石川(裕)委員
 私からは、神奈川県まち・ひと・しごと創生総合戦略の具体的な取組の基本目標の一であります県内に仕事をつくり、安心して働けるようにするというところの観光産業について、まず伺ってまいりたいと思っています。
 予算委員会、一般質問、決算特別委員会で観光振興について様々な質問をさせていただきましたが、今回は県内に仕事をつくるという視点から、どのくらいの仕事が生まれたのか伺いたいと思います。
観光企画課長
 産業の大分類で見ますと、産業観光という産業の分野はございませんで、観光関連の産業は非常に裾野が広く、宿泊業や飲食サービス業、土産物店など、観光に直接関わりのある分野だけではなく、交通事業者などを含めた多種多様な業種が関わりを持っているものでございます。観光関連産業としてどこまでの業種を捉えていいのか、観光振興施策の直接の効果が多種多様な事業者にどの程度影響を与えるか、正確にはかることは難しいと考えられます。しかしながら、本県の観光消費総額は、入り込み観光客数の増減によって影響が出ますが、平成26年は約9,600億円で、平成27年は1兆993億円と増加傾向にあります。こうした消費が雇用につながって、仕事が生み出されていると考えてございますし、また2年置きに出ています経済センサスで見ますと、観光と関連が深い宿泊業とか飲食サービス業につきましては、平成24年と26年の比較で見ますと、増減率で104%、従業員数でございますが、26年、28年で比較すると101%となってございまして、目線が変わりますが、運送業、郵便業という分類がありまして、その分類では、24年と26年の比較では105%、26年と28年の比較では101%と増加しているところでございまして、全体の入り込みの従業者数の増加率と比べましても、いずれも増加率が高いという状況がございますので、こういったところで仕事が生み出されているのではないかと考えてございます。

石川(裕)委員
 今も答弁にありましたが、一般質問、予算委員会等々もそうなのですが、観光産業は裾野が広いから広く貢献しているというような答弁がたびたび繰り返されています。実際に裾野が広い、そういう数字も具体的に上げられているのですが、これだけ仕事が生まれたのだという取りまとめは、どこがやるのか。
総合政策課長
 今回この総合戦略という観点に関していうと、私ども総合政策課の方で取りまとめをさせていだいていますが、今委員からの御指摘というのは、観光産業を通じて、どれだけの雇用が措置されるかというような観点で、より幅広い視点なのかなと思います。そういった意味からすると、産業労働局で雇用関係も含めてやられておりますので、そちらの方になるのかと受け止めているところでございます。

石川(裕)委員
 なぜこういう質問をしたかというと、具体的な取組とか、目標を立てられるのですが、結果はどこが負うのですかということなのです。
 目標を持っていろいろ計画を立てたられるのはいいのですが、最終的にどれぐらい雇用が生まれたのか、今日は観光のことについてお話をさせてもらっていますが、観光産業の振興によって、どれだけ雇用が生まれたのか、これについても予算が付いているわけですが、この雇用に対しては予算は付いているのですか。
観光企画課長
 我々は観光振興をするための予算を付けているものですので、雇用に対しての予算は付いています。その予算によって、一定程度の雇用が生まれていると先ほど申し上げましたが、そういった意味では、雇用が生まれているということがございますので、予算が付いていないか付いているかというお話であれば、雇用に対する予算は付いていると考えてございます。

石川(裕)委員
 一定程度の雇用は生まれているという、その一定程度というのが、どれぐらいか分からないわけです。だから、10人でも一定程度、1,000人でも一定程度、1万人でも一定程度、ここの捉え方をきちんとしないと、今回、観光産業の振興についても県税が使われている中で、基本目標で県内に仕事をつくるのだという目標があるのであれば、そこに対してもきちんと答え、計画が立てられるべきと私は思うわけです。だから、観光産業振興について、100人雇用が目標なのか、1,000人が目標なのかというところなのですが、実際に箱根町に今どれぐらいホテルとかサービス業とか求人があるのかと思ったら、100件以上はあるのです。湯河原でも17件、ハローワークだけで調べれば、それぐらい雇用はあるのですが、逆に人がとれていないのです。その点についてはどうお考えですか。
観光企画課長
 なかなか雇用と事業がマッチングしていないというお話だと思うのですが、観光産業、特に宿泊の部分で厳しいということは、箱根の観光協会のお話でもあるようでございます。
 そういった部分で厳しいということは承知してございますが、それに対する観光サイドとして、どういった形で取り組んでいけるかというのは御答弁できるものを持ち合わせておりません。

石川(裕)委員
 部局で違うのかもしれないですが、この雇用をつくるという基本目標が一つあるのであれば、クロス・ファンクションではないですが、いろいろな部局と話をして、雇用をどうするのかということもやはり入れていかなければいけないのかなと思っています。
観光企画課長
 経済効果という意味で、試算したものがありますので、ここで追加させて御答弁させていただきます。
 観光庁が発表しています平成27年の県の観光消費額総額を使いまして、経済連関表に基づいて観光消費が県内の経済にどのような消費効果があるかということを試算してみますと、平成27年の県の観光消費額総額、先ほど申し上げましたが、1兆993億円という消費総額がございまして、この連関表に入れ込みまして計算しますと、県経済への影響額というのは、1次波及効果でございますが約1兆2,000億円あります。それと2次効果で約2,000億円程度ございまして、合計で約1兆4,000億程度の試算、これは生産誘発額になりますが、そういうのがございます。
 これに基づきまして、この1兆4,000億円誘発されることによる就業者数につきましては、1次効果としては約15万人、2次効果としては1万人ということで、16万人ぐらい雇用効果がこの消費額に基づいて出るのではないかという状況でございます。

石川(裕)委員
 やはり雇用を生むということと、仕事をつくるということは、すごく大事なことですし、それが県内の経済活性化にもつながっていくと思います。今、雇用で箱根が困っている。ほかの地域も宿泊関係のことで困っているというところに対しては、横のつながりも併せて行っていただきたいと思います。
 続きまして、先行会派でもありましたが、観光プロモーションの推進について伺ってまいりたいと思います。
 外国人観光客誘致に向けては、様々ほかの委員会、一般質問などでさせていただいておりますので、今回は国内観光客の誘致促進について少し伺ってまいりたいと思います。
 国内観光客誘客促進事業費、これに約2,000万円予算が付いていますが、これは具体的にどういう事業をやられているのでしょうか。
観光企画課長
 この国内観光客誘客促進事業につきましては、大きいところでは、高速道路を活用したプロモーションの事業とか鉄道事業者と連携しましたプロモーションの事業、あと動画のコンテスト、観光動画のコンテストなどを行っているところでございます。

石川(裕)委員
 一昨年の予算と比べると、大分減額をされているのですが、これが減額をされた理由というのは何か分かるのですか。
観光企画課長
 高速道路のプロモーション関係で削減がされました。あと事業の移管も一部していますので、前年度比較の上で減額になっているところでございます。

石川(裕)委員
 今話がありました高速道路を活用したプロモーション、これは具体的にどのようなことをやられているのでしょうか。
観光企画課長
 圏央道、新東名が開通というか一部開通したり供用開始されているところがございまして、自動車を利用する観光客をターゲットとしまして、観光ガイドブック、これはクルップというガイドブックになりますが、車トラベルという造語をつくりまして、クルップというガイドブックを、今年度は年3回発行しまして、NEXCO東日本とNEXCO中日本高速道路のサービスエリアに、特に県外のサービスエリアにこのガイドブックを置かせていただいてPRをしていくというものでございます。

石川(裕)委員
 そのクルップというのは大体どれぐらい作られていて、具体的にどのサービスエリアに置かれているものなのですか。
観光企画課長
 年3回作る予定になっておりまして、夏と春が2万部ずつ作りまして冬は1万1,000部、合計5万1,000部作る予定でございます。それで、置かれていますサービスエリアにつきましては、圏央道、東北道、常磐道、関越道、新東名のサービスエリアとパーキングエリア12箇所に置かせていただいて、具体的に申し上げますと、圏央道では狭山のパーキングエリア、東北道では蓮田のサービスエリア、羽生のパーキングエリア、佐野のサービスエリア、常磐道は守谷のサービスエリア、関越道につきましては高坂のサービスエリアと三芳のパーキングエリア、新東名につきましては駿河湾沼津サービスエリア、静岡サービスエリア、清水パーキングエリア、浜松サービスエリア、岡崎サービスエリアに置いてございます。

石川(裕)委員
 たくさんのサービスエリアに置かれているということが分かりましたが、実際には、2万部春、夏で作っている。では1サービスエリア大体2,000部あるかないかというぐらいだと思います。実際にこれを手にとられて、当然サービスエリアで全部なくなるのが一番ベストだと思いますが、この辺の在庫管理というのはどのようになっているのですか。
観光企画課長
 道路会社と連携してやっていますので、道路会社でお願いしているところでございまして、これから作るのが春の分なので、夏の分でお答えしますが、8月で作った分は全部なくなったと御連絡をいただいております。

石川(裕)委員
 手にとってもらって、神奈川県に来てもらうというのが、目的の事業だと思うのですが、夏号では具体的にどのようなものが掲載されていたのですか。
観光企画課長
 夏号ですが、夏は湘南地域を中心にPRをしていこうということで、その地域の観光スポットを提供させていただいているということでございます。それと、その観光地域にございます例えば優待を受けられるクーポンみたいなものを付けさせていただいているということでございます。

石川(裕)委員
 やはり外国人観光客の誘致も大事だと思いますが、国内の観光客誘致というのも非常に大事だと思っています。私もこの間、長崎に行かせてもらったのですが、そのときに外国客船の誘致を長崎は非常に積極的にやられていまして、年間で300日以上外国の船がくるということで、結果、いろいろな外国人の方がいらっしゃるので、日本の方が同じ場所、同じ観光地に重なったときに、もっと落ち付いて観光したかったという場所もあるわけです。
 そういう中でいくと、やはり外国人観光客の誘致も大事ですが、国内の観光客にも、是非そうやって取り組んでいただきたいと思いますし、サービスエリアに置くのも大事ですが、高速に乗ったらどこに行こうと大体決めている、泊まるところも決めている方も多いと思うので、その前の段階にも少し力を入れていただきたいと思います。
 その中で、プロモーションのところなのですが、動画のコンテストの開催や劇場などと連携した美術館、博物館の情報発信というのがあるのですが、これは具体的にどのようなことをやられているのでしょうか。
観光企画課長
 まず、動画のコンテストにつきましては、今年から始めた事業でございまして、神奈川県の観光の魅力をより多くの観光客に知ってもらうため、個人、企業などの団体から本県の景観、文化、食などの観光PRをする動画を募集しまして、それぞれを観光プロモーションに活用しようということで実施したものでございまして、8作品、今回応募がございまして、その中から最優秀と優秀賞を決めているものでございます。審査に当たりましては、1次審査としてユーチューブで募集があった動画をアップしまして、その中で1次審査をした上で、2次審査として、観光親善大使をしていただいている河村隆一さんと、知事に審査をしていただいて最優秀と優秀を決めたものでございます。
 それと、ミュージアムマップのお話だと思いますが、そのマップにつきましては、劇場を訪れる観光客をターゲットに、周辺の美術館や博物館に関する情報や、美術館などを周遊するコースの情報を発信する観光マップをエリア別に作成しまして、山手から馬車道版というのと、みなとみらい版というのを作ってございまして、これを観光かながわNOWというウエブサイトで掲載してございます。それと併せまして、このマップを紙媒体にした、ポスター状のものを作りまして、それにQRコードを載せまして、そのウエブサイトへ行けるような形のポスターを作りまして、これはみなとみらい線の駅とか、あと県民ホールとか近代文学館、シルクセンター、これはマップに載っているところでございますが、そういったところで掲示をして、スマートフォンの情報取得の利便性を高めるような取組をしたところでございます。

石川(裕)委員
 動画が8作品あるということは理解をしましたが、劇場は誘致というよりも、いらしたお客様に対してのコンテンツ、サービスという理解でよろしいのですか。現在これは劇場と書いてあるので、例えば県外の劇場で、どこかそういうキャンペーンをやっているということですか。
観光企画課長
 これは県内の特に横浜地区の劇場を想定しているのですが、来ていただいたお客さんに、周りの美術館や博物館を見ていただくためにコースを設定したり、その場所をマップで表示するというものでございまして、県外の美術館とか博物館とか劇場を想定しているものではございません。

石川(裕)委員
 今どうしてこういう質問をしたかというと、国内観光客誘致ですから、県外から来てもらいたい。今の御答弁だと、今横浜に来てくれている方に、改めてどこか美術館にでもという御答弁だと思うのですが、せっかく国内観光客誘致というのであるならば、ほかの劇場、例えば東京でも、群馬でもいいです。そういう劇場には神奈川県に来てくださいということだと思ったので、その点については、やはり御検討を今後いただきたいと思います。