人口減少社会を見据えた県庁の業務執行体制等について
石川】総務省が立ち上げた「自治体戦略2040構想研究会」において、今後の自治体行政のあり方や取り組むべき対応策が検討され、2018年7月に公表された報告書では、生産年齢人口の大幅減少に伴う自治体職員の採用難などを見据えて、より少ない職員で効率的に事務処理をする体制構築が欠かせないと指摘している。そうした中、県は、2019年度末からRPAの導入を進め、昨年度までに23の業務で活用している。こうした業務の自動化やAIの導入などにより業務の効率化を図り、県職員が県民に寄り添い向き合った業務へのシフトを行うなど、将来を見据えた戦略的な人材確保、業務体制の構築を検討し、持続的な県民サービスの維持を図っていくべきと考える。
そこで、人口減少社会を見据え、県による公的サービスが持続的に提供できる業務執行体制等の構築に向けてどのように取り組んでいくのか、所見を伺いたい。
知事】国の「自治体戦略2040構想」では、今後、生産年齢人口が大幅に減少するため、約20年後には従来の半分の職員でも自治体の機能を維持できる仕組みへの転換が必要になると指摘しています。県としても、急激な高齢化を見据え、行政サービスを持続的に提供していくため、質的向上に着目した改革に取り組んでいます。
具体的には、業務の効率化を進めるため、定型的な事務の自動化を行うRPAやAI等のICTを積極的に活用してきました。RPAは、昨年度までに23業務に導入し、今年度、「環境マネジメントシステムの実績集計」など、新たに11業務に導入し、計34業務に対象を拡大しています。また、手書きの届出や報告書等のAIによるデータ化や、会議等の音声データを自動で文字に変換する システムなどにより、作業の効率化を図っています。併せて、全庁コロナ・シフトによる応援体制を組むため、業務そのものの、抜本的な見直しを行ったほか、会計処理など内部事務の見直しも進めています。
一方で、労働力人口が減少する中で、優秀な人材を確保するため、今年度から、受験要件を年齢のみとする「キャリアフリー採用」を行い、新卒の方に限らない幅広い人材を確保する取組にも着手しています。
今後は、コロナ禍で行った事務の見直しを継続するとともに、最新のICTを積極的に活用した更なる業務の効率化を進め、職員が、県民に寄り添った業務に注力できるようにしていきます。併せて、優秀な人材の確保に努め、持続可能な質の高い県民サービスを提供できる体制の構築に取り組んでまいります。