石川】今回の県観光振興計画では、今年度の入込み観光客数の目標を2億378万人とし、来年度以降はコロナ前以上の観光客数を目指している。しかし、外国人観光客受入環境整備や誘致のための予算は、厳しい県財政の中でコロナ以前とほぼ同水準となっている。一方、他の都道府県では観光の振興を図る施策に要する費用に充てるための法定外目的税、宿泊税を導入している地域がある。
そこで、今後、観光客受入環境整備費用をどのくらいと見込んでいるのか。その上で、厳しい県財政運営の中で、増加する観光客に対して宿泊税などの目的税導入により安定した観光財源を確保する取組みの検討が必要と考えるが所見を伺う。
黒岩知事】はじめに、観光客受入環境整備費用の見込みについてです。県は、平成29年に、官民合わせた受入環境整備費用を推計しましたが、これは、東京2020大会等の国際的な大型イベントを見据えて整備する事業を想定し、経費総額の規模感を算出したものです。大型イベントが終了し、コロナ禍を経た現在、国際社会の動向の不透明さや、観光産業の人手不足など、先行きが見通しにくい状況にあります。
そのため、現時点においては、中長期的な費用の推計を行うことが難しいことから、県としては、まずは、現在のニーズに基づき、受入環境整備を着実に実施していきます。
次に、安定した観光財源を確保する取組についてです。
宿泊税等の観光財源については、平成29年に、「神奈川県観光客受入環境整備協議会」が、横浜や箱根への宿泊者の偏在、宿泊事業者の事務負担等の課題から、導入を拙速に進めるべきではないとの結論を出しています。その後、コロナ禍により、観光需要は大きく落ち込み、観光産業は、未だ回復途上にあります。このように観光産業が厳しい状況に置かれている中で、事業者の負担を伴う可能性のある財源確保の議論は、県民、市町村等はもとより、事業者の十分な理解、協力が不可欠であり、これまで以上に、慎重な対応が必要と考えています。そこで、県としては、安定した観光財源の確保に向けては、国の「国際観光旅客税」の地方自治体への配分を、引き続き、国に要望するとともに、本県の実情に応じた財源確保方策について、研究してまいります。
石川】、県内観光客への受益者負担の在り方ですが、研究をしていただくということでありましたけれども、宿泊税以外でどういう研究ができるか私にも、わかりませんけども、是非、超高齢化を見据えた、今後、少子化とか県の人口の減少がある中で、私は目的税導入によって今年度3億8千万計上されている観光振興予算を福祉や少子化対策など県民生活のための方に振り替えることができると思います。是非、幅広く検討いただくことを要望します。