石川(裕)委員 質問の最後に、再委託等の透明性の向上に向けた取組について伺ってまいります。 私たちは、これまで県の委託事業の見える化について質疑を重ね、決算特別委員会の資料として新たに作成をしていただくなど、見える化の姿勢について一定の評価をさせていただいています。しかし、本質的な問題は委託事業の内容であります。そうした点で質問を行ってまいりますけれども、先日の総務政策常任委員会で、県の委託事業について受託した事業者が、再委託や再々委託をする場合の共通ルールといったものが明確に定められていないという当局からの答弁がありました。この委託事業については、私たちの会派から湘南国際村の宿泊療養施設運営業務委託や新型コロナ抗体保有状況調査についての再委託、再々委託や、その際の個人情報の保護といった視点で質疑を行ってまいりました。まず、問題事例となった湘南国際村の件について、事実関係と現状について伺います。
篠原医療危機対策本部室長 令和2年4月23日に緊急随契により契約した湘南国際村センターにおける宿泊療養施設運営業務委託について、県に事前に協議がなく受注者が再委託契約を結びまして、その再委託業者が、さらに業務の一部を他の業者に再々委託したという状況がありました。本件については、県からの指示により再委託・再々委託を解消し、受託者自らが業務を行うように改めてもらいました。 現状は、施設の借り上げ及び施設の運営について県から湘南国際村センターに包括的に委託しておりますので、湘南国際村センターから施設の運営業務について再委託承諾願、これが出されておりまして、これを承認しているという状況でございます。
石川(裕)委員 今、御答弁いただきましたけれども、先に進めますけれども、その中で、先ほどの質疑の中でありました県の宿泊療養施設のことですけれども、宿泊療養施設において、資料を確認すると変動費というものと固定費というものがあります。 変動費は、先ほども御答弁があったとおり、どのホテルにおいても5,500円というふうに設定をされています。しかし、固定費のほうは、見てみると7,200円から1万9,470円までばらつきがあって、突出して高いのが湘南国際村なんです。この理由は何でしょうか。
篠原医療危機対策本部室長 湘南国際村センターが高い理由ですけれども、この施設は通常のビジネスホテルを借り上げるという形になりますが、湘南国際村センターは国際会議もできるような形で、他の施設ではない会議室が幾つもありまして、そこも含めて借り上げていますので、部屋数で割り返すと他の施設よりも固定費が高くなっているという状況でございます。
石川(裕)委員 そういう答弁が来ると思ったので調べましたけれども、新横浜国際ホテルも同じように宴会場とかを持っているのです。でも新横浜国際ホテルは、こんな1万9,000円もなっていないんですよね。これはどういうことでしょうか。
篠原医療危機対策本部室長 新横浜国際ホテルにつきましては、客室の棟と、あと宴会の棟、これが別々になっていまして、宿泊療養施設の借り上げに当たっては一棟借り、一つの施設ごとに借り上げなさいという国の指示が来ていますので、新横浜国際ホテルの場合は全く別の場所に宴会棟があるので、通常のビジネスホテルスタイルの部分だけ借り上げている。そういうところで下がっているという状況であります。
石川(裕)委員 本館・南館という形で確かに分かれていますけれども、では宿泊棟だけ借りているからこの値段だということだと理解をいたしました。そういう中で、次に再委託事業について伺いますけれども、先般3月1日の総務政策常任委員会で、我が会派の質疑の中で、令和2年度の知事部局における委託契約件数は約9,500件であると。そしてその際、再委託、再々委託に関する実態調査について、検討会において調査の内容等を検討し、来週の早い段階で調査を行うことができるよう準備を進めていくという答弁でありました。本日時点で調査を開始されているのか伺います。
浦邊政策局総務室長 3月9日に検討会から知事部局の各局に対して依頼をしております。
石川(裕)委員 3月9日に開始されているということですけれども、この調査は、委託事業の再委託等についてはもちろんのこと、個人情報の取扱いについて、再委託先等にまでコンプライアンスが守られているのかといった点も重要であります。全庁的な調査と承知していますけれども、具体にどのような調査になるのか、そしてまた今年の6月までに報告をしたいとしていますけれども、各局に対して、いつまでに回答を求めているのか伺います。
浦邊政策局総務室長 この調査は、知事部局におきまして、令和3年4月1日から令和3年12月31日までに支出負担行為を行った250万円以上の委託事業のうち、調査研究委託や、例えばイベントのように、イベントの企画から実施まで委託するような場合、そのような事業について多岐にわたる業務や要素が含まれていまして、再委託が行われることがこういう場合は多いので、そういったものについて想定されるものの委託事業につきまして対象にして実施しております。 ただ、再委託等の確認方法が定められています工事系の委託、それから施設等の管理委託、廃棄物処分委託等は除いております。 主な調査内容といたしましては、再委託等を行う場合に、事前の承認等を要することが契約書に定められているか、再委託等が実際に行われたかの把握状況、それから委託事業における個人情報の取扱状況などのほか、これらに関して日頃各局が考えている課題など伺うことになっております。
石川(裕)委員 調査を行った上で再委託等のルールづくりに向けた検討を6月までに進めるということですけれども、これから新年度を迎えて新たな委託事業も始まる中で、再委託等について何らかの対応を行う必要もあると思います。 これについては、さきの総務政策常任委員会において、再委託について、これまで個別に指導してきた内容を取りまとめた上で全庁に周知をする予定とのことだったと承知しています。具体的にどのような内容を周知するのか伺います。
長野指導課長 調査研究委託やイベントの企画実施などの委託契約における再委託等の取扱いについて、全庁に周知する内容でございますが、大きく3点ございます。 1点目は、委託業務の全部について一括して第三者に委託するといった、いわゆる一括再委託は禁止されているということ。2点目としまして、業務の一部について、合理的な理由により再委託を認める場合には原則書面により事前に承認をすること。3点目は、受注者が発注者である県に対して負う義務について再委託先にも遵守させるとともに、再委託先の行為については受注者が発注者である県に対し責任を負うことです。 なお、こうした扱いについて、契約書または仕様書に明確に記載することについても周知してまいります。
石川(裕)委員 その周知の徹底をお願いしたいと思いますけれども、今後検討する再委託等の透明性の向上や個人情報の保護に関して、外部有識者による検討会などの実施の予定があるのか伺いたいと思います。
浦邊政策局総務室長 先ほど、御質問の中で、調査の回答期限について、お答えが漏れておりましたので、回答期限は3月30日までとしているところです。ただ、現在、全庁コロナ・シフトをしきましてコロナ対策に当たっているところですので、こうした作業に関係するところにつきましては、業務を圧迫することのないように、柔軟に期限については対応したいと考えているところです。また、今、御質問のありました外部有識者による検討会の実施などにつきましては、今回の再委託に関する検討会につきましては、現行制度の取扱いについて実態調査を行った上で課題を整理して、実務的な改善事項について部局横断的に検討して、できるだけ早く対応をしたいというものでございまして、外部の方による検討会は予定しておりませんが、今回の再委託等の検討に併せまして、個人情報の保護に関しても検討していくことにしておりますけれども、これにつきましては必要に応じまして神奈川県情報公開・個人情報保護審議会がございますので、その御意見を聴くことなども考えております。
石川(裕)委員 今、3月30日までというコロナの対応もあるのでと、日にちのほうもおっしゃっていただきました。外部有識者のことも言っていただきました。 今、個人情報のほうに関しては、外部委託といいますか、そういう検討会のほうに聴くというのは、それはいつ頃行われるんですか。
浦邊政策局総務室長 通常、必要に応じて年間何回か行っております。そういった機会を捉えましてやりますけれども、今回6月までという話もありますので、これに合わせた形のスケジュールを考えていくということで思っております。
石川(裕)委員 6月までということで今、動いているわけですから、ぜひそこをきちんと委員会のことも6月までに、外部有識者の部分、個人情報の保護のことについてもやっていただきたいというふうに思います。 あと、コロナのことで、一応3月30日で、いろいろあるのは理解もしますけれども、4月1日から新たな新年度が始まるわけですから、ある程度、やはり理解はしつつも、3月30日というこの期限をぜひ全庁的に守っていただきたいというふうに思います。 そういう中で、私たちはこれまでも透明で公正なルールづくりとともに、県民の皆様の見える化についても様々議論をしてきました。 今回、再委託等に関する透明性の向上に向けた検討を行っていくということですけれども、再委託等について県民の皆様に見える化という視点ではどのように考えているのか伺いたいと思います。
浦邊政策局総務室長 まず、今回の検討会では、発注者、委託元である県といたしまして、再委託等が行われる場合につきまして、委託事業全体の実施体制をしっかりとまず把握いたしまして、必要に応じてコントロールしていくことができるように実態を踏まえた仕組みやルールを検討していこうというものでございます。 こうした検討を行い、県が再委託等を把握していく仕組みを県民の皆様にお示ししていくことで、見える化につなげていきたいと考えているところでございます。
石川(裕)委員 お示しの仕方というのは、具体的にどういうことなんですか。
浦邊政策局総務室長 いろいろありますけれども、仕組みにつきましては、まずは県民の代表である議会のほうに御報告するというようなことが一つ考えられます。
石川(裕)委員 まず議会に報告をしていただくということは理解をいたしますけれども、私たちはこの再委託、委員会の中でも申し上げていますけれども、やはり県民の皆様が県に対して疑念を持たれないように、個人情報の保護もありますけれども、そういう視点で私たちは議論を重ねてきています。県民の皆様に見える形で、今こういう状況だということをぜひ進めていただきたいというふうに要望いたします。 最後に知事に伺います。今回、知事部局を対象に個人情報を含む再委託等の実態調査を行った上で、課題の洗い出し、そして改善に向けた検討が行われるということでありますが、それが県民の皆様に、先ほども申し上げましたけれども、説明責任を果たすことができる実効性ある改善が強く求められると考えます。知事の認識を伺います。
黒岩知事 委託事業が多様化していく中で、受注した事業者が専門性や特殊性の高い業務について、再委託や再々委託により効率的に対応するケースも多くなってきました。県としては、こうした再委託等を含め、適正に委託事業が行われるよう、より実効性、透明性の高い仕組みをつくっていくことが大切であると考えています。今回、局横断的な検討会を設けましたので、まずは庁内の委託の実態を調査し、再委託等の透明性の向上に向けて具体的な改善項目を洗い出します。その上で、個人情報保護の視点も含め、現場の実態を踏まえた改善方策を検討していきます。そして、6月までには検討結果を取りまとめ、県民の皆様に公表するとともに、再委託等の運用の改善に取り組み、実効性、透明性を高めてまいります。
石川(裕)委員 今、知事から御答弁を頂きましたけれども、最後、要望させていただきますけれども、委託事業として民間の力を借り、そしてより県民サービスの向上に向けた取組を行う中で、再委託、そして再々委託に関して、私たちは県民の皆様に、繰り返しになりますけれども、御理解いただけるような透明性、そして公正性が必要だというふうに考えて、そのルールづくりの必要性を求めています。少し余談になりますけれども、その他の委託事業に関して、例えば協力金の申請の受付に関わる委託事業の随意契約になっていたものの、1年11か月にわたり公表されていなかったという点がありました。私たちは、この随意契約が悪いということではないです。1年11か月にわたり公表されていなかった、この点を会派として指摘をさせていただいています。協力金、私たちも、私もこの地元を回っている中で、大分一番最初のときよりも協力金の入金、着金が早くなった、こういうことも伺っています。そういう中で、随意契約が悪いということじゃなくて、公表をしていなかった、このことを指摘をさせていただいています。故意に非公表としたわけではないとしていますけれども、いち早く交付するための委託事業者との随意契約には、やはり透明性が必要であり、だからこそいち早い公表が必要だったんではないかということを申し上げています。この点を指摘しておりまして、あと、今回、全体の新型コロナの対応が長期化する中で、県民の命と暮らしを守る新しい日常に向けた予算であるというふうに知事は言っています。記者会見等でも話されています。 繰り返しになりますけれども、新型コロナの対応は3年目となっています。 医療提供体制の維持、そして経済のエンジンを回す取組、昨日も経済の話をさせていただきましたけれども、まさに新しい日常に向けて、知事におかれましても、先ほどの先行会派でもありましたけれども、3期目最終年となる令和4年度となります。 ぜひ、会見で述べられた県民の命と暮らしを守るための実効性ある、そして県民の目に見える実効性を求めて私の質問を終わります。ありがとうございました。