石川(裕)委員) 私の最後の質問は、神奈川県のグローバル教育について質問をさせていただきます。
 平成29年度の当初予算の中で、横浜国際高校がバカロレア認定校を目指すための予算案が提案されています。県のグローバル教育の観点から質問をさせていただきますけれども、まず、平成29年度予算案にグローバル化に対応した先進的な教育の推進として7,566万円の予算が組まれています。平成31年度に横浜国際高校でのバカロレア認定校を目指すための設置準備として、539万円が計上されています。その中で、海外の国際バカロレア校への研修派遣もあります。では、この研修派遣について、具体的にどのくらいの期間、何人くらいの先生がどこにくのか伺いたいと思います。
(小宮高校教育課高校教育企画室長) 研修派遣につきましては、オーストラリアのバカロレア校に2カ月程度、2名の教員を派遣する予定です。

石川(裕)委員) 続いて、横浜国際高校バカロレアコースを新設するために、今後、校舎の新設を予定されています。この予算はどれぐらいなんでしょうか。
(小宮高校教育課高校教育企画室長) 校舎の新設に係る基本実施設計費につきましては、平成28年度の9月補正予算でお認めいただきまして、5,162万4,000円で業者と委託契約を締結いたしました。実際の工事費につきましては、設計から発注する手続の中で決まってまいりますので、現時点ではどのくらいの額になるかお答えすることは難しい状況であります。

石川(裕)委員) 校舎の大体の予算というのはわからないんですか。
(小宮高校教育課高校教育企画室長) 他県の例でございますけれども、国際バカロレアの認定を受けている東京都立国際高校の増築等建設工事では、延べ床面積2,200平方メートルで約9億円の予算が計上されております。
 横浜国際高校は約1,620平方メートルを予定しておりますので、床面積からしますと東京都よりは経費は安くなると考えております。

石川(裕)委員) 校舎を建てる費用も含めて、これからバカロレアの認定を受けて、そして進めていくという中でいけば、そういう費用がまずかかるということは認識をしました。そういう中で、横浜国際高校で実際にバカロレアコースがスタートした場合、1学年25名前後というふうにされていますけれども、それはなぜか伺います。
(小宮高校教育課高校教育企画室長) 国際バカロレアのプログラムにつきましては、世界標準のプログラムでありまして、少人数展開を想定したものであるということで、まず1学年1クラスで25名程度を予定しております。
 国際バカロレアでは、グループディスカッションや課題論文の指導等を多く行うことから、25名が適当と判断いたしました。また、先行校におきましても、こうしたことから20名から25名程度の規模で実施しております。

石川(裕)委員) 今度は私立の学校でありますけれども、当初予算案に私立の学校への支援として、国際バカロレア推進事業費で500万円が新規に組まれています。同じく今までも私立学校国際バカロレア認定取得支援事業が組まれて、来年度も120万円の予算が計上されています。この予算の違いというのは何でしょうか。
(秋山私学振興課長) 今年度同様に来年度も120万円を計上している私立学校国際バカロレア認定取得支援事業費は、国際バカロレア認定に興味を持っている高等学校等に対して、既に認定を受けている学校の協力を得て、認定に向けて授業公開や情報交換等を行う事業費でございます。
 国際バカロレア認定に向け、学校は関心校から候補校、そして認定校と段階を踏んでいくのですが、今までの120万円に加え、新規の500万円の予算案は、候補校に対して認定までにかかる費用の一部を補助するものでございます。

石川(裕)委員) 先日、横浜市鶴見区にあります法政大学女子高校がこのバカロレア認定を受けたと発表がありました。また、2018年度から高校名も法政大学国際高校に改名して、共学になることもあわせて発表されています。今、そういう支援をされるということなんですけれども、神奈川県内での私立高校で、このバカロレアを導入、検討されている高校というのは、ほかにどれぐらいあるんでしょうか。
(秋山私学振興課長) 国際バカロレアに関心を持ち、検討をしている学校法人、学校は、情報共有等を目的に設立されました国際バカロレア・デュアルランゲージ・ディプロマ連絡協議会、こちらに参加するようでございます。この国際バカロレア・デュアルランゲージ・ディプロマ連絡協議会のホームページに、平成29年2月23日現在の参加校リストが公開をされております。法政大学女子高等学校のほかに、公文国際学園中等部・高等部、聖ヨゼフ学園、学校法人白鵬女子学院、鶴見大学附属中学校・高等学校の四つの神奈川県内私立高等学校、学校法人が連絡協議会に参加しております。

石川(裕)委員) 今、四つの私立高校が協議会に名前を挙げられているということですけれども、この私立高校でも、今バカロレアの認定校を目指して手を挙げているということであります。私立高校においては、学校の独自性や特色を打ち出して生徒募集をする、そして教育をしていくということだと思います。厳しいこの今の県の予算編成の中で、前回の予算委員会でも、なぜ公立高校でバカロレアを進めなくてはならないのかということを伺いました。では、今回あえて私立高校のバカロレア認定の支援に予算を計上したのは、なぜでしょうか。
(秋山私学振興課長) 県内の私立高校では、特色を持った教育の一つとして国際バカロレアの認定取得を目指している学校がありますが、国際バカロレア認定は国が推進し、県もグローバル人材の育成に取り組むこととしております。そこで、県は認定取得までに申請や教員の研修などに多額の費用がかかることから、その一部だけでも支援することによって、しっかりと認定取得できるよう後押しをすることといたしました。

石川(裕)委員) それでは、ちょっと公立高校に戻りますけれども、まず先行して今、法政大学女子高校がバカロレア教育を進めていくことになります。今までは、ご答弁等々の中でインターナショナルスクールで研修や情報交換、情報の収集を行われてきたということを理解していますけれども、今後、この先行する法政大学女子高校との連携をどのように考えているのか、伺いたいと思います。
(小宮高校教育課高校教育企画室長) これまで、インターナショナルスクールや他県の国際バカロレア認定校との情報交換を行ってきましたので、法政女子高校とも情報交換や教員研修などにおいて連携を図り、よりよい教育課程の開発などを目指していきたいと考えております。

石川(裕)委員) 最後に、教育長に伺います。
 今後、私立高校も何校かバカロレア認定校を目指すとしています。実際にもう2018年度、法政大学女子高校が募集をスタートいたします。そういう中で、先ほども申し上げましたけれども、公立高校でバカロレア認定校を目指す意義、そして思いを改めてお伺いいたします。そしてまた、卒業した後の生徒が、私は卒業して終わりではいけないというふうに思っています。例えばですよ、経済的な理由で公立高校を選択する生徒さんがいたとすれば、これはやっぱりその先を見据えて、しっかりとしたフォローが必要だと思います。その点についてもあわせて伺いたいと思います。
(桐谷教育長) まず、公立高校でバカロレア認定校を目指す意義でございますが、社会のさまざまな要請や時代のニーズ、それに応えて高校生に多様な教育の場、これを用意していくことが、私は公教育の役割というふうに考えております。今、社会を見ましても、これからますますグローバル化が進んでいく中、その中で、国際バカロレアを公立高校に導入をしていく。一つは、やはり神奈川の子供たちに幅広い進路の選択肢、そして学習機会、これを提供していくということ。もう一つは、国際バカロレア認定校の成果を横浜国際高校だけではなくて、県内の県立高校あるいは市立高校、そうした県内全体に広げていくことによって、県立高校におけるグローバル教育のレベルアップを図っていくこと。決して1学年1コース25名のためのバカロレアではなくて、県立高校で学ぶ生徒全員がその恩恵を受けることができる、そうしたことだろうと思っております。
 あと、進学に向けたフォローの話でございますが、海外大学ヘの進学はもとより、現在、国内の大学でも国公立、私学、バカロレアを資格として受験で使っているところもあります。そうしたきめ細かなやはり進路指導、これは大切と。もう一つ、経済的なということでいけば、現行の高校生奨学金の中で、国家資格等の取得を目指す生徒に対して貸付金の加算制度を設けております。こうした中で支援ができないか、検討してまいります。

石川(裕)委員) 終わります。