石川】次に「かながわブランド」のブランド力向上と地産地消推進に向けた取組みについて伺います。
県の「まち・ひと・しごと計画」では、地産地消の推進が掲げられ、その取組みとして「かながわブランド」の認知度向上が挙げられています。昨年度のかながわブランドの認知度は71.5%でしたが、今後、毎年1%ずつ向上させ、2027年度までに77.0%を目指す目標が設定されています。2024年5月現在、「かながわブランド」には、5月14日に新しく登録をされた「湘南ちがさきmilk」のほか、三浦の大根やキャベツ、西湘地域の湘南ゴールド、葉山牛ややまゆりポーク、湘南しらす、足柄茶など、74品目128の登録品があります。また、3年間での新規ブランド登録数は、10件、抹消数は6件となっています。
この「かながわブランド」の登録には、安定した生産と販売、県内へのアピールが可能な安全性と商品の特徴、一定の品質確保が条件となっています。この厳しい審査条件をクリアすることは容易ではなく、ブランド登録の魅力を高めるには、農業者や生産者が登録することで得られる具体的なメリットを明確にし、その情報を広く周知することが重要と考えます。そして、この厳しい審査条件をクリアしたというブランドそのものを消費者に伝える努力が不足しているのではないかと考えます。
また、地産地消を推進するためには、地域の飲食店やホテル、土産店などで「かながわブランド」の商品を積極的に利用する仕組みを構築することが不可欠です。例えば、地元の食材を使ったメニューの提供や、地産地消をテーマにしたフェアの開催、さらに、消費者への情報発信を強化するために、SNSや地元メディアを活用したキャンペーンを展開することも有効ではないでしょうか。そのほかにも、以前、一般質問で提案を行った教育機関との連携を進め、地元の食材を活用した食育プログラムを積極的に実施することで、子どもたちに地域の農産物の魅力を食で感じてもらい、地産地消の重要性を次世代に引き継ぐことができると考えます。
そこで知事に伺います。直近3年間のブランド登録数・抹消数の結果とその成果をどのように捉えているのか。その上で、「かながわブランド」の認知度向上とともに、ブランド力向上のための取組みを進め、地産地消の推進、地域経済の活性化と持続可能な農業の実現につなげる具体的な取組みが必要と考えますが所見を伺います。
知事】次に、「かながわブランド」のブランド力向上と地産地消推進に向けた取組みについてです。
まず、直近3年間のかながわブランドの登録数と抹消数の結果とその成果についての捉え方です。かながわブランドに登録されると、様々な関連イベントでPRされるほか、販促グッズ作成への助成も受けられます。直近3年間で10件の新規登録があったことは、このようなメリットが生産者に評価されたものと考えています。一方で、生産量の減少などから、6件の抹消がありましたので、現在行っている生産状況の確認に併せ、課題を継続的に把握し、関係機関と連携して対策を講ずることで、登録の継続を支援していきます。
次に、ブランドの認知度向上や地産地消の促進等の取組についてです。コロナ禍で様々なイベントを休止せざるを得ない状況が続きましたが、今後、量販店等の協力も得てイベントを再開するなど、さらなる認知度向上を図っていきます。また、県産品と小売店、飲食店、ホテルなどを結びつけるマッチング商談会に、様々なかながわブランドを一括して相談できるブースを新たに設け、販路拡大による地産地消を促進します。さらに、出前講座やSNSでの発信により、将来の消費者である子供たちにも、かながわブランドの魅力を伝えていきます。このほか、地産地消をテーマにしたフェアの開催など、御提案いただいた様々なアイデアについても、今後の取組に生かしていきます。かながわブランドの振興を通じて地産地消を推進し、地域経済の活性化にも寄与する持続可能な本県農業の実現を図ってまいります。
石川】再質問させていただきます。私は、取り組みの効果を測定するため生産者だけではなく、消費者からもブランド力に対する評価などを確認し、ブランド力向上につなげていく必要があると考えますが、所見を伺います。
知事】かながわブランドについて消費者からの評価を確認し、ブランド力向上につなげることについてのお尋ねがありました。消費者からのブランド力の評価については、今後開催するフェアなどでの聞き取りを行うほか、県産農水産物に関心が高い消費者である、かながわブランドコンダクターにも意見を伺うことで確認をいたします。そして、その結果を関係機関で共有、分析して、今後のブランド力向上の取組に活用してまいります。
石川】今回、消費者に対してのアンケート、コンダクターに意見を聞くなど、消費者側からの意見を収集していただくとの答弁がありました。ぜひ、ブランド力向上に向けた施策強化していただき、それとともに地産地消の推進を図り、持続可能な農業の実現につなげていただくことを求めます。