石川裕憲委員 限られた時間ですので、早速質問に入ります。本日は、新型コロナ感染症拡大防止協力金について伺ってまいりたいというふうに思います。まず、新型コロナ感染症拡大防止協力金事業は、飲食店に対し第18弾である令和4年3月21日まで要請が行われ、その要請に対しての協力金受付期間は令和4年5月27日までとなっていました。まず、実質飲食店を対象とした第3弾からの協力金の交付件数及び交付金額は、全体でどのくらいだったのか、確認をいたします。
事業者支援担当課長 飲食店向けの協力金につきましては、令和2年12月要請の第3弾から令和4年3月要請の第18弾までで、約38万5,000件の交付を行いました。その交付額でございますが、合計で5,846億円となっております。
石川裕憲委員 交付件数が約38万5,000件で金額は約5,846億円という、とても大きな事業であったというふうに理解をしています。この申請受付業務は委託事業となっていました。この委託費は、実質1、2弾は除きまして、3弾から18弾まで、この総額はどのくらいであったのか。そして、交付件数は分かりましたけれども、申請件数はどれぐらいあったのか、伺いたいと思います。
事業者支援担当課長 協力金事業の委託業務に関わる費用といたしましては、第3弾から第18弾までの審査業務等に係る委託費といたしまして、約77億7,000万円を支出いたしました。そして、申請件数につきましては、合計で約39万5,000件でございました。
石川裕憲委員 約77億7,000万円の委託費用、これも大きい金額であります。申請件数は39万5,000件ということで、数字上からは約1万件が不交付だったというふうに理解をいたしました。今年3月、産業労働常任委員会の質疑の中で、交付、不交付については、県としての審査が全て終了したという報告がありました。新型コロナの分類が、ゴールデンウイーク明けに5類に引き下げられた中で、以前から常任委員会で要望していました協力金事業に関しての検証、総括というのは行われたのか、まず確認したいと思います。
事業者支援担当課長 協力金事業につきましては、そのときそのとき持ち上がる課題について、限られた時間の中で一つ一つ解決し、全庁的に応援職員も動員しながら実施してまいりました。これまで取り組んでまいりました3年間の業務内容の整理や、振り返りといったことを行うことは大変重要であると考えております。現在、くらし安全防災局が、新型コロナウイルス感染症の対応について、県全体での報告書の取りまとめを行っておりまして、年度内をめどに振り返りの状況を公表できるよう準備を進めております。これに併せまして、これまで3年間にわたり実施してまいりました協力金事業全体の振り返りについても準備を進めているところでございます。
石川裕憲委員 今、最後、準備を進めているということは、まだやっていないという理解でよろしいですか。
事業者支援担当課長 失礼しました。振り返りの作業を進めておるところでございます。
石川裕憲委員 今進めているというところで質問を進めていきますけれども、当時、感染症拡大が叫ばれている中で、協力金の早期交付に対する対応の在り方など、この点について、予算委員会でも質疑をさせていただきました。そしてまた、随意契約を含めた委託事業者の選定の在り方など、検証が必要と考えますけれども、現時点で、選定の在り方についてどのように捉えられているのか、伺います。
事業者支援担当課長 協力金事業全体の振り返りの中ででは、事業者への委託についても検証を進めているところでございますが、第8弾までは弾ごとに受託事業者を選定していたものを、第9弾以降は受託事業者を固定して実施するといった対応を取っております。これによって、それまで弾ごとに協力金の申請に係るシステム等の再構築が必要でしたが、同一の申請システムを利用することができるようになり、申請者の利便性、審査の能率が大幅に向上したと考えております。また、受託事業者の審査に従事する人員を継続的に利用することが可能となったため、安定的な審査体制を整備できたこと、これにより交付までの期間も短縮できたものと思っております。
石川裕憲委員 随意契約で、第8弾以降は同じ事業者がこれを取り扱ったということで、非常にその点はいい点だったというふうには理解します。今後、課題もあったと思いますので、この点については後ほど聞いていきますけれども、まず、その点については理解をいたしました。協力金事務局は、事務局というものがつくられていて、時期によって携わる職員の業務内容、規模を編成して、主に制度設計、委託など業務委託を担うチームと審査業務を担うチーム、そしてまた返還、債権管理を担うチームがあったと承知しています。それぞれのチームに、これまで行ってきた業務内容を整理し、項目ごとにそれぞれの課題の対応をまとめながら検証していくというふうにありましたけれども、現状を確認させてもらいます。
事業者支援担当課長 協力金事業につきましては、県職員による審査と併せ、受託事業者の審査やコールセンター業務、システム構築体制、運用体制を整えてまいりました。県の事務局としても、全庁体制で最大約190名の体制で審査を実施し、また、受託事業者においてもコールセンター、審査体制を随時見直し、協力金の交付迅速化に努めてまいりました。それぞれの業務について、その都度持ち上がった課題やそれの対応については、現在、整理を進めているところでございます。
石川裕憲委員 現在、整理を進めているというところですけれども、今年度中に事業のまとめといいますか、そういうものを局も含めて提出されるということですけれども、それぞれのチームの検証があって、その上で事業全体の検証があって、そして総括があって、その上で今後の対応、そして今後、考えたくはないですけれども、また同じような事案が起こったときに、その対策、体制づくりが求められると考えます。ぜひ、まずは産業労働局の協力金のところは、まず全体的な検証、総括を行ってもらって、議会を含めた県民に対してしっかりと報告をする必要があると考えますが、いかがでしょうか。
事業者支援担当課長 非常に大きな事業でございましたので、協力金事業の検証、全体の検証・総括、重要だと考えております。ただ、全庁部に先行してとかということではなくて、やはり全庁部と併せて、コロナの全体の中での協力金事業という形の公表の仕方にしていくんだろうとは考えております。
石川裕憲委員 その前に、全体のことは分かるけれども、まず産業労働局として、今回は中小企業支援ということもあって、産業労働局が協力金を担ったわけでありますから、まず、この局の中で、どういう協力金の体制であったのか、この検証、これをまず局内でやるべきだと思いますよ。それを今やられているんだと思いますけれども、局内の検証という結果を、まずはこの議会とか県民に報告するということ、なぜ全体と合わせなければいけないんですか。
事業者支援担当課長 協力金事業だけを取り出してやるということについては、あまりそういう観点を持っていなかったのであれなんですけれども、やはり協力金はこうだった、ほかの事業、産業労働局でもほかにいろいろコロナ対応はあったと思うんですけれども、では、あれはどうだった、これはどうだったというような、小出しに出すよりはまとめて出していくと、そういう対応でやりたいと、そのように考えているということでございます。
石川裕憲委員 繰り返しになりますけれども、他局のやっていることを別に報告してくれというか、そういうことをやってくれということではなくて、産業労働局がこれを担っていたわけではないですか。中小企業支援も含めて、コロナ時の担っていたわけですよ。その中の局の中の体制がどうだったのかとか、こういうことを、この局で検証したことをそのまま全体に報告をしていくんだと思いますけれども、分かった時点でそこに合わせるのではなくて、一日も早く私はこの検証と総括が必要だということを、前年の常任委員会からもずうっとお願いをしてきて、要望してきた。そういう中で、産業労働局としてまとまったのであれば、それを先にね、別に委員会に報告し、県議会でも、そして県民に報告することは別にやぶさかではないと思うんですけれども、繰り返しになりますけれども、なぜ、全体と合わせるんですか。
事業者支援担当課長 繰り返しになって大変恐縮なんですけれども、やはり協力金事業のみを抽出しての報告ではなく、産業労働局全体、そして県のコロナ対応全体を足並みそろえてお出しするという形で実施していく、そのように考えております。
石川裕憲委員 これ以上質問しても繰り返しになると思いますので、先に進みますけれども、まず、早く検証・総括をしていただいて、タイムリーな形で、ぜひ県議会、そして県民に報告をしていただきたいと思います。その上で、委託契約について伺ってまいりますけれども、先ほど委託事業者への委託金額が約77億7,000万円であったというふうに伺いました。3弾から18弾までのうち、4弾、5弾は違う事業者で、それ以外は同じ事業者であったというふうに承知しています。本来であれば、委託契約期間内に県と相談を進めながらも、交付、不交付の処理を進めておくべきであったというふうに考えます。第18弾の仕様書、確認をさせていただきましたけれども、この委託期間は令和4年9月の16日までとなっています。この契約期間終了時、9月の16日までで、委託事業者からどのくらいの案件を県は引き継ぐことになったのか。そして、委託契約上、これはどのようになっていたのか、伺いたいと思います。
事業者支援担当課長 今お尋ねの18弾についてですけれども、委託契約期間内に審査が終了せず、受託事業者から県の直営審査に引き継がれた件数は、第18弾は403件でございました。率にすると1.4%でございました。委託契約上は、処理の目標件数というのを定めさせていただいて、その件数になるべく近づけるべく、事業者とは意思疎通を密にはしておるんですけれども、100%達成できなかったから契約違反とか、そういった形にはなってございません。
石川裕憲委員 仕様書を見ると、18弾においては1日1,300件の処理をするような目標数値が掲げられていますけれども、言葉はあれですけれども、例えば難しい案件というのは非常に、18弾までも、17弾までも様々あったと思います。そういう中で、第何弾からかあれですけれども、8弾からでしたっけ、同じ事業者に依頼をしている中で、それまでもね、多分積み上げでそういう事案があったと思うんですよ。そういう中で、仕様書にそれは書かれていないですけれども、そういうことを検討する余地というのはなかったんでしょうかね。
事業者支援担当課長 受託事業者との契約を随時結んでいく中に、例えば契約終了までに何件を処理しなければならないであるとか、何パーセントにしなければならない、そういったものについて、具体的に定めることも手法の一つとは考えられます。ただ、協力金に関しましては、非常にこう、委員も御案内とは思いますけれども、制度が第3弾から18弾まで変わったりすることもあって、我々も混乱しているし、申請者ももっと混乱しているような状態でした。そういう中にあって、特に協力金に関しては、申請の書類の不備が非常に多く、どうしても契約期間中に完了できない案件は発生してございました。そのため、協力金事業では、期間中の1日当たりの目標、先ほど申し上げた1,300件なりを示して、委託事業者には迅速な審査を促してまいったところです。結果として、直営に戻ってくる率というのは、比較的少なく抑えられたのではないかなと考えておるところです。
石川裕憲委員 少なく抑えられたという評価というふうに最後、御答弁ありましたけれども、仕様書を県から指示のあった交付要件を満たしていない申請者には、委託事業者から説明書を行うこととされています。この契約満了である9月16日までに、県として委託事業者にどの程度までの指示を行っていたのか。そして、これだけ1%、これ少なかったという御報告ですけれども、残務処理が残った際の委託金額の減額など、こういう契約の結び方もあったと思うんですけれども、そういうことはなかったのか、確認します。
事業者支援担当課長 委託契約の期間の終了に向けて、委託事業者には随時、委託事業者とは契約期間中、進捗は厳密に管理しながらやっています。大体何件ぐらいが戻ってきそうだというのは、最後のほうには分かってきますので、急いでくれとか、これはどうなっているんだとか、やり取りは続けておる中での1.4%、400件ということでございます。では、400件残ったから減額ということでは、この契約では考えていないというか、定めてはいない、そのような状況でございます。
石川裕憲委員 言葉を選びますけれども、例えば事業者の方が、厳しい案件、多分多々あったと思います。今、県の方がいろいろ担当されている部分ありますけれども、逆に言うと、9月16日まで、やってもやらなくてもあれですけれども、事業者の方は一生懸命やっていただいたと思いますけれども、ただ、結果、やらなくても、結局、この仕様書の中では、全くそれはペナルティーはないわけですよ。ということも含めて、今後、ぜひ次、もしこういうことがあった場合には、こういうことも踏まえた仕様書の作成というものも検討していくべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
事業者支援担当課長 実際の状況について申し上げると、残っている案件が全く手つかずのまま、県直営でよろしくお願いしますというふうに事業者さんから戻ってくるというわけではなく、何度もやり取りして、どうしても期間内には事業者さんの中で終わらなかったものが残って、戻ってくるという形になっています。ただ、100%を目指すべきという、その御意見も分かりますというか、理解はできますし、そのとおりだとも思いますので、今後どういったことが対応できるのか考えてはみたい、そのように考えております。
石川裕憲委員 私も、事業者が全くやっていないということは言っていないです。ただ、県がここはどこまで入っていくかという部分と、委託事業者に任せる部分という部分はあったと思うんですよ、第18弾に来るまでにね。そういうところの検証もしっかりやっていただきたいというふうに思います。そういう中で、当時、全庁コロナ体制を敷いた中で、県職員の方の尽力により、3月までに交付、不交付決定が進められたというふうに理解をします。一方で、この協力金事業には、大変残念ながら不正と思われる請求もあり、返還請求を行っていると承知しています。これは貴重な税金ですから、きちんと返還をしていただかなければいけないと思います。まず、返還請求は現在、どのぐらいの件数と金額になっているのか、伺いたいと思います。
事業者支援担当課長 協力金を交付した後になって、交付要件を満たしていないなどの事由が判明し、返還を要することとなったものは、令和5年9月30日現在で726者で、金額としては約15億4,000万円でした。このうち、607名、約9億8,000万円については、返還済みとなってございます。残りの119者、約5億6,000万円については、返還が完了していない状態となっておりますが、このうち44者については、既に分割納付で返還を開始しており、その他13者に関しましては、支払い督促や民事訴訟で債務名義を取得し、強制執行等を行う段階であるため、先ほど申し上げた119者から、44と13を足した57者を差し引いた残り62者について、引き続き法的措置等を進めてまいりたい、そのように考えております。
石川裕憲委員 約5億6,000万という金額が返還を請求していくということですけれども、件数とか何者とかと、1者の方が2件、3件というのがあるので、件数というところがあるんでしょうけれども、中には行方不明になって所在がつかめないという方もいるというふうに聞いています。また、外国に行ってしまったという方もいるということですけれども、こういう対応はどうなるんでしょうか。
事業者支援担当課長 所在不明の債務者については、今後、訴訟を提起し、債務名義を取得した上で、財産調査等を実施し、強制執行等により回収を進めてまいりたいと考えております。また、日本国内にいないことが明らかであるなど、事実上、債権回収ができない債務者については、一時的に徴収を停止し、出入国管理庁に対して定期的に照会をかけまして、債務者の入国が確認できれば再度請求していく、そういった対応を取ります。
石川裕憲委員 ぜひ回収はしていただきたい、不正は許さないという立場で、しっかりとこれは行っていただきたいというふうに思いますけれども、令和5年度の予算、確認をさせていただくと、約5億6,000万円を回収していくために、協力金等債権管理事業費というのが令和5年度、約6億円の予算が計上されています。この内容を見ると、返還に応じない事業者への催告とか、そういうことが書かれていますけれども、今後、回収に向けた体制を含めた見通しを確認させていただきます。
事業者支援担当課長 債権回収の見通しについてまず申し上げます。債権回収の見通しについては、先ほど申し上げた62者について、今年度中には訴訟について第1回目の裁判までは進めるなど一定のめどをつけたい、そのように考えております。また、次年度も、分割納付に関する債権管理ですとか、判決などが確定したにもかかわらず返済に応じない者などに対する強制執行による回収などにより、今後とも着実に回収していきたい、そのように考えております。
産業労働局総務室管理担当課長 債権回収のための今後の体制でございますけれども、債権回収業務につきましては今後も継続していくというところでございますので、引き続き対応する必要な職員を配置することを考えております。
石川裕憲委員 体制は、必要な人数というのは大体どれぐらいというか、この見通しというのもあると思うんですけれども、やはりこれは産業労働局の中で体制を組んでいくということなんでしょうか。この協力金に関しては、産業労働局が最後まで対応していく、その体制を組んでいくという理解でよろしいですか。
産業労働局総務室管理担当課長 現状で債権回収業務を行っております。引き続き行っておるんですが、またこの先、業務、件数が減ってくるということもありますので、そこは業務量に応じまして体制を進めていきたいと考えております。失礼しました。産業労働局内でまずは体制を構築していくというところで考えております。
石川裕憲委員 協力金が今回たまたま事業として産業労働局が担ったと、最後まで産業労働局が担うということも理解はする一方で、やはり債権という形になると、また違う部局というか、そういうところも、数がどれぐらいかということはありますけれども、そういう局の体制のね。私は常任委員会でも言いましたけれども、産業労働局に関しては中小企業支援、これにぜひ注力をしていっていただきたいというふうに思っていますので、ぜひ、協力金事業というのはもう終わった事業でありますけれども、検証と総括を行って、そしてこの債権に関しては、できれば産業労働局ということではなくて、また違う部局に依頼することも検討していただきたいというふうに思います。最後に、局長に伺いますけれども、新型コロナにより、神奈川県に数年にわたり協力金を交付するという、試行錯誤の大変な事業であったということは理解をします。そういう中で、やはり私は検証を行って、総括があって、先ほども言いましたけれども、10年後なのか20年後なのか分かりませんけれども、こういうことを、今回の経験を生かさなければいけないというふうに思っています。ぜひしっかりと総括を行い、記録として残す必要があると思いますけれども、いかがでしょうか。
産業労働局長 本日、午前中から本委員会におきまして、昨年度までの事業、あるいは今後の見通し等々について様々御質問、それから御指摘をいただいたと思っております。要約すれば、やりっ放しにするなと、しっかり検証していけという御指摘だったというふうに思います。産業労働局、今、御質問いただいた協力金を中心に、県内コロナ禍において産業を守るために必要な対応してきたと思っておりますけれども、神奈川県としては、新型コロナウイルス対策本部全体として、例えば緊急事態宣言、あるいはまん延防止措置、こういったものを本部として決定をし、そして対策を講じてきたというようなことについては、全庁の中で連動してやってきた部分でもございますので、全庁としての検証ともしっかりと足並みをそろえつつ、また、今回この審査の場も検証の一つかと思います。今日、様々いただいた御指摘もしっかりと胸に刻みながら、適切な検証を進めていきたいと思います。また、協力金ですね、先ほど金額なんかも5,800億とか、第1弾、第2弾を合わせるともっとあると思うんですが、そのうち15億ということですから、圧倒的多数の事業者の皆さんが御協力をいただいたと。そういう中で、我々この協力金の不適正受給の問題については、そういったきちんとやっていただいた事業者の皆さんとの信頼の絆でもあろうかと思います。これをきちんとやっていくということが大事なので、引き続き我々としては産業労働局として、不適正受給の問題についてもしっかりと対応しながら、今、委員から御指摘いただいたこれまでの検証というもの、本日この審査の場の様々な御指摘も踏まえながら、しっかり対応してまいりたいと思っております。