石川裕憲議員 質問の第6は、民生委員の担い手確保です。本年12月は民生委員の改選期に当たります。3年に1度のこの改選期に向けて、ぜひ欠員の解消に向けて、県としても積極的に取り組んでいただきたいとの思いで質問をいたします。県の第2期「かながわグランドデザイン」の中でも、民生委員、児童委員など地域福祉の担い手の育成が掲げられております。民生委員は、高齢者や障害者の支援、介護を初め、子育て支援、ひとり親家庭の支援、家庭内暴力、いじめなどの相談に応じ、行政や専門機関への橋渡し役も行う業務や、ひとり暮らしの高齢者の家庭訪問による孤独死の防止や、児童虐待の早期発見などへの期待など、多岐にわたり、これだけ多忙な業務は、ほとんどボランティア同然といってよい民生委員にとって、大変重労働であると推察されます。まちには必ず1人いらっしゃる身近な相談相手となる民生委員は、高齢社会を迎える中で、地域福祉のかなめとして役割は重みを増す一方です。県では、民生委員に対する研修などを実施していると承知しております。民生委員の育成も大変重要でありますが、残念ながら、その前の段階である、委員のなり手不足が各地で進行しております。私が住む川崎市では、前回の改選時の定数1,598人に対し、122人が欠員となり、充足率は全国政令市の中で最下位という残念な結果となっています。

一方、県域を見てみますと、政令市・中核市を除く市町村は、知事が推薦した民生委員候補者を、厚生労働大臣が審査の上、民生委員に委嘱するとされており、平成27年4月に施行された民生委員定数条例においては、定数を3,992人としています。しかし、現在活躍をされている民生委員の方は2月1日時点で3,931人と、欠員が61人発生している状況です。一方、同じく2月1日時点での民生委員の平均年齢は65歳と、5年前の62歳に比べて、徐々に高齢化が進んでおります。高齢化への対応も考えなければいけない問題です。ただし、一昔前に比べて、地域には元気な高齢者の方もたくさんいらっしゃいますし、例えば、定年退職した方で、今後は地域に貢献したいと思われる方もふえていると伺いました。知事が年頭の記者会見で、今年は人生100歳時代の設計図を考えていく年にしたいとおっしゃったように、そうした方々に対し、生きがいや社会貢献といった選択肢の一つとして、民生委員として活動していただけるように、この業務の大切さや活動紹介など、広報を積極的に行うことも大切であると考えます。県民が地域で安心して生活していくために、民生委員の役割は大変重要です。次回改選に向けて定数に対する欠員がないよう、県としても積極的に取り組むべきと考えます。

そこで、保健福祉局長にお伺いいたします。民生委員の多忙な業務や担い手不足についてどう認識し、地域の担い手としての民生委員の確保に向けてどのように取り組んでいくのかお伺いをいたします。

保健福祉局長  民生委員の担い手確保についてお尋ねがありました。民生委員は、住民からのさまざまな相談に応じながら、援助の必要な方を行政や適切な福祉サービスにつなげるなど、住民福祉の増進を担う地域のキーパーソンです。しかし、核家族化が進み、地域社会のつながりが希薄化する中で、民生委員の方々からは、自分たちの役割が住民に十分認知されていない、支援が必要な方の情報が得づらいといった声を聞いています。また、近年、住民の課題も複雑、多様化するとともに、高齢者や障害者、生活困窮者などへの支援制度が毎年のように改正されています。このように民生委員の活動の困難性や負担感が増す中で、担い手の確保が厳しい市町村もあると承知しています。そこで、県では、各種支援制度の解説や日々の活動に役立つ情報を盛り込んだ民生委員活動の手引の作成や、助言、相談のノウハウを学ぶ研修などの支援を行っています。また、その役割や活動を住民に知っていただくための広報や、民生委員への情報提供の充実について市町村へ働きかけるなど、民生委員が活動しやすい環境づくりを進めるとともに、国に対して活動費の増額を要望しております。こうした中、今年の12月には、3年に1度の民生委員の全国一斉改選が控えています。地域には高齢でも元気な方もたくさんいらっしゃいますので、県としては、候補者を推薦する市町村がより幅広く人材を集められるよう、現在、75歳未満としている年齢制限の撤廃など、選任要件の見直しを検討したいと考えています。また、担い手確保の好事例などを共有するため、市町村や民生委員との情報交換の場を設けます。さらに、広報面でも充実を図るため、県のたより1月号に地域の身近なサポーター、暮らしを見守る民生委員という企画記事を掲載したところですが、今後も民生委員の方がやりがいを持って活動できるよう、広報に力を注いでまいります。   県としては、こうした取り組みを通じて、地域福祉の最前線で活躍される民生委員の担い手確保に向けて、市町村とともにしっかりと取り組んでまいります。私からの答弁は以上です。