利便性の高い公共交通サービス確保に向けた取組について

石川】近年、運転免許を自主返納する高齢者が増加している上、10代および20代の自動車免許保有率は減少しているとされ、自動車の運転をできない、しない人の人口が急速に増加している。県内における乗合バスの路線退出等にかかる生活交通の確保策については、神奈川県生活交通確保対策地域協議会を設けており、乗合バス事業者から路線退出等の申出があった際、関係者間において、必要な生活交通確保策に係る協議が調うよう事務局としての活動を行うとしているが、この各市町が行う公共交通施策において、事務局としてではなく、市町の課題をより広域的な見地から県が主導的にかかわっていくことが重要と考える。

そこで、県内の人口減少時代を見据え、利便性の高い公共交通サービス確保に向けた取組として、地域公共交通施策に県が主導的にかかわっていくべきと考えるが、所見を伺いたい。

知事】バスなどの地域公共交通は、利用者の減少による経営悪化などにより、安定的な維持確保が厳しい状況にあり、高齢化が加速する中で、誰もが自由に利用できる交通サービスの確保が、ますます重要になっています。県はこれまで、市町村が行う地域公共交通の維持確保の取組が円滑に進むよう、県内全市町村と国、バス協会などで構成する「神奈川県地域交通研究会」などの場を活用し、先進自治体の取組事例の紹介などを行ってきました。

また、今年度からは、同じ課題を持つ近隣の市町が、連携して課題解決に向けた検討を行えるよう、2つの地域で、ブロック単位の会議を設置するなど、市町の取組を後押ししています。 こうした取組により、現在、約7割の市町で、住民の暮らしに不可欠な、交通サービスの確保に資する、地域公共交通計画を策定する動きが進んでいますが、他の市町村においても、早期の策定が望まれます。

そこで県は、計画策定に向け、今後、さらに後押しが必要な市町村を直接訪問し、働きかけを行うとともに、新たにブロック会議を設置し、地域のニーズに応じた幅広い検討を促すことで、より多くの市町村の計画づくりを促進していきます。県は、このような取組により、市町村を支援することで、利便性の高い公共交通サービスの確保を目指してまいります。