民生委員改選期に向けた取組について

石川】令和4年12月、全国の民生委員の改選期を迎える。令和元年に民生委員定数条例が改正されたが、令和3年4月1日現在、800人以上の欠員が出ている。

県は、国に対し、活動実態に見合った活動費の充実、活動しやすい環境づくりを求めているが、負担軽減のための民生委員の業務内容の見直しや依頼内容の整理など、国に対して制度の精査を求めるべきと考える。県民が地域で安心して生活していくために、民生委員の役割は大変重要である。次回改選に向け欠員がないよう、県として積極的に取り組むべきである。

そこで、民生委員の多忙な業務、担い手不足をどのように認識しているのか。その上で、令和4年12月の民生委員改選に向けて、民生委員確保にどのように取り組むのか、所見を伺いたい。

知事】地域のつながりの希薄化や、住民が抱える悩みや課題が複雑化・複合化している中、地域の身近な相談者である民生委員の役割が一層重要となっています。しかし、県内では、民生委員の欠員が生じている地域が多くみられ、担い手の確保に向けた取組が求められています。

県は、これまで、民生委員の年齢制限を撤廃したほか、担い手確保の好事例を市町村と情報共有してきました。また、退職予定の県職員に、民生委員への就任を呼びかけ、「県のたより」に民生委員の活動を掲載するなど、広報にも力を入れてきました。しかし、民生委員は、法律で規定された職務内容が、「必要に応じて、住民の福祉の増進を図るための活動を行う」と抽象的であるため、市町村から様々な役割を期待され、多くの会議へ出席するなど、多忙となっています。また、近年いわゆる8050問題など、相談内容が複雑かつ多様化しており、負担が大きいといった声が、民生委員の方々から寄せられています。

そこで、県では、民生委員が相談を一人で抱え込まないよう、活動の手引きに、例えばケアラーなど、新たな地域課題に対する相談先を掲載していきます。また、市町村に対して、民生委員が出席する会議等の見直しをお願いするとともに、国に対しては、民生委員の業務内容の明確化や整理を要望するなど、その負担軽減に向け、取り組んでいきます。さらに、商工会議所等を通じて、民間企業や自営業者に対して、民生委員について案内し、幅広い世代に就任の声掛けを行っていきます。

本年12月には、民生委員の一斉改選が行われます。県は、こうした取組により、民生委員の確保に向けて、引き続き、市町村と連携して、しっかりと取り組んでまいります。

石川】民生委員改選期に向けた取組についてですが、民生委員の方からお話を伺った際、毎日日報をつけられており、それを月ごとに報告をされていると伺いました。その中で、例えば、民生委員の方にタブレットをお配りするなどして、その日報はもちろん、相談事についての支援先が、タップすればわかるようになるとすごく便利であるというご意見もありました。個々の地域の事情もあるかと思いますが、是非、現場の民生委員の皆さんが支援をする時間を少しでも確保するため、業務のあり方、内容を国に対して要望することを求めておきます。