石川(裕)委員 未来の石川です。早速質問に入らせていただきます。今回、神奈川県まち・ひと・しごと総合戦略の人口ビジョンと出生率の向上に向けた施策について、私からは行いたいと思います。
6月の代表質問でも、この内容については質問させていただきましたけれども、その答弁も含めて、その内容含めてお伺いしてまいりたいと思いますけれども、まず、国が6月に示した2023年の人口動態統計だと、女性1人が生涯に産む子供の推定人数である合計特殊出生率が1.20と。その中で、神奈川県の合計特殊出生率は1.13と、前年より0.04ポイント低下し、過去最低の出生率というふうになっています。人口ビジョンですと、最終的には人口置換水準の2.07まで引き上げることが不可欠であるというふうに指摘をされている中で、まず、神奈川県のまち・ひと・しごと総合戦略の中で、これまでに効果があったとされる具体的な出生率の向上策というのはあるのか、伺いたいと思います。

地域政策課長 出生率の向上につきましては、複合的な要因によるものであると考えられますので、具体的にどの施策が直接的に出生率向上に効果があったというふうに特定することは困難だと思っております。これまで神奈川県地方創生推進会議からは、出生率の向上に向けて、子供が欲しいと願う人が、そのことに向き合えるような経済的、労働環境的な環境整備が必要であるといった御意見をいただいてまいりました。現在、県でこのような意見に対して、経済的基盤の安定や、安心して妊娠、出産ができる社会環境整備など、支援策を取っておりますので、こういった取組は出生率向上に効果的ではないかというふうに考えております。

石川(裕)委員 6月の質問の答弁の中で、達成状況を把握することで効果を測定し、有識者からも意見をいただきながら政策改善を図ってきたという答弁がありました。今、御答弁ありましたけれども、なかなかどれがこの策として当たっているのか分からないということですけれども、この答弁で、達成状況を把握する、これはどういう把握をされているのかということと、それを測定している、効果を測定するというふうに答弁があったわけですよ。どういう効果を測定していて、次の政策改善を図ったのかを、具体的に伺いたいと思います。

地域政策課長 県では、神奈川県まち・ひと・しごと総合戦略を策定いたしまして、出生率向上に関する取組とともに、目指すべき出生率について目標に掲げ、毎年度その取組内容とその成果、数値目標、KPIの進捗状況などを把握することで、効果を測定してまいりました。こうした進捗状況、外部の有識者などから、そして公募委員からなります会議におきまして、第三者の立場から評価をいただいて、その結果を幅広く県民の皆様と共有しているという状況でございます。今、委員から御質問ありました効果の測定という意味では、今のような形で行ってまいりました。
そういう意味で、この総合戦略の中では、KPIなどを設定しております。その中で、この総合戦略基本目標3と呼ばれる「若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる」といった取組に関するKPIの達成状況で申し上げますと、例えば、その事業所における育児休業利用者における男性の割合といったKPIですとか、テレワーク導入促進に係る事業を利用した企業のうち、テレワークを導入した企業数などのKPIは、もともとの目標を超えて達成できているという状況でございます。ただ、それが具体的にどれぐらいの出生数の増加につながったかというところの測定というのが難しいというような状況でございます。

石川(裕)委員 今の答弁だとちょっとよく分からないんですけれども、先ほど先行会派でありましたけれども、KPIの数字は確かに分かりますけれども、そうではなくて、実際にこの人口ビジョンの中で、目標が1.42というところ、まずあると。そういうところに対して、毎年毎年施策の展開といいますか、効果を測定してきたというふうに答弁をされているから、私はこれを質問しているんですけれども、それだと、ただKPIに対してどうだったかということであって、実際にその施策が当たっているかどうか、出生率の向上に。そういうあれがない中で、次の来年度、またその来年度という形で施策が決められたということになるんですか。

地域政策課長 総合戦略について検証という話なのかと思うんですけれども、こちらについては、先ほどの答弁で申し上げましたが、外部評価委員が入っている地方創生推進会議で、それぞれの取組についての評価をいただくという形で、今、それに対する御意見等々で、それぞれの取組についての評価を行っているというような状況な対応しているというところでございます。

石川(裕)委員 複合的な要素があるんだということは理解をしますけれども、どういう複合的なところに対して、どんな施策がそれに対して有効かということは、有識者の方もいろいろ御意見はあるとは思うんですけれども、それをしっかりと、やっぱり数字に、出生率という目標数値につなげていくための施策につなげてもらいたいと思います。そういう中で、またほかの御答弁の中で、県が把握している出生率の減少の主な課題というものを御答弁いただいています。その中で、社会的または経済的不安が影響しているという答弁もありました。これは、具体的にどういうことでしょうか。

地域政策課長 今御質問ございました社会的な不安、経済的な不安でございますが、県としましては、若い世代にとりまして、仕事と家庭生活の両立や出産、子育てを行う環境、地域や行政の支援等について、社会的な不安があるんではないかと。また、結婚、出産、そして子育てをする上で、経済的な基盤が安定しないことや、不妊治療費をはじめ、出産や子育てに関する金銭的な負担が小さくないこと、こういったことについてもいわゆる経済的な不安があるというふうに考えております。

石川(裕)委員 今の御答弁に対して、県はどのような対策などを打ったのか伺います。

地域政策課長 具体的に、先ほども申し上げましたが、こういった取組につきましては、総合戦略の中で取組を規定しているところでございまして、総合戦略の中では、子育てを支える社会の実現であるとか、妊娠、出産をされる社会環境の整備であるとか、若い世代の経済的安定と結婚の希望をかなえる環境づくりといった柱を設定しております。例えば、子育てを支える社会の実現という柱の中では、育児のための休暇制度の創設や、男性育児休業取得促進などに取り組む中小企業を支援する取組や、市町村と連携した保育所など、多様な教育、保育サービスの充実といった取組を載せておりまして、また、「妊娠・出産を支える社会環境の整備」という小柱の中では、市町村等と連携した妊娠期からの伴走型相談支援、産後ケアの充実、また「若い世代の経済的安定と結婚の希望をかなえる環境づくり」という柱の中では、市町村と連携した結婚支援などといった取組を実施することとしているところでございます。

石川(裕)委員 そういった様々な、今取組を、今の答弁だとちょっと抽象的過ぎて、時間が限られていますので、細かい施策というのは御答弁いただけなかったですけれども、もともとこの2027年度に目指
している出生率1.42、これは、繰返しになりますけれども、合計特殊出生率、2023年は1.13です、過去最低だった。あと2027年までもう数年しかない中で、これを一気に出生率1.42に上げていかなきゃいけないということを、代表質問の中で、これを目標として目指すんだという御答弁が、再質問の中で知事からされました。改めて、まず、この1.42の根拠、そしてこの目標がどういうふうに設定をされたのかということと、この目標を達成するために、あと数年しかないです。今まで過去最低でずっと右肩下がりで、急に1.42まで本当に上げられるのか、この点について確認したいと思います。

地域政策課長 出生率でございますけれども、まず、結婚や出産、これは言うまでもございませんけれども、あくまで個人の自由に基づく決定であるということだと思いますので、個々人の決定を強制するようなことはあってはならないというふうに考えています。そこで、県が現在目標としています出生率の1.42につきましては、結婚をして子供を産みたいという人の希望がかなえられる場合に達成されるとする合計特殊出生率である希望出生率を根拠としています。なお、現在根拠としているこの希望出生率1.42につきましては、県民への意識調査の結果に基づき算出し、設定した数値となっております。
そして、あわせて、どのように出生率向上に向けていくかという御質問についてでございますけれども、出生率の向上、まさに結婚、出産、子育てを社会全体で支える支援策が不可欠というふうになっておりまして、総合戦略で様々な取組を規定しております。先ほども申し上げましたとおり、そういった結婚、出産、子育てを進めるための取組を進めて、出生率の向上を目指していくというふうに考えているところでございます。

石川(裕)委員 今、御答弁様々いただきましたけれども、今、様々な施策を打った中で、ずっと右肩下がりなんですよ。今の御答弁は、多分今までとあまり変わらない御答弁でいくと、これが右肩下がりというか、これがキープされるか、また右肩上がりになるかというのは、ちょっと分かりづらいといいますか、難しいとは思うんですけれども、そういう中で、この人口ビジョンの改定があるということも御答弁の中であったんですけれども、その場合、皆さんの希望出生率の数字が1.42だったから、目標が1.42だったと。今後改定をすることがあるといった場合に、この1.42という数字は変更される可能性が、例えば、上に上がるのか、下に下がるのか、今のこの経済的な観念からいくと、下がる可能性が高いというふうに思うんですけれども、その点についてはどうなんでしょうか。

地域政策課長 県では、まさに国から示された最新の人口データを踏まえまして、今年度中に人口ビジョンを改定する予定となっております。その改定作業の中で、現在行っております県民に対する意識調査、こちらの結果も参考にしながら、改めて今後目標とする出生率について検討していきたいというふうに考えております。

石川(裕)委員 その目標数値というのは、2027年が1.42。今お話を聞いた中では、数字を変えていくといったときに、今、2027年の1.42、これ、ずっと以前からこの1.42を目指すんだと。そして、均衡の2.07までは目指すんだということがあった、その目標を、いつぐらいに、どういう形で変えるということを報告されるのか、発表されるのか、その点についてはどうですか。

地域政策課長 人口ビジョンの内容については、まさに今、申し上げましたとおり調査等を行っている。また、当然地方創生推進会議の中で意見等をいただきながら、内容について決定していきたいというふうに思っておりまして、人口ビジョンの改定、具体的には年度末までには行いたいと思っておりますので、その段階で御報告をさせていただきたいというふうに思っております。

石川(裕)委員 その中で、多分数字が下がった中で、また新しい施策というのが、予測ですけれども、そういうふうになるのではないかというふうに思いますけれども、まず、もう10年以上この1.42を目指し、2.07を目指すといった中で、この施策の、やはり私は振返りと、施策改善を行ってきたと、有識者から話を聞いて達成状況を把握する、効果測定を行ってきたって報告ありましたけれども、本当にこれができていたのかということを、もう一度検討していただいて、次の人口ビジョンに対しては取り組んでいただきたいというふうに思います。