県単独補助事業における補助基準の格差是正について

石川】昨年の質問で、「小児医療費助成事業補助金」と「ひとり親家庭等医療費助成事業費補助金」を例に質問し、知事からは市町村の代表と協議の結果、補助率引き下げに合意した旨の答弁があった。これが川崎市議会で取り上げられ、同市財政局長から、納得できないと意見を述べたが、一方的に格差が示され、実施された旨を、同市長は、県内での租税負担の公平性が損なわれている等と答弁した。格差是正については、横浜市、相模原市からも毎年要請されている。
 そこで、指定都市とその他の市町村とで補助率の取扱いに格差が設けられ、平成14年から18年もの間要望が挙げられ続けている、4事業の県単独補助事業における補助基準の格差是正について、県の「合意した」との見解と指定都市の認識にずれがあると考える。まずは、この認識のずれを解消するための協議の場を持つべきと考えるが、所見を伺う。

知事】県では、県単独補助事業の補助率については、様々な経過を経て定めている。例えば、議員ご指摘の4事業の1つである、「小児医療費助成」事業は、制度創設当初の補助率は全市町村2分の1でしたが、その後、通院する子どもの補助対象年齢を、市町村からの要望に応え、1歳未満から3歳未満に拡大し、その一方で、県の補助率は政令市4分の1、その他市町村3分の1としました。このように、現行の補助率は政令市との協議のうえで設定したものである。
 また、県と政令市は福祉に関する分野について同等の権限を有していること、県として必要と考える行政サービスを財政規模の小さい市町村へも提供できるよう財源を再配分していく必要があることなどから、現行の補助率を維持していくことが重要と考えている。こうしたことから、政令市との補助基準の格差是正に向けた「協議の場」を改めて設置することは考えていませんが、毎年度の予算調整などの機会を捉え、各市とは意見交換を行っていきます。
 なお、これらの県単独補助事業は、全国で広く実施されており、自治体間で基準を競争するものではなく、本来、国の社会保障制度の中に位置づけるべきものである。子育て世帯等が安心して医療を受けられるため、全国一律の制度とするよう、国に要望しているところですので、今後とも粘り強く働きかけてまいります。

石川】「協議はしないけれども意見交換は行っていく」という答弁であった。情報交換は何のためにやっていくのか伺う。

知事】現行の補助率というのは、県と政令市との協議のうえで設定したものである。また、政令市は福祉に関する分野について、県と同等の権限を有していることから、県としても必要と考える行政サービスを、財政規模が小さい市町村へも提供できるよう財源を再配分していく必要があることなどから、現行補助率を維持していくことが重要であることであります。
 何のためにその意見交換をしているのかについてですが、毎年市長が私に予算について要望をされます。そのなかに、このような問題が触れられることがある。そのなかでいま答弁したことをご理解いただけるようにしっかりとご説明申し上げたいと思います。そのための意見交換の場ということになる。