石川】最後に、コロナ禍を経た学校説明会の在り方と学校紹介動画の効果について伺いします。

先週末の6月15日、パシフィコ横浜において、県内の公立高校が一堂に会する学校説明会「全公立展」が開催されました。私も見学させていただきましたが、今年も約3万3千人が来場され、高校進学を目指す中学3年生とその保護者の皆様の学校選びが始まりました。

新型コロナ禍では感染リスクがあるため、「全公立展」やその後に行われる「公私合同説明・相談会」、各学校での説明会などは、中止や定員制限をしての開催となっていました。その対応策として、私は令和2年6月の代表質問で、学校紹介動画の作成を提案し、これに対し、当時の教育長からは「動画の配信は有効な手段だと考えている。『かなチャンTV』も活用し、各学校のホームページから学校紹介動画を見られるよう準備を進める」との答弁がありました。

新型コロナの影響も小さくなる中ではありますが、学校紹介動画は「全公立展」等で配布されている冊子や県ホームページで紹介されている「輝けきみの明日(あした)」では伝わりづらい、学校内の雰囲気や制服、ジャージのデザイン、部活動の様子、学校の特色などを補完する有効な手段であり、受検生やその保護者にとって分かりやすく伝えることができるツールであると考えます。

その中で、5月20日現在、各県立高校134校の紹介動画の状況を調べてみると、この1年以内に独自で旧ツイッターであるエックスで配信を積極的に行っている学校を始め、 動画が更新されている学校が38校ある一方で、紹介動画がない学校が20校、紹介動画はあるものの作成時から更新がなされていない学校が72校あり、また、各学校ホームページにある「入学希望者の方へ」とのページリンクが切れている学校もありました。さらに、「かなチャンTV」には50校以上の更新されていない動画が残っており、そのルールや方針が不明確となっています。

そこで、教育長に伺います。令和2年に始まった学校紹介動画について、「かなチャンTV」を活用した配信の状況と学校紹介動画の効果についてどのように評価されているのか。また、コロナ禍を経て学校紹介動画の内容と今後の計画を含めた、入学者募集にあたっての学校説明会の在り方についてどのように計画されているのか所見を伺います。以上です。

教育長】次に、コロナ禍を経た学校説明会の在り方と学校紹介動画の効果についてお尋ねがありました。
コロナ禍によって対面型の学校説明会が相次いで中止となった際、中学生に高校の情報を提供する手段として、令和2年に全ての県立高校がかなチャンTVを活用して学校紹介動画を配信しました。あわせて、各学校のホームページからも閲覧できるようにしました。動画の中には、生徒たちが学校の特色や授業の様子を紹介したり、学校生活の楽しさをアピールするなど、中学生に親しみやすいものが多くあります。動画による学校紹介は、パンフレットなどでは伝えにくい学校の雰囲気などを中学生や保護者に感じてもらえる手段として有効と考えています。
こうした中、令和2年の作成後、更新されずに残っている動画や、学校ホームページからのリンクがなくなっている動画も見られます。県教育委員会では、年2回、各学校のホームページを点検し、リンク切れへの対応等を指導していますが、改めて、動画の内容更新やリンクの確認等を促していきます。一方、先週末に約3万3,000人が来場した全公立展をはじめ、夏の公私合同説明相談会や各学校で行っている説明会は、本県における高校選びの貴重な機会として定着しています。県教育委員会では今後も、これら説明会をしっかり継続できるよう、関係機関と連携してまいります。

石川】再質問させていただきます。積極的に動画を配信していくと理解しましたが、質問で申し上げたとおり、これまでも確認をしていたという中でリンク切れや動画更新の数字を述べさせていただきました。まさに、これから受験生やその保護者が学校選択をする重要な時期と考えます。県教育委員会と具体的にどのように各学校の状況を把握・確認するのか所見を伺います。

教育長】次に、学校紹介動画について、どのように把握していくのかというお尋ねがございました。まず、先ほど答弁もさせていただきましたが、県教育委員会では年2回、リンク切れの有無をチェックし、該当があれば、その対応を指導しております。中学生が進路を考える際に、高校のホームページでリンク切れが生じていることは望ましくないと思っておりますので、チェックの頻度を増やすことも検討してまいります。
また、学校紹介動画については、先ほど述べたとおり、極めて有効な手段と考えておりますので、教育委員会としては、学校紹介動画の積極的な活用を引き続き学校に働きかけてまいります。

石川】今回、学校紹介動画を中心に質問をさせていただきました。良い施策として進めたものの、教育委員会として学校任せにするのではなく、リンク切れやアップロード問題など更新支援や技術サポートが必要と考えます。また、説明会については対面とオンラインのハイブリッド形式を導入し、オンライン参加者も質問できる時間を設けるなど、利便性向上と参加機会拡大の施策を求めておきます。