DSC_93534.宿泊税などの導入による観光安定財源の確保について(知事へ)

県は、観光振興計画で掲げた2018年に2億人という目標設定に向けて取組を加速させるとしているが、急増する観光客に対し、設備や案内の面で整備が追いつくのか危惧している。

現在、宿泊税については東京都や大阪府で導入が進み、最近では京都市で導入が検討されており、県でも神奈川県観光客受入環境整備協議会の中で検討されてきたことは承知している。

県は、平成30年度歳入見通しを800億円のマイナスと発表し、今後も厳しい財政状況の中も厳しい財政状況の中、中長期的な視点で「観光客の誘致」と「受入環境の整備」を推進していかなければならず、さまざまな事業を継続的かつ安定的に進めていく、急増する観光客に対し十分なおもてなしをするためにも安定した財源が必要である。

そこで、県として、受益者負担の考えからも、観光に資する設備等の整備を急ぐ観点からも宿泊税などの観光振興に特化した目的税を導入すべきと考えるが、所見を伺いたい。

知事答弁】

今後、観光振興による地域経済の活性化を図っていくためには、国内外からの観光客を、神奈川に着実に誘致することが重要である。このため、県では、県観光振興計画に基づき、「観光資源の発掘・磨き上げ」や「戦略的なプロモーション」、「観光客の受入環境整備」という3本柱で、様々な観光施策を積極的に展開している。

中でも「観光客の受入環境整備」は、今後、ラグビーワールドカップなどを控え、様々な事業を官民が連携しながら、積極的に取り組んでいく必要があり、多額の経費を要することが想定されます。そこで、県では今年1月に、観光客の受入環境整備について、関係する事業者団体や市町村、有識者等に幅広く協議していただく、「神奈川県観光客受入環境整備協議会」を設置した。

協議会からは、「神奈川県は、横浜市と箱根町に税源が偏在しているため、東京・大阪型の宿泊税の導入を拙速に進めるべきではない」等のご報告をいただいた。県としては、新たな税を導入する際には、県民や事業者の皆さんの十分なご理解が不可欠であり、丁寧な検討や調整をしていく必要があると認識している。

一方、現在、全国知事会の研究会では、法定外目的税だけではなく、法定任意税や普通税なども含め、様々な論点で宿泊税の議論が進められている。受入環境整備については、当面、国の補助制度の有効活用やICT技術の導入などにより、費用の圧縮を図りながら推進することとし、観光のための財源確保策については、全国知事会の議論も注視しつつ、引き続き検討を行っていく。

石川】

京都市は市として宿泊税を導入することを検討されている。私は市町村ごとに宿泊税を導入することになると、あちらの市はいくら、この町はいくらとかえって、県に訪れる方が混乱してしまうと考える。であるなら、広域行政である県が、財源確保を行うべきであると考えるし、県財政が非常に厳しいといわれる中で、私は、一定程度の受益者負担というものをお願いすべきだと考える。全国知事会、国の動向を見据えてということではあるが、是非、安定した財源確保をお願いしたい。