行いました。協力金第1弾においては、電話やメール、手紙など、なかなか先方と連絡が取れず、いまだおよそ400件が処理中になっていると承知しています。
私は、今後しっかりと周知を行った上で、どこかの時点で交付に期限を設ける必要があると考えていますけれども、今後の対応について伺います。

【東谷事業者支援担当課長】 現時点で処理が終了していない案件は、書類の追加提出や差し替えなどのお約束をいただいているものの、その後連絡をいただけていない案件ですとか、申請内容の確認をする必要があるのですが、連絡が取れないといった案件が処理中として残っております。
いずれの案件も、委員おっしゃるとおり、現在まで電話、手紙、Eメールなどで複数回の連絡を差し上げておりますが、なかなか連絡が取れないという状況が続いております。
そこで、現在、処理が完了していな案件のうち、長期間にわたり申請者と連絡が取れないといった案件については、改めて申請者に期限を区切った上で、追加書類の送付を依頼する文書を郵送しまして、それでもなお返信がないという場合には不交付通知をお送りするといった対応を行い、10月中をめどに事務を完了できるよう処理を進めてまいりたいと考えています。

【石川(裕)委員】 10月末と交付金期限を設けるとなると、これに不満を持つ事業者の方から県に訴訟が提起されることも予想されます。交付期限を設けることに伴い、どういった訴訟が考えられ、そして県はそれに対してどう対応していくのか、伺いたいと思います。

【北島政策法務課長】 交付期限を設けることに伴い、事業者との間で争いが生じないよう、これまで事業所管課において適切に対応してきたと承知していますが、予想される訴訟の類型を挙げるとすれば、一つには債務不履行に基づく損害賠償請求という民事訴訟が考えられます。仮にこうした訴訟が提起された場合には、協力金の性質や、これまでの対応経過を踏まえ、期限を設けたという県の対応が正当なものであることを訴訟の場で主張、立証していくこととなります。

【石川(裕)委員】 この事業については、しっかりと県の主張して、そういう点での主張はしていっていただきたいと思います。
次に、委託業者との契約の問題です。
第1弾について、仕様書には「受注者は、必要かつ十分な人員を確保した上で、業務量に応じた適正な人員配置を行う」となっていたにもかかわらず、県が職員250名を動員しなければならなかった上に、大幅に業務が遅れ、委託業者とは契約のみ1か月延長し、延長分の契約については協議をしていくという答弁が、前回の予算委員会でありました。この内容は、まずどのようになったのか。
そしてまた、仕様書には、「この業務履行に係る細部事項等について、発注者より協議の要請を受けた場合は、速やかにこれに応じる」というふうに書かれています。業者から契約延長の協議の申入れがあったのか、あった場合は、いつ要請があり、いつ応じたのか、伺いたい。

【東谷事業者支援担当課長】 協力金の交付事務は業務委託ですが、交付が遅れる中で、委員ご指摘のとおり、県職員が審査や電話対応に当たるなど、県の負担が発生をしております。
一方、委託業者は契約期間内に業務が終了せず、期間を延長したことにより、人件費等の経費を当初の想定以上に負担をしていると主張をしているところです。現在、契約書、仕様書などに基づきまして、費用負担等について、法律の専門家にも助言をいただきながら、委託業者と協議をしております。 協議につきましては、契約中から随時協議を進めております。現在も協議中であります。

【石川(裕)委員】 ごめんなさい。そういうことではなくて、前回の予算委員会で、契約の延長のみしたという中で、その前に、この委託業者から申請が遅れていると、そういう中で協議の─遅れて、延長したいということは委託業者からあったのかどうかということを伺っています。

【東谷事業者支援担当課長】 契約の延長につきましては、契約書に基づきまして、事業者から延長の申出がございました。契約書上は、契約期間の延長のみを規定しているものでございまして、その他の内容につきましては、仕様書に基づきまして、両者で現在協議を進めているところでございます。

【石川(裕)委員】 業者から契約の延長の申出があったと今、ご答弁ありましたけれども、いつあったんですか。

【東谷事業者支援担当課長】 本年の6月30日でございます。

【石川(裕)委員】 契約が6月末までになっていて、その委託業者からは6月30日に、7月に契約を延長したいということを委託業者が言ってきたということなわけですね。ということは、委託業者と契約の中で、6月30日までに事業を終えなきゃいけないと。それでもできないから、委託業者は6月30日に来月も契約を延長してほしいと、こう申してきたと。これで、県はこれに応じたということでよろしいですか

【東谷事業者支援担当課長】 お見込みのとおとりでございます。

【石川(裕)委員】 契約の内容を決めずに、契約の期間だけ延長した。そして、その後に協議をする。この契約の延長の仕方に私は問題があったのではないかというふうに指摘をしておきます。
この質問の最後に、産業労働局長に伺います。税を使って委託をする以上、業務の執行責任には透明性が求められます。今後、県民に対してしっかりと説明責任を果たしていただきたい点と、企業支援に関して、再起促進事業の交付決定や協力金についても、事業者への通知や協力が届くまで時間がかかり過ぎています。今後の支援について、迅速な対応を強く求めますけれども、いかがでしょうか。

【山田産業労働局長兼エネルギー担当局長】 まず、県民の皆様に対する説明責任についてですが、現在、委託業者と契約金額等について協議中ですので、協議が整った際には、しっかりとご説明をさせていただきたいと思います。
次に、支援をいち早く事業者にお届けすることについてです。協力金第1弾の支給が遅れた要因としては、提出されて書類の多くに不備があったということが挙げられます。この点につきましては、協力金第2弾の制度設計にいたしまして、制度をシンプルなものにするとともに、提出書類を分かりやすい様式に改善した結果、不備が大幅に減少し、支給も順調に進みました。
次に、補助金の処理に遅れが生じた要因としては、期限終了直前に申請が集中したこと、書類の不備が多かったことが挙げられます。申請件数が想定以上に多かったことに対しましては、審査体制を1補助金としては異例の50名体制に増員をいたしまして、考えられる範囲で対策を講じてまいりました。しかし、書類の不備については、申請書類が複雑で、支給要件も厳格であったことから、申請者にとって分かりにくかったのではないかと考えています。一般的に産業分野の補助金の多くは競争的補助金ですが、今回の補助金は困難に直面している方を救済するため、要件を満たせば支給する、福祉分野の助成金に近いものです。こうした補助金の迅速な支給のためには、申請書類、支給要件の簡素化が必要であると考えています。4月補正で創設した補助金については、国庫補助が入っていたため、国のルールに従わざるを得ず、要件が厳格でございました。一方で、8月から実施している補助金は県単独のものでございまして、要件の緩和が可能であり、実際に途中で補助対象の拡大など要件の緩和を行ってまいりました。
今後、困難に直面した事業者を支援するための単独の補助金を構築するに当たりましては、事業者の目線に立ち、簡素化、それから要件の緩和を行ってまいります。そして、不備を少なくするとともに、スピーディーな審査を行い、いち早く支援を事業者に届けられるように努めてまいります。

【石川(裕)委員】 しっかりお願いをしたいと思います。
次に、新たな観光支援について伺います。
新たな観光モデル創出支援事業費が観光支援で計上されています。この事業は、まずどの地域で実施するのか、伺います。

【三浦国際観光課長】 本事業ですが、観光客の行動変容により生じた様々な課題に対して、解決に向けた提案を県内全域を対象に募集するものでございます。例えば、マイカー利用の増加に伴い、休日の渋滞、混雑が課題となっている箱根地域から、課題解決に向けた提案がされることなどが想定されます。

【石川(裕)委員】 県内観光地においても課題は様々ですので、ぜひ地域地域の課題に合った観光モデルの推進を要望しておきます。
観光支援として、視点を変えて質問しますけれども、川崎市では、コロナ禍の中で小学6年生の修学旅行が中止となり、それに代わる思い出づくりとして、読売ランドを3日間貸し切り、約1万2,000人の子供たちを招待するとしています。私は、コロナ禍で家庭環境や経済状況の変わる家庭もある中で、せめて学校行事を通して、どの状況下の子供も楽しい思い出を残してほしいと考えています。そこで、県内各市町村の小学校の、まず修学旅行の実施状況だけ伺いたいと思います。

【古島子ども教育支援課長】 県内各市町村の小学校の修学旅行の実施状況ですが、本年度は新型コロナウイルス感染症の影響もあり、現段階で域内全ての小学校で中止を決定したのは16市町となっております。

【石川(裕)委員】 次、国際文化観光局に伺いますけれども、例えば県内には遊園地は相模湖や八景島、みなとみらいにあります。そして、コロナ対策も含め、県内各小学校から貸切りバスを利用して、県内で楽しい思い出をつくってもらうことも、新たな観光支援策につながるというふうに私は考えます。コロナ禍で修学旅行が中止になった市町村に対して、例えば川崎市のように遊園地を貸し切るなどの提案や、他県に行けなかった学習旅行を県内に誘致するなどの提案を、県教育委員会と連携して、何ができるかを検討する必要があると考えますけれども、所見を伺います

【渡邊観光企画課長】 中止とした修学旅行に代わる学習旅行を県内で実施していただければ、子供たちが地元神奈川の魅力を再発見する機会になるとともに、県内観光需要の回復につながることも期待できます。
修学旅行に代わる学習旅行の実施については、各学校や市町村教育委員会が判断するものなので、実施する場合には県内の観光施設等を利用していただけるよう、県教育委員会と協力してご案内してまいります。

【石川(裕)委員】 確かに、市町村の教育委員会いうものがあって、そこが決定することは理解をしていますけれども、ぜひ、この神奈川県の子供たち、修学旅行は県内各小学校が行っていますけれども、中止が決まった学校の対応が極力ばらばらにならないように、子供たちの思い出に残る代替の行事検討を、ぜひ市町村の教育委員会に働きかけていただきたい。そして、これは県の教育委員会にも要望しておきます。
最後に、知事に伺います。GoToキャンペーンは来年1月で終了となります。そしてまた、県の地元かながわ再発見推進事業も、予算がなくなり次第終了というふうになっています。今後、インバウンドの回復が見通さない中で、GoToキャンペーン終了後のその先と中期的な観光支援策が必要と考えますが、所見を伺います。

【黒岩知事】 10月8日から、地元からの再発見推進事業を利用した旅行が始まります。この事業は、観光需要の喚起を図るため、県民の皆様による県内旅行を支援するものですが、それにとどまるものではありません。まず、主要な観光地である横浜、鎌倉、箱根以外の観光地への支援を上乗せすることにより、県民の皆様に地元かながわの魅力を再発見していただきたいと考えています。
また、この事業を契機として、観光客を受け入れる側と観光する側の双方が感染防止対策を徹底するという、「新しい生活様式」に沿った観光を周知することにより、コロナ禍でも安全・安心な旅行を楽しめるという機運を醸成いたします。
さらに、9月補正予算案で計上した新たな観光モデル創出推進事業費において、例えばマイカー利用の増加に伴う休日の渋滞、混雑等に対し、IT技術を活用して見える化するなど、地域の主体的な取組を支援していきます。こうした施策に取り組むとともに、中期的には令和2年11月から延長を予定している法人二税の超過課税を活用して、コロナ後にもつながる観光振興に取り組んでまいります。

【石川(裕)委員】 知事からご答弁いただきましたけれども、観光事業は裾野が広いというふうに言われています。ぜひ、各局が連携して知恵を出し合って、さらに県内経済回復に向けた支援のために、継続的な観光施策を求めて、質問を終わります。ありがとうございました。