石川(裕)委員
先行会派からも質問がありましたが、神奈川県の環境基本計画について、まず伺ってまいりたいと思います。
具体的に大きなところを伺いたいのですが、環境基本計画とかながわグランドデザインの関係性を教えていただきたい。
環境計画課長
 神奈川県の環境基本計画は、かながわグランドデザインを補足する個別計画として位置付けられております。この考え方に沿いまして、県として環境施策を位置付けてございます。

石川(裕)委員
このかながわグランドデザインの122ページ、環境から見ていくと、目標とされているものが、環境基本計画と同様なものと認識しているのですが、環境基本計画の方が後で、先に県はグランドデザインを立てたということなのでしょうか。
環境計画課長
 委員御指摘のとおりでございます。

石川(裕)委員
それを踏まえまして、まず環境基本計画から伺ってまいりたいと思います。
環境基本計画の中で、様々な数値目標が立てられています。この数値目標の立て方というのを今一度確認させていただきたいのです。例えば、2ページの地球温暖化への対応ですと、2015年度の実績が61.3%、そこから2016年度から2020年度まで、2%ずつ上がっています。この2015年度から2016年度だけは、何か5%近く数値が上がっていますが、まず、この2%ずつ2020年度まで上がっている、この目標数値の立て方を教えていただけますか。
環境計画課長
 この2%上げていくということは、明確な数字の根拠があるというものではないのですが、この削減目標を達成するということは非常に大事なことであります。削減目標を達成していくこと自体がなかなか困難な状況でございます。そういったことを考えますと、2%ということを努力目標として、この数字を設定させていただいているところでございます。

石川(裕)委員
そのほかのところ、4ページ、5ページ、いろいろありますが、目標の立て方で、前年度より減少、前年度より削減、そういうような表記もあります。そういう中で、先ほどの先行会派からの答弁の中で、10年後の姿を目指して、この環境計画を立てているのだという御答弁がありました。
例えば、前年度より減少、適正処理の推進について、若しくは生活環境の保全というところで、先ほど先行会派からも質問ありましたが、PM2.5自動車排出ガスの全国平均値というのがあります。一つ進めて質問しますが、前年度より削減若しくは減少とされている、この目標の立て方、10年後は、神奈川県として、どういうイメージをされているのですか。前年度より削減というところは、2020年度、10年後と言いますが、これは5年後のどういう姿をイメージして、この目標は立てられたのですか。
資源環境推進課長
 まず、4ページの不法投棄等の残存量のところでございます。
いずれも前年度より減少を目標としております。これについては、まず不法投棄等については、新たな不法投棄を起こさせない、それとさらに、過去から残っている既存の事案についても少しずつ減らしていくということで、残存量を少なくするという目標を立てております。
また、不法投棄等の場合、数値目標を仮に策定した場合ですが、そのレベルまでであれば不法投棄が許容されるという誤解される可能性もございますので、目標値の設定はしないことといたしました。
大気水質課長
 PM2.5のことについてお答えいたします。
PM2.5については、まず環境基準を満足することが基本の目標となります。この環境基準は、1立方メートル当たり15マイクログラムが年平均値の環境基準となっております。
2015年度の実績数値は、1立方メートル当たり13.8マイクログラムと、当初目標としようとしていた、年平均値の環境基準の15マイクログラムをもう既にクリアしています。
目標設定に当たっては、環境基準を継続的に満足することとすることも当初考えたのですが、環境基準の15マイクログラムという、結果的に実績数値を下回る数値を置き、これを満足することでよしとするだけではなく、少しでも現状より改善していくことを目標とした方がよいと考えまして、ここでは前年度より削減と目標を置いております。

石川(裕)委員
それぞれ御答弁をいただきましたが、もう一度確認させていただきますが、目標数値は5年後ですが、神奈川県はどういう姿なのか、10年後、神奈川県は環境計画の中でどういう姿になのか、これを県民に伝えていかなければいけないと思っています。計画の中でイメージされている神奈川県というのはどういうものなのか、もう一度確認させてください。
環境計画課長
 環境基本計画につきましては、先ほどもお答えいたしましたが、基本目標が次世代につなぐ、いのち輝く環境づくりということで設定しております。10年後の姿としては、この基本目標が達成できる、皆さんが達成したと感じられるような基本目標で設定しております。計画の基本的な方向性につきましても、それぞれこの考え方に沿って取り組むことによって、この基本目標が達成できるという形で、県としては10年後達成できる形にするということで想定しております。

石川(裕)委員
私の質問の仕方がいけないのかもしれないのですが、この目標数値の結果ということではなくて、達成されることがベストであることは十分分かっているのですが、例えば2ページの大規模排出事業者の割合がありまして、これが74%になったときに、神奈川県はどういう状況なのか、どういう環境になっているのかということが、県民が知りたい部分であると思うのです。たまたま数字が5年ですから、10年先を見据えてこの環境計画はつくられたということなのですが、次世代につなぐ、いのち輝く環境づくりでは具体的に分からないと私は思います。
具体的に環境基本計画を達成するために御尽力をされている中で、環境計画が10年後達成できました、だから神奈川県はこういう環境を維持しています、若しくはこういう環境に至っていますという、そういう具体的なイメージを教えていただきたい。
環境計画課長
 環境基本計画では、10年後の目指す姿ということで、ここには明確に記載させていただいているところでございます。
具体的に申し上げますと、事業者や県民など全ての主体がそれぞれ率先して、再生可能エネルギー等の利用や省エネルギーの取組を行い、温室効果ガス排出の着実な削減が進んでいること、それから将来的には、今世紀後半に温室効果ガス排出量と吸収量が均衡するように目指すパリ協定の目標を踏まえて、事業者や県民など全ての主体がそれぞれの立場や責任に応じた貢献をする、こうしたことを10年後の目指す姿としております。

石川(裕)委員
目的は、もっと具体的に、私は県民の方に分かるイメージが必要だと思います。その点は、今後、5年が過ぎたら、2020年度の後のまた5年後、計画をされると思います。その時点で、もう少し県民に分かりやすい形の計画をつくって、表現をしていただければと要望をさせていただきます。
そういう中で、数字の目標を掲げるということは、私は非常に大事なことだと思います。各部で、例えば4ページの資源の循環的利用の推進でいえば、2015年度は実績がなくて、2016年度から1%ずつ、2020年度は50%で、ほかの、その隣の5ページのところの里地里山のところでいけば、2016年度は4,800人から100人ずつ、4,900人、5,000人、5,100人という形です。この目標のほかのところは具体的に環境計画をまとめられる、課があると思うのですが、それぞれこれ数字が上がってきたときに、どのような目標に対してどうだというような、そういうキャッチボールはなかったのですか。
環境計画課長
 各課から決められた数値目標については、議論をしておりますし、また環境審議会等においても、この目標数値の設定の妥当性についても議論をしていただいているところでございます。

石川(裕)委員
かながわグランドデザインの評価のところにもつながってきますので、後で質問させていただきます。もう一点、質問させていただきますが、2016年度の実績数値が入っている目標と、今入っていない目標があります。12項目が今ここにありますが、この2016年度の数値が入っているのは5項目、あとの7項目はいつごろ数字が出るのでしょうか。
環境計画課長
 それぞれ数字のデータが把握できる時点は異なりますので、把握でき次第、速やかに公表につなげていくということになります。

石川(裕)委員
当常任委員会で質疑をこれからしていく中でいけば、今年度内に、当然、数字は全て出てくるという理解でよろしいでしょうか。
環境計画課長
 はい、今年度内に全て提出される予定でございます。

石川(裕)委員
始めて2年目というところもありますので、実績数値がないと、なかなか質疑が重ねられない部分もありますので、それぞれ出てくる期間は違うということですが、分かった時点で、早めにこの委員会にもお知らせをいただければと思います。
環境計画課長
 環境基本計画につきましては、進行管理を行うことになっておりますので、その中で進捗、現状と点検報告書の作成、こういった中で2015年度の数値についても皆様方にお示しをしたいと考えております。

石川(裕)委員
最後に、要望・意見になりますが、目標の計画について、分かりやすいものであることということが私は前提であると思っています。目標の数字を立てることは、非常に私は大切だと思います。ただ、その結果、どういう神奈川県であるのだということをもっと県民に周知といいますか、こういう県を目指しているのだということを具体的にもう少し示していただければと思います。この質問を終わります。