石川(裕)委員
私からは、第4款環境費、第8款農林水産業費の里地里山の保全等について、質問します。私が住む川崎市麻生区は、川崎市内で最高の緑被率がありまして、まだまだ多くの農地や山林が残されている地域であります。そして、その麻生区の黒川という地域では、農協の大型直売所があって、連日車が渋滞するほどの人が訪れて、新鮮な野菜、果物を買われており、また、まだ自然が残っていますので、そこに散策に来る方たちも多くいらっしゃる地域です。そういう中でこの主要施策説明書を見ますと、里地里山の認定協定活動団体に対して、支援を実施しているということで、何点かお伺いします。
まず、この認定協定活動団体支援事業費補助として、714万1,000円を執行したとありますが、この補助についての予算と、その予算に対する差額があるようであれば、教えていただきたいと思います。
農地保全課長
認定協定活動団体支援事業費補助ですが、平成26年度予算額が722万8,000円です。したがいまして、決算額との差額が8万7,000円生じていますが、これは一部の活動団体が、活動のフィールドに予定していた一部の土地所有者との協定締結のための調整に時間を要したため、補助金を使用しなかったというものです。
石川(裕)委員
では、この平成26年度で補助を受けている活動団体というのは、まず幾つあるのか、そしてその活動団体の補助金がどのように使われて、その効果について、県はどのように捉えているかということをお伺いします。
農地保全課長
平成26年度に補助を受けた活動団体の数ですが、18団体あります。補助金は、チェーンソーや刈り払い機の購入の一部に使用された他、刈り払い機などの燃料や替え刃、機械の補修費、苗や肥料などの農林地の保全に必要な経費として使用されている他、保全している農林地を活用しまして、農作業の体験や生き物調査の観察会などを実施しており、講師料や案内はがき代、また、観察会の観察記録用紙などの経費の一部として使用されています。
補助の効果ですが、活動団体の方から資材をそろえることができ、大変有り難かったという御意見や、燃料費や苗代、種代及び農機具を借りたときの謝礼など、毎年必要な経費に補助が使えて助かっているという御意見を頂いており、活動を継続的に行うためには、一定の効果があったものと評価しています。
石川(裕)委員
その里山の保全活動に一定の評価があったということですが、これからも保全活動が各地に広がっていくと思います。平成26年度現在では18団体ですが、これ以降増えていく可能性というのはあるのでしょうか。
農地保全課長
今後の見込みですが、相模原市や厚木市などは独自に里地里山保全等に関する条例を定めておりまして、県と協調して里地里山の保全活動を推進していこうという市町村、また保全活動が行われているものの、県の条例に基づく里地里山保全等地域の選定を行っていない市町村もありますので、こうした市町村への制度説明や、地域の話し合いの場への専門家の派遣などに取り組み、毎年一、二団体ではありますが、確実に活動団体を増やしてまいりたいと考えています。
石川(裕)委員
毎年一、二団体増やしていくという中で、予算も当然右肩上がりになると思われますが、その1団体に対して、大体平均してどれくらい補助が出ているのかお伺いします。
農地保全課長
予算の規模ですが、なかなか予算が厳しい状況ですので、現在の予算を維持しながら、活動を継続していきたいと考えております。
平均の補助額ですが、1団体当たり大体約40万円程度となっています。
石川(裕)委員
そうすると、団体は増えていく、でも予算は増えないとなると、今の団体は減らしていくのですか。それとも、次の団体に対しては補助額を減らしていくということですか。
農地保全課長
団体は増えていくことになりますが、補助金は今のベースを保って、若干は増やしていこうと考えております。予算が限られているという中で、県が支援を行っている活動団体に対しまして、活動団体の中で運営の経費の一部を賄うことができるように、将来的に補助に頼らない活動へと促していくということも必要かと考えています。
石川(裕)委員
補助に頼らないということは、独立独歩でこれからはやっていきなさい、県はそういう方向で進めていきますよということと思いますが、その団体にはもう伝えたのですか。
農地保全課長
補助に頼らないということではなくて、予算が限られていますので、県では平成26年度から補助を受けて5年を経過している団体への補助単価を8割に減じています。
その一方で、活動団体が抱えている課題に対しまして、里地里山の保全等に見識のある専門家を派遣しまして、団体の現状把握を行った上で、活動の課題解決に向けたアドバイスを行うという取組を進めています。
石川(裕)委員
この里地里山を守るということは、非常に大切なことだと私自身も思っています。麻生区に私は住んでおりますが、川崎市においても緑が多いということで、本当に子育て環境も非常に良いですし、この麻生区に住んで良かったと思っています。そういう中で、現場の皆様の声をお伺いすると、以前は竹を切って燃やして肥料にすることができたが、今はその竹を燃やすことができないため、それを刻んでというのですかね、細かくして産業廃棄物として費用を掛けて出さないとならない。片方では緑を守らなければいけないが、でも片方ではそうやって費用が掛かってしまう。それで今度は補助金を減らして、独立独歩でやっていくように努力をしていただきたいというところでいくと、その団体に負担を掛けすぎるのではないかと思います。是非、予算を多くとるということを目指していただきたいと思うのですが、その点についての所感をお伺いします。
農地保全課長
たしかに活動団体からは、高齢化だとか費用によってなかなか活動が継続できないというお話をお伺いしています。そのような中で、県の予算は限られていますが、活動団体の方からの御要望にお応えできるように、精一杯頑張ってまいりたいと考えています。
石川(裕)委員
是非その活動団体、遊んでいるような活動団体ではなく、しっかりとやっている活動団体には、しっかりと予算面でもそういう支援をしていただきたいという要望を申し上げまして、この質問を終わります。