これからの県内鉄道網整備について
石川】県は、「かながわ交通計画」の改定から10年以上が経過し、少子高齢化や人口減少といった社会構造の変化やコロナ禍に伴う新しい生活様式の定着などの状況に対応するため、今年3月、この計画を新たに改定した。そうした中、横浜市営地下鉄3号線の延伸など、県内の鉄道網整備は現在も進められている。
人口減少など、鉄道を取り巻く環境は変化しつつも、本格的な高齢化の時代を迎える中にあって、鉄道は、高齢者など地域住民の日々の移動を支えるとともに、地域の活性化や県経済のさらなる発展にも貢献するものであり、今後も市営地下鉄3号線の延伸をはじめ、県内の鉄道網の整備を着実に進めていく必要があると考えている。
そこで、鉄道事業を取り巻く環境が大きく変化している中、本県の鉄道網の整備について、今後どのように取り組んでいくのか、所見を伺う。
知事】鉄道は、県内外を結び、地域間の交流を担う重要なインフラであり、活力あふれ、魅力ある県土づくりに向け、鉄道網を整備していくことが重要です。
県は、今年3月に、「かながわ交通計画」を改定し、今後、概ね20年以内に整備が望まれる路線などを位置付けました。そのうち、県内外の広域的なネットワークを形成する路線である、神奈川東部方面線や、リニア中央新幹線については、整備が着実に進められています。
また、川崎市北部と横浜市中心部のアクセスを強化する、横浜市営地下鉄3号線の延伸は、現在、事業着手に向けた手続きが進められており、着実な事業の推進が期待されています。今後さらに、他の路線を事業化していくためには、鉄道事業者に対し、地域で進めているまちづくりの取組をしっかりと伝え、その意義や効果について、理解を得ることが必要です。
また、鉄道の建設には、多額な費用が必要であり、鉄道事業者や地方自治体だけでは、財源の確保は困難であり、国の支援が求められます。
そこで、先ごろ対面で3年ぶりに開催した「神奈川県鉄道輸送力増強促進会議」において、県は、市町村とともに、県内の10の鉄道事業者に対し、直接、まちづくりの進捗等を伝えながら、事業化を要望しました。今後とも、事業化について、様々な場を活用し、鉄道事業者に対して、粘り強く、要望を重ねていきます。
また、財源の確保に向け、国に対し、助成制度の拡充や新たな支援制度の構築等を、機会を捉えて、継続的に働きかけていきます。
県は、今後も、市町村や鉄道事業者と連携し、活力と魅力あふれる神奈川の実現に向け、県内の鉄道網の整備促進にしっかりと取り組んでまいります。