石川(裕)委員  次に、GREEN×EXPO2027(国際園芸博覧会)について伺います。2027年3月に横浜市で開催予定の本博覧会は、地域経済や観光振興の起爆剤として期待される一方、有料入場者数1,000万人以上の見通しには懐疑的な意見もあります。その点を踏まえて質問をさせていただきます。午前中、先行会派からも質問がありましたけれども、一昨日、博覧会協会が建設費を当初の320億円から417億円になるというような公表がありました。私は、昨年12月の特別委員会で、招致した際、240億円だった建設費が、2021年に320億円になった。そして、今後さらに上昇した場合、県負担はどうなるのかということを特別委員会で質問させていただいたときに、当局からは、現時点で建設費の上昇は聞いていないと。負担割合について、国、地方公共団体、民間が各3分の1、地方分は横浜市と神奈川県ですね、横浜市が5分の4、そして県が5分の1という説明がありました。負担割合は横浜市との協議事項だというふうに確認していますけれども、今回、建設費増額により、報道では6億5,000万円という報道もありますけれども、先行会派の質疑の中で約7億円増額されるということになります。この増額分の財源確保をどのようにするか。先ほどは、今年度の予算には影響はなく、そして翌年度に持ち越されるというような話ありましたけれども、この財源は結構大きい7億円という大きい金額ですので、この見通しと、今後さらに建設費が上昇した場合、県負担分をどのように対応していくのか伺いたいと思います。そしてまた、現段階で、県は、本博覧会に対し、継続費を含めて幾ら予算を計上しているのか伺いたいと思います。

国際園芸博覧会担当課長  博覧会協会からは、今回の会場建設費の変更につきましては、令和7年度予算に影響しないよう、同協会の8年度予算に反映させていくと聞いております。これにつきましては、今後、内容を確認しまして、これに対する対応については検討していきたいと考えております。また、さらに増額された場合につきましては、博覧会協会のほうでは、今回の増加については、例えば今後の物価上昇ですとか、また、その他、例えば災害とか、そういうところに対応する予備費というものを計上しております。そういうところがございますので、博覧会協会としては、今後の会場建設費の総額はないと考えていると、そのように聞いております。また、予算の総額につきましては、これまで会場建設費の補助、機運醸成、あと庭園、ミュージカル等の出展費、催事、また観光のディスティネーションキャンペーンに係る費用で、令和7年度当初予算額、令和8年度までの継続費を含めまして総額34億余万円を計上しています。

石川(裕)委員  ごめんなさい。私の質問で一番最初の財源確保の見通しはどうなっているんでしょうか。

国際園芸博覧会担当課長  博覧会協会については、令和8年度予算に反映すると聞いておりますので、県の令和8年度予算の予算協議の中で対応していきたいと考えております。

石川(裕)委員  今、協会のほうでは、今後、増額はないということを言われているというふうな答弁がありましたけれども、大阪の万博のことも踏まえていくと、直近になってくると、また建設費が上がってしまうんではないかという想定もされるわけです。そのときに、県として、また上がりますからまた5億円ください、また県の負担が増えますというふうになると、やはり、県民にどう説明していくのかということが大事になってくると思うんです。なので、この質問をさせていただいていますけれども、今、総額34億円というお話がありましたけれども、多分、これは当初、私も聞いていた金額ですので、今回増額分の金額というのはこの中に入っていないと思います。そうすると、40億円以上ものお金がこの園芸博に関して県から負担をされている。このことは指摘しておきたいと思います。そういう中で、令和7年度、8年度、県の出展ブースの建設しとして約16億円、そして、その横に博覧会の催事場を共同利用負担金として8億2,500万円計上されています。常任委員会の質疑で、県の出展ブースではミュージカル上演に対応ができないと。県の出展ブースが狭過ぎてミュージカルに対応できないから、博覧会協会と折半で催事場を建設し、そして、この催事場は博覧会終了後に撤去されるという説明が常任委員会の中でありました。そこで、県の出展ブースは狭いから上演できないということでしたけれども、この催事場の共同利用に係る8億2,500万円の負担について、県はどのようにその妥当性を判断したのか伺いたいと思います。

マグカル担当課長  GREEN×EXPO2027には国内外から多くの来場者が訪れることから、本県の出展テーマである「Vibrant INOCHI」を世界に向けて発信するまたとない機会であり、来場者に分かりやすく印象深くお伝えするためにはミュージカルが最も効果的と考えました。そこで、会場の整備費用を抑えつつ、ミュージカルなど様々な舞台利用が可能となる施設を整備するため、もともとステージ建設を計画していた園芸博協会の施設と共同利用することになりました。この施設は、県と園芸博協会が双方で効率的に利用する予定であり、その結果、施設建設費の負担も2分の1の負担に抑えることが可能となるため、約8億2,500万円の県負担は合理的なものと考えております。

石川(裕)委員  協会と折半だから、この建物に関しては約16億5,000万円の建物だというふうに理解をいたします。催事場で上映されるミュージカルには、また別途3億6,300万円の予算が計上されています。この規模や内容をどのように計画されているのか。そして、協会と折半ということですので、これも常任委員会で確認をしましたけれども、期間中、約半年間、博覧会がありますけれども、折半ですから、この催事場を使えるのは90日、そして、そのうちの45日間がミュージカルのライブ上映で、そしてまた45日間は大型スクリーンで映し出す上映だという答弁が常任委員会の中でありました。そうすると、建設費負担を含めて、このミュージカルに約12億円がかかっているわけです。という中で単純に割り返すと、上映1回当たり2,000万円以上になるんです。このコストは私は非常に高額だというふうに思うんですけれども、こうした中で、ミュージカル以外の方法の検討は行われなかったのか。そしてまた、検討された場合は、他の方法と比較した場合の費用対効果の検証はどのように行われたのか伺いたいと思います。

マグカル担当課長  まず、ミュージカルの規模でございますけれども、座席数は500程度を予定しております。ライブにつきましては、1日1回程度を想定しています。フィルムライブにつきましては複数回上演が可能と考えております。ほかの手法との比較でございますけれども、ミュージカル以外の手法としましては、まずせりふはなく、体の動きや音楽などの演出で物語を表現するダンスなどのノンバーバルショーも検討しまして、訴求効果や費用の面から比較を行っております。まず、訴求効果という面では、観客が舞台と一体感や臨場感を感じやすく、せりふも字幕表示で多言語化しやすいミュージカルが年齢や主要言語の違いを問わず、より効果的であると考えました。また、費用負担の面でも、例えばダンスのみとした場合、費用は3分の2程度に抑えられますけれども、ミュージカルは演劇、音楽、ダンスが複合しまして、子供から高齢者、障害者も一堂に参加が可能であり、本博覧会のテーマの一つである共生社会の実現を表現できることから、より効果が高いと判断したものでございます。

石川(裕)委員  今の御答弁だと、ミュージカルありきではなかったのかなと思わざるを得ない部分も少し感じます。時間がありませんので次の質問にいきますけれども、有料入場者数が1,000万人の目標に対して、前回、ドーハで行われているんですけれども、開催時の実績はどの程度だったのか。そしてまた、この入場料収入というものが県には直接入らないというふうに認識しています。これまでも建設費のお話をさせていただきました。そしてミュージカルの事業費のことも伺いましたけれども、投資としたら、回収と言ったら言い過ぎですけれども、県民還元をどのように考えているのか。そしてまた、園芸博の県内の経済波及効果について、今回、県がこれだけお金を出すわけですから、横浜市以外の地域へどのように波及させていくのか、具体策を伺います。

国際園芸博覧会担当課長  ドーハで国際園芸博覧会の入場者数につきましては、422万人であったと承知をしております。また、どのように県民に還元していくかというお話ですが、環境農政局のほうからお答えをいたします。県の出展のうち、庭園及び屋内展示施設の建設や花などの調達は県内の事業者に発注するとともに、来場者に県内各地への周遊を促し、県内消費の拡大につなげることなどによりまして、県内の皆様に還元していきたいと考えております。

マグカル担当課長  ミュージカルの事業費の還元について、文化スポーツ観光局からお答えいたします。ミュージカルの出展を通じ、広く「Vibrant INOCHI」の理念を共有し、理解を深めることは、将来にわたり環境を守ることにつながっていき、これは県民の皆様にとってかけがえのない財産になると考えております。また、ミュージカルの制作段階から県民の皆様に参加いただく機会を通じて文化芸術のすばらしさを多くの方に体現してもらうことで、将来の文化芸術の担い手や観客層の育成にもつながっていく効果も期待できます。こうしたことにより、今後の本県の文化芸術のより一層の振興につなげ、将来にわたって県民の皆様に文化芸術という財産を還元していきたいと考えております。

石川(裕)委員  今、40億円以上の県税が使われることが想定される中で、県の波及効果の今の御答弁というのは少し残念な部分もありますけれども、最後に知事に伺います。基金を取り崩すほど、来年度、厳しい県財政の中で、対費用効果や施設建設、そしてまた事業の妥当性をしっかりと検証して、必要に応じて、県民への説明責任を果たすべきと考えますけれども、所見を伺います。

黒岩知事  1都3県で初の万博であり、国内外から多くの来場者が見込まれるGRREN×EXPO2027は、県政の基本理念である命輝く「Vibrant INOCHI」を広く発信する絶好の機会であります。県の出展内容の検討に当たっては、訴求効果や費用の妥当性なども考慮しながら行ってきており、先日、博覧会協会からの要請のあった会場建設費の増額についても、その内容を確認し、対応を検討することとしています。そうした中で、効果的な基本理念の発信に向けては、観客と演者が同じ空間を共有し、一体感を得られるミュージカルがメッセージを伝える最適な手法と考えており、ステージについては、博覧会協会を整備する催事場を共同利用することで、県の建設費用を半分に抑えるなどの工夫をしております。もともとミュージカルと言い始めたのは私であります。かつての大阪万博の中で、私は中学生でありましたけれども、しょっちゅう通いました。あのときに一番印象に残っていたのが、宮城まり子さんがやっていたミュージカルショーだったんですね。その思い出はずっと残っております。万博の思い出の中で一番大きな印象があったのが、それだったということです。せっかくのこの機会に、我々の「Vibrant INOCHI」というメッセージを世界に発信するチャンスだと。文化というものはこういうものであります。多様な県民の皆様、特に子供たちがこのGRREN×EXPOに関わることで、いわゆる貴重な経験をレガシーとしていくことで、将来に向けた人材の育成といった大きな効果につながるものと考えております。さらに、出展を通じて、本県の魅力的な産物や観光地などをしっかりとPRすることや、多数の県内事業者に出展していただくことで県経済の活性化につながるといった効果も期待できます。今後とも、費用負担も含めた事業費の妥当性にも配慮しながら、みんなで盛り上げ、みんなでつくり、みんなが参加する万博として、様々な機会に県民の皆様に県の出展の効果を実感していただくことで県の説明責任を果たしてまいります。

委員長  石川委員に申し上げます。既に持ち時間を超過しておりますので発言をまとめてください。

石川(裕)委員  終わります。ありがとうございました。