ポストコロナを見据えた経済施策について
石川】令和4年度予算案では、経済の回復に向けた支援として中小企業支援や消費喚起策がコロナ対策費として充てられている。新型コロナが落ち着きを見せた時点での迅速な支援は大変重要であり、とても期待しているところである。一方で、コロナ禍でのデジタル化の遅れ、非正規雇用対策などの課題を中長期的な観点から積極的に支援することにより、ピンチをチャンスに変えるポストコロナを見据えた「新しい生活様式」につながる経済回復になると考える。
そこで、令和4年度予算案において、どのような課題認識を持って経済回復に向けた取組を編成したのか。また、長期化するコロナ禍への対応の中で浮き彫りとなった、デジタル化の遅れ、非正規雇用対策、人手不足の課題に対して、どのように取り組んでいくのか伺う。
知事】まず、ポストコロナを見据えた経済施策についてです。経済回復に向けた取組に係る課題認識についてです。長引くコロナ禍の影響により、飲食業や観光業、小売り、サービス業などの中小企業は、大変厳しい経営状況に置かれています。そうした中、求人数が求職者数を下回っており、雇用情勢についても、厳しい状況が続いています。こうした状況を踏まえ、県では、中小企業の事業継続や、成長支援に重点的に取り組むとともに、コロナ禍で失業した方などへの就業支援を強化する観点から、予算を編成しました。次に、コロナ禍で浮き彫りになった課題に対する取組についてです。
まず、「デジタル化の遅れ」に対しては、商工会等の支援機関において、デジタル化がもたらす経営上のメリットを、中小企業に普及啓発していきます。また、製造業やサービス業の現場における様々な課題を、データとデジタル技術を活用したDXにより解決する取組を支援し、実用化した新たな製品やサービスを県内産業に横展開することで、中小企業のDXを促進していきたいと考えています。
次に、「非正規雇用」の方への支援としては、「かながわ若者就職支援センター」や「マザーズ・ハローワーク横浜」などでのキャリアカウンセリングを強化するとともに、合同就職面接会やミニ企業相談会などを開催し、正規雇用につなげていきたいと考えています。また、介護やITなどの「人手不足」分野に、コロナ禍で職を失った求職者等をマッチングしていくため、「介護技術」や「情報通信」などの資格取得やスキルの習得を目指す職業訓練を実施していきたいと考えています。
こうした取組により、中小企業の成長を促進させるとともに、県民の雇用環境を改善し、コロナ禍で影響を受けた県経済の好循環を回復させてまいります。