石川(裕)委員 次に、次世代の専門高校のことについて、私も本会議での一般質問で1回取り上げていますので、そのことについて伺います。平成28年7月に、神奈川県産業教育審議会が設置されて、様々な専門高校の在り方が示されています。今回、農業、水産を中心に伺いますが、専門高校のデュアルシステムの意義を、まず伺います。
高校教育課長 デュアルシステムですが、長期の現場実習という形になりまして、生徒たちが勤労観や職業観をしっかりと身につけ、理解していただくということももちろんなのですが、それよりさらに実際的、実践的な職業知識あるいは技術、技能の習得を通して、生徒たちの資質、能力を育んでいくことを狙いとして実施するものです。
石川(裕)委員 この神奈川県産業教育審議会から、まず、農業に関する学科においては、これからの神奈川県の農業を支える継続的な人材育成を図る必要があり、将来、認定就農者として自立した農業経営ができる支援体制を構築することが望まれることが今回報告されています。水産のほうに関して、本県の水産業は高齢化が進み、後継者不足が喫緊の課題であり、県立の水産高校では漁業従事者の育成、水産海洋関連産業の担い手に求められる人材の育成、さらには水産業の人材確保の観点から、地域に漁業従事者として就職するための支援体制の構築を図る必要があると報告をされています。これは平成28年7月に設置されておりますが、この辺について、今どのような状況になっているのか、伺います。
高校教育課長 農業、水産については、教育局としての取組ももちろんですが、知事部局の環境農政局のほうでも、そうした農業あるいは水産業に関する人材の育成、就労、そういったところの取組を進めているところです。そうしたことがありますので、環境農政局とも連携をしながらしっかりと取組を進めたいと思います。
石川(裕)委員 報告書には学習機会の在り方ということで、環境農政局、農業分野では、新規就農者に関する関係部局と連携して、新規就農者に対する就農支援を実施、水産のほうでは、県関係部局や漁協等との連携を含め、三浦半島地域を水産教育の基点とする産学官の連携を進めると報告がされていますが、この辺はどうでしょうか。
高校教育課長 例えば、農業の関係で、畜産業に関して畜産課のほうでも、今、まさに実習場所の確保といったことから、将来の就労、就農に向けたものにつながるような取組の立ち上げを進めていただいていますので、そうしたことについて、私どもも一緒に連携をしながら取組を進めています。また、漁業の関係についても、漁業就労を目指しての取組ということで、今、進めていただいているところです。
石川(裕)委員 この地域の産学官について、例えば、水産だと漁業の関係者、また、農業関係だと地域の農業の方の開拓、連携は学校が行うのですか。
高校教育課長 これまでは、例えば、水産高校の生徒が、自宅が漁業関係の仕事をされていればそれを継ぐということがありますが、そうでないような場合に、こういうデュアルシステムのような実習の受入れをしていただくところを通して、そこから就労につながるというケースもあります。状況によってはつながらない場合もありますが、そうした場合には、学校が子供の希望を聞いた上で、実習を受け入れていただけるところを探して、お願いをしてということをしているところが実態としてありますが、今、環境農政局のほうでは、さらにもう少し広い形で、漁協等と連携を図るための取組を進めているところと認識しています。
石川(裕)委員 デュアルシステムのお話がありましたが、正直、学校現場が開拓している部分については、これから教員の働き方改革も含めて、児童・生徒に教える時間を取るために非常に大変な思いや努力をされています。その上にデュアルシステムの実習場所の開拓や、もしくは生徒が希望を言ってくれたからそういうところに行くなどというように、学校現場に任せるのではなくて、県教育委員会と環境農政局がしっかりと連携を取って、そして教育委員会のほうから、しっかりとそういう場所を確保していく努力が必要だと思うのですが、いかがでしょうか。
高校教育課長 現在開かれている県の産業教育審議会の中間まとめを令和元年12月にいただいておりますが、その中でも、そうした仕組みづくりが必要であると意見をいただいています。そうしたことから、県としてそうした仕組みづくりのため、例えば、産業界や商工会議所といったところと学校、それから県教育委員会、これらが一緒になって、デュアルシステムの理解を企業側にしていただくということも必要ですし、理解するだけでなく、それを受け入れることが企業にとってもプラスになる部分があることも理解していただくということが必要だと思っています。そうしたことも含めて、子供たちのデュアルの受入先の確保、充実を進めるような仕組みづくりが必要との意見をいただいていますので、そのことについて、今後どうしていくか検討に入っているところです。 教育参事監兼指導部長 このデュアルシステムは、教育の中では新しいやり方ということもあります。今ではかなりポピュラーであるインターンシップについて、実は15年ぐらい前に同じような状況で、県教育委員会が中心となり、他部局あるいは企業の方と一緒に協議会をつくらせていただいて、インターンシップの普及、それから開拓を円滑に進めるように組織づくりをしました。 今回のデュアルシステムについても、今、高校教育課長から答弁させていただいたとおり、教育委員会が中心となって、今も環境農政局と連携を取りながら、教育委員会が主体となって検討を進めているところですが、今後、インターンシップを導入したときのような協議体をつくることについて検討を始めたというところです。
石川(裕)委員 最後に、要望になります。 学校と地域、今回は農家と漁業の関係者、両方の話をさせてもらいましたが、学校と地域の農家、漁業関係者などと一緒に、農業と漁業を支えるような生徒を育て、そして学校と地域が連携して地域の活性化のため、そういう産業の担い手を育てることが、地域に根ざした専門高校の役割の一つだと私は思います。ぜひ、将来の神奈川県を担う多くの人材を地域の企業、産業と連携して育成していただくことを要望して、私の質問を終わります。