【石川(裕)委員】 民主の石川です。早速質問に入らせていただきます。
緊急事態宣言が今週の日曜日、21日まで延長され、医療従事者への2回目のワクチン接種も始まりました。そのような中で、本日は、今後の新型コロナ感染症対策について伺ってまいりたいと思います。
初めに、来年度の当初予算について伺います。コロナ対策に係る予算計上こそ、先を見据えて、数字を積み上げていかなければならないと考えますが、来年度の新型コロナウイルス感染症に係る対策費計上の基本的な考え方について伺います。

【財政課長】 3年度当初予算案では、医療提供体制の維持としまして、病床の確保ですとか、宿泊療養施設の運営、検査体制の整備、また、県内経済の回復に向けた支援としましては、中小企業への資金繰りですとかビジネスモデル展開への支援、雇用対策といたしまして、合同説明会の実施ですとか、合同就職説明会、面接会の実施ですとか、テレワークの導入支援、学びの保障として、オンライン学習のための通信環境の整備など、コロナから命と暮らしを守り抜くための総合的な対策に係る予算を計上したところでございます。

【石川(裕)委員】いろいろ項目を挙げていただきましたけれども、予算を計上するに当たっては、今年度実施した事業の効果を踏まえた上で計上したというふうに思いますけれども、どのような検証、そして分析を行ったのか伺います。

【財政課長】3年度当初予算において、例えば医療提供体制の維持におきましては、2,300床の病床の空床確保量ですとか、1,900室の宿泊施設の借上げなど、2年度と同規模を維持することとしたところでございます。県内の医療崩壊を防ぐためには、財政当局としても引き続き現行の医療提供体制を維持していかなければならないというふうに考えておりまして、3年度においても必要額を計上したところでございます。

【石川(裕)委員】ここから具体的な感染症対策について伺ってまいりますけれども、まず初めに、検査数に関連して少し伺います。緊急事態宣言後、神奈川県でも徐々に感染者数も落ち着いてきていますけれども、知事などからは、陽性者数の下げ止まり、そしてまたリバウンドが危惧されるという発信もされています。
日々、県や報道等において陽性者数の発表がされていますけれども、まず、検査数の受ける方の数が毎日同じであれば、その比較というものが意味のある数字というふうに思うんですけれども、実際、検査数を調べてみますと、医療体制が、医療提供が不可能になるというふうに報道等で言われていた12月から見ると、1月12日は、神奈川県7,937人、ホームページの数字で拾っていますけれども、の検査が行われています。一方3月7日、直近ですけれども、807人、ちょっと今日数字が変わっていましたけれども、807人の検査数となっている。1月と3月で10分の1の数字の違いがあるわけです。そういう中で、まず確認ですけれども、感染者数が下がったという報道もある中で、これ、検査数が減ったから、感染者数が下がった、こういうことはないんでしょうか。

【感染症対策担当課長】検査数につきましては、1月の平日は5,000件から、委員が今おっしゃっていただきましたように7,000件まで、そこまで高い数字でもございました。2月に入りまして、2月の上旬が4,000件から5,000件台、また、2月の下旬から今月に関しては、多い日は4,000件、少ない日は1,000件を割るというところまでになってきてございます。特に検査体制を変えたというわけではございませんで、故意に検査数を絞っているということもございません。発熱患者からの診療予約希望を受けております発熱等診療予約センター、こちらへの入電数も減少してきている状況から見ましても、症状のある方が減ってきているというふうに思われます。緊急事態宣言の発動により、全国的に見ても陽性患者数も減少傾向であるということで、こちらと相関関係が見られるかと思っております。

【石川(裕)委員】県のホームページで確認をさせてもらっていますけれども、日々、検査数が大きく変わっている中で、今、答弁があったとおり、それだけの月によっても検査数の数が、幅があります。そういう中で、私は日々の感染者数よりも、陽性率に着目すべきだというふうに考えていますけれども、県では陽性率をどのように捉えて活用しているのか、伺いたいと思います。

【感染症対策担当課長】陽性率は、日々のばらつきを平準化して、全体の傾向を見る趣旨から、過去7日間の移動を平均値として算出しています。3月11日現在の直近のものですと4.04%となっております。陽性率の活用の方法としては、感染拡大に備えた県のモニタリング指標の1項目というふうにしてございます。

【石川(裕)委員】次に、時間が限られていますので、宿泊施設について伺っていきます。軽度、無症状者、患者の療養施設の事業には、令和2年度の累計で約95億円の補正予算が計上されて、そして現在は横浜、川崎、相模原、厚木など、拠点ごとに200室前後のホテルを複数借りていることは承知しています。でも、昨年の夏頃は、2,000室以上の大きなホテルを借り上げて運営をされていました。私はオペレーション上、戦力を複数持つよりも、ある程度集中しておくというメリットがあったと、2,000室のホテルを借りているときには、あったというふうに思います。でも現在は、拠点ごとに整備していて、方向性がちょっと変わったのかなというふうに思いますけれども、どういった理由で変わったのか。そして、来年度、この療養施設事業に約116億円円、計上されています。療養施設の維持と確保についてどのような計画と見通しで、この予算を計上されたのか伺いたいと思います。

【地域療養担当課長)】大きなホテルというものは、県職員や看護師等の運営スタッフを集約配置できるというメリットがある一方で、2,000室以上の部屋を効率よく使うというのは非常に困難でございまして、残念ながら、無駄が一部生じていたというのが実態になっております。療養者の利便性、もしくは搬送距離等を考慮しますと、各地域に分散して配置していたほうが、使い勝手がよいと判断しました。また、自然災害時の県内交通の分断などのリスクも考慮しますと、相模川以西の厚木市内にも確保したということでございます。また、来年度の宿泊療養施設の計画等につきましてですけれども、基本的には今年度と同規模の施設数を確保していきたいというふうに考えておりまして、そのための必要な予算を計上させていただきました。

【石川(裕)委員】考え方は理解をいたしました。2,000室を借りていたときには無駄、そういう2,000室は大き過ぎるというデメリットもあったというご答弁だったというふうに思いますけれども、そういう中で、今、来年度も、同じぐらい確保していくという計画のご答弁がありましたけれども、この116億円で、県民の皆さんはどれぐらい、いつまで借りられているのかということが不安なわけです。ホテルが、例えば一旦契約を解除してしまったら、そうするとまた次、借りるまでに、また時間がかかるかもしれない。コロナの感染の度合いというのもあるかもしれませんけれども、県として、この宿泊療養施設をいつまで、来年度、令和3年度中いっぱいずっと借り切るのか。それとも、ある程度感染が落ち着いてきたら一旦解約をして、そしてまた新たに探していくのか。そして、もしくは、今までの経験を生かして、次に、すぐ契約をできるように準備をしておくのか。こういう準備が私は大切だと思うんですよ。ぜひこの点についてお答えいただきたいと思います。

【地域療養担当課長】まず、今回用意している予算につきましては、9月末までを予定してございます。それまでの間の感染の状況だとか、そういったものを見定めながら、今後それを、契約を継続が必要であれば、必要な予算のほうも計上させていただいてというような、そういったことを考えております。
ですので、委員おっしゃったとおり、ホテルの契約を一旦解除して、また一からというふうになりますと、どうしても数か月の時間を要してしまいますので、できる限り今あるところを使わせていただけるかどうかといったところを軸に、今後検討していきたいと思っております。

【石川(裕)委員】ホテル側も、事前にそう言って、県から言っていただければ、ある程度は準備ができると思いますけれども、これは、直近に言われると、なかなか予約を入れてしまっていたり、ということもあると思いますので、できるだけ早くそこの調整はしていただきたいというふうに思います。

続いて、ワクチン接種について伺っていきますけれども、医療従事者の先行接種が進み、いよいよ4月から高齢者向けのワクチン接種がスタートする予定です。接種が本格化してくると、地域によって接種を行う医師数が足りなくなるのではという報道もあります。そうしますと、県民にとって、うちの地域は大丈夫なのかというような不安もあると考えますので、ちょっと質問させていただきますけれども、地域ごとに接種のスタート時期も変わり、その接種は1回ではなく約3週間後にもう一度接種を行う。その重なる時期など等も含めて、医師会や看護協会など関係団体としっかりと連携を取っていかなければならないと思います。関係団体との連携状況を伺いたいと思います。

【ワクチン接種担当課長】現在、県医師会とは、週に1回のペースで打合せをさせていただいております。その会議では、ワクチンの接種体制の準備状況について、情報共有し、今後どうしていくかということをご意見いただいているところです。その他の関係団体についても、体制構築を検討する中で、直接ご説明させていただいております。今後、医療従事者や高齢者の接種につきましては、期間が少し重複するようなこともありまして、課題も生じてくる可能性がありますが、関係団体と密に連携を図ってまいりたいと思います。

【石川(裕)委員】確かにご答弁のとおり、ワクチンがどれだけ来るか、いつ来るか、これがなかなか県でも分からない状況の中で、各団体と連携を図っていく。これも大変だと思いますけれども、常に準備はしていただきたいというふうに思います。そういう中で、小さな市町村は、医師数の確保が難しい。こういう報道もあります。そういう課題に対して、私は、県、広域の自治体として、例えば、例えばですよ、政令市にいる医師が県西地域の接種会場に手伝いに行く、こういう市町村を越えて、県が広域的な形でそういう枠を越えた対応というんですか。こういうものが必要になってくるというふうに思います。このあたりの検討はされているのか伺いたいと思います。

【ワクチン接種担当課長】現在、住民接種について、市町村で準備を進めているところです。例えば足柄上の5町、中井町、大井町、松田町、山北町、開成町になりますが、合同で集団接種を行うということで、広域的な連携を進めようと準備しています。県では、市町村からの課題を聴取する中で、医師、看護師の不足についてもお話を伺っており、今後、各市町村と具体的な対応策を調整していきたいと考えております。その中で、郡市医師会の枠を越えた対応のニーズがあれば、広域的な連携を県医師会とも、関係団体と調整させていただき、対応方法も県も一緒になって考えていきたいと思います。

【石川(裕)委員】まさに、新型コロナで、重症な患者の方を、例えば政令市で重症になった方を県西地域の病院で受け入れていただいた、こういう報道もありました。そういう中で、神奈川県として、市町村という単位を越えた形で、こういう緊急時ですから、こういう広域的な形で、県が俯瞰的に、そして、医師会そして看護協会も含めた形で、ぜひこういう広域で、ぜひ連携を取っていただきたいというふうに思います。ダイヤモンド・プリンセス号の対応から計算しても、新型コロナウイルス感染症対策は、1年以上行っていることになります。現在のところ、新型コロナウイルス感染症の医療体制などについて、1年間もう行ってきた中で、どのような形で振り返り、そして分析・検討を行っているのか、伺いたいと思います。

【感染症対策担当課長】神奈川モデル医療提供体制につきましては、その時々の感染状況によりまして、常に対策の効果検証を行い、また、感染症対策協議会などで、有識者からのご意見を伺いながら、施策を進めてまいりました。変異株など新たな課題も出てきておりますので、全体を通じての振り返り等はこれから検討していくことになるというふうに考えてございます。

【石川(裕)委員】 まさに、今、ご答弁がありましたけれども、変異株の新たな対応というものを検討していかなければなりません。そして、今、対策会議で、日々、私も対策会議のインターネットの中継等々も見させていただいています。統括官から日々の報告を受けて、そして様々な対策を打たれているということも理解をしています。ただし、対策会議で、日々の直近の振り返りというんですか、これをずっと振り返ってきていることも大事ですし、目の前のそして対策を打っていくことも大事だと思うんですけれども、そろそろこの、例えば去年の夏はどうだったとか、そして、今度の夏を迎えるために、こういうことはやっていこう、もしくは、こういうことは変えていこう、こういう総括もそろそろ必要だと思いますけれども、いかがでしょうか。

【感染症対策担当課長】都度都度の施策の効果検証ももちろんそうですが、やはり感染状況、日々変わっていく中で、先を見据えた検証というのも必要になってくるというふうに考えてございます。

【石川(裕)委員】なかなかご答弁も難しいかと思うので、局長にお伺いをしたいと思いますけれども、その総括も含めて、この1年様々な経験、取りまとめを行って、そして、現在の感染者数に対応するだけでなく、繰り返しになりますけれども、3か月後、そしてまた6か月後を見据えた方針というのが、そろそろ私は必要になってくるというふうに思います。さらにその先、1年後、5年後、そういう形の新たな感染症に対する基本計画もこれは作
成をしていかなければいけないと思いますけれども、次に来るかもしれない大きな波に対して対応していく必要性と、緊急時には即時に対応できる体制構築の検討が必要と考えますけれども、所見を伺いたいと思います。

【健康医療局長】県におきましては、ダイヤモンド・プリンセス号での経験を踏まえまして、中等症患者の入院先である重点医療機関や、軽症者を収容する宿泊療養施設の設置など、今や全国のモデルとなりました医療提供体制「神奈川モデル」を構築してきたところでございます。その後も全国に先駆けまして、LINEコロナパーソナルサポート等のICTを活用した情報発信や、療養者の健康観察、そしてクラスター対策のための神奈川コロナクラスター対策チーム、いわゆるC-CATの設置、そして入院優先度判定スコアの導入など、保健所設置市とも連携して、様々な新しい対策に取り組んできたところでございます。そして昨年から今年にかけての年末年始の患者急増期の経験も踏まえまして、自宅療養者の健康観察について、地域の医師会や訪問看護ステーション等と連携して進める新たな地域療養モデルの検討や、フェーズを多段階で再設定した上で、個々の医療機関と協定を締結して、病床を確保するなど、新しい取組も進めようとしているところでございます。
新型コロナウイルス感染症との闘いはまだ道半ばとはいえ、ようやくワクチンの接種までたどり着いたところでございますので、こうしたこれまでの取組について、改めてしっかりと検証を行い、今後、感染症予防計画に反映させていくとともに、緊急時に必要となる組織体制につきましてもしっかり検討を進め、体制を整えることで、新たな感染症から、県民の皆様を守ってまいりたいというふうに考えているところでございます。

【石川(裕)委員】局長から今、丁寧なご答弁いただきましたけれども、もう一つだけ今ご答弁の中で、局長、総括について、どのように捉えられているのかお伺いしたいと思います。

【健康医療局長】先ほども、委員ご指摘のとおり、感染症対策協議会で、その時々の感染状況などを踏まえた総括と、そして今後の当面対応すべき施策についてご議論をいただいて、それを県の施策として反映させていくということは、大体二月に1回か一月に1回細菌感染症対策協議会を開いて行っているところでございます。先ほどご指摘のあったとおり、昨年の今頃の対応はどうだったか、そしてこれから、春から夏にかけて、どういうふうな対応が必要かということにつきましても、感染症対策協議会の意見を聞きながら進めていきたいというふうに考えているところでございます。

【石川(裕)委員】今のご答弁がもう最大限だというふうに思いますけれども、ぜひ、どこかの時点で、もうそろそろ1回、1回と言ったら失礼かもしれないですけれども、総括を見直す時期に私は来ているということを申し上げたいというふうに思います。

最後に、要望になりますけれども、21日まで、緊急事態宣言が延長され、経済への影響も大きくなってきています。新型コロナは、今後も生活の中で、私は、ゼロにはならず、共存していくものだというふうに考えています。その中で、医療体制の構築は、今後、経済を回していく中で、とても私は重要だというふうに思っています。新型コロナ対応の県民への周知と理解とともに、次の感染の波がいつ来るか分からない中で、延長されたこと、この2週間がその体制準備の時間であったと、前向きに捉えていただきたい。そして、これまで総括、繰り返しになりますけれども、これまでの総括と、緊急時には即時に対応できる医療体制、これ、口で簡単には言えますけれども、今回も、なかなかこのコロナの陽性患者数の伸び率と、その確保する病床数、これがアンバランスになってしまったために、医療体制がとても逼迫したんだということが、再三言われてきました。
そういう中で、この即時に医療体制が整えられる、これが私は県民が安心して、今後、経済活動も含めて、例えば旅行に行ったり、そして食事に出たり、こういうことができる安心材料になってくるというふうに思いますので、この構築をぜひ一日も早く構築していただくよう要望して、私の質問を終わります。ありがとうございました。